月別アーカイブ: 2014年9月

【映画】『わらの犬』

内向的な数学者が閉鎖的な村で度重なるストレスを受けて最後に大爆発する話。

先日、本作のリメイクを間違えて観てしまったが、そちらの方は現代のハリウッド映画特有のわかりやすさが悪い意味で前面に出ていて、コミカルでない『ホーム・アローン』みたいなピタゴラスイッチ映画だった。

本作はリメイクに比べ、伏線がさり気なくて段取りっぽくないのがいい。

女は、本質的に暴力的な男を求めている。
女は、心の優しさと勇気が裏表の関係になることが理解できない。
女は、原則論がない。
女は、乳首をピンと立たせてセーターで街を闊歩する。
……等々、女が潜在意識下で何を望んでいるか男視点から描かれている。

女に比べ、男は原則論がはっきりしている。
ある一線を越えることを絶対に許さないのだ。
「ここは僕の家だ。僕自身だ。だから暴力は許さない」

いつか僕もこんな風に爆発しそうだ。

【日記】14年09月01日 体重59.9kg

五時起床。
起きると外は冷たい雨が降っている。
この一週間で朝、雨が降っていなかった日は昨日だけ。

午前中、少しだけ雨が小ぶりになったので駅前のショッピングモールへ買い出し。
そのほかは雨が昼過ぎ悲しげに降り続いている。
スケジュールに組み込んでいたことがいくつか先延ばしになる。

午後、傘をさし外出、TSUTAYADISCASにてレンタル視聴したDVDを返却にポストに投函。
しばらく経ってから、今朝自宅に届いたレンタルDVDを封を開けずに勘違いして送り返してしまったことに気づく。
ああ……自己管理力の低さ、注意力の無さよ。

ずっと自室にこもってキャラクターデザインとネーム。

二二時半就寝。


こんなもの食べた!・・・14年09月01日

こんな映画を観た!・・・14年09月01日
【映画】『わらの犬』:ビデオテープで鑑賞。

【日記】14年09月02日 体重59.8kg

五時起床。

七時一分より公園を三九分ジョギング。
雨上がり、空は澄み、公園の地上付近に水蒸気が漂っている。
樹々の間から太陽の光が放射状に広がり地面を照らす。
天使が降りてくるような、荘厳な雰囲気。
Goblinのアルバム「Il Fantastico Viaggio del Bagarozzo Mark」を聴きながら走る。
公園の朝の美しさと相まって、聴いていて心地よい。
むしろ素晴らしい!
『サスペリア』などホラー映画の音楽担当だけで記憶されるているだけならもったいない。

ようやく自分の中で次に何をすべきか具体的に固まってきた。
次の仕事に向け、部屋の片付けと資料の整理。

オナニー一日一回の修行中。
昼間ムラムラしたら、激しいスラッシュメタルを聴きながら近所を一周する。
セミを観察したり、樹を仰ぎ見たり。
すると不思議なぐらい性欲がおさまる不思議。
オナニーを制するものが世界を制することができると信じている。

二二時半就寝。


こんなもの食べた!・・・14年09月02日

こんな映画を観た!・・・14年09月02日
【映画】『ミスティック・リバー』:DVDで鑑賞。

こんな本を読んだ!・・・14年09月02日
【本】『まっすぐ天へ』的場 健 金子 隆一(監修)
【本】『ハードボイルド』フランク・ミラー&ジェフ・ダロウ

【本】『ハードボイルド』フランク・ミラー&ジェフ・ダロウ

ストーリーがわかるようでわからない。
自分が人間だと思っていた男が実はロボットで、それを認めることができなくて大暴れする、といったところだろうか。
とにかくわかりにくい。

大友克洋氏、メビウス氏とも似ているが、描線に特徴があり、ミリペンで描写したかのごとく線に抜きがない。
抜きがないことと関係しているかもしれないが、効果線やスピード線の表現がない。
連続した絵を何枚も重ねることで動きを表現する。

表情や服を陰影でなくしわで表現、歯茎まできっちり描くところ、釋英勝氏の『ハッピーピープル』を彷彿とさせる。

圧倒的に魅力があるのは、細部まで描き込まれた一枚絵の破壊シーンだ。

ちゃんとカラリストがついているのに、塗り方が雑で選択範囲がずれていたり、全体的に中間色で補色関係の配色が多くて気持ち悪い雰囲気になっていることが残念。
もっとスタイリッシュにできたはずなのに。

【本】『まっすぐ天へ』的場健 金子隆一(監修)

国でなく民間で、宇宙エレベーター建設に懸ける男達を描いた漫画。
兄弟で宇宙を目指す点、宇宙兄弟に似ていると言えなくもないが、扱う題材がちょっとマイナーなのと抑え気味の演出が明暗を分けたのだろうか。
物語が半ばで終わっていることが非常に残念!

今までいろんな漫画を見てきたが、耳の中を描かない表現で描く作家を初めて見た。
描線でなくベタで陰影を表現する絵柄なので、光が強く照らすことによってコントラストが上がって耳の陰影は消えてしまうという解釈なのだろうか。
ほかの漫画も読んで確認してみよう。

前述のように陰影をベタで形をとって描く硬い絵柄なのに、漫画として動きがある。
相当デッサン力がないとできない。

【映画】『ミスティック・リバー』

三人の少年は幼なじみ、ある日目の前で見知らぬ大人に一人が誘拐されてしまうが、その場に残る二人は助けることができず見ているだけだった。
幸い、誘拐された少年は逃げ出すことに成功したが、それ以来三人は疎遠になる。
それから数十年、彼らの街である殺人事件が起こり、三人はふたたび運命の渦に巻き込まれていく……という話。

クリント・イーストウッド氏の映画は、僕みたいな映画の素人には優しくない。

人間関係の相関図をメモしながら観ている。
おそらく手元に何もなかったら、僕は内容を理解することが困難だったろう。

一時間経っても物語の核心に至らず、イライラする。

ショーン・ペン主演の映画で、名前がショーンというケビン・ベーコン演じる刑事が出てくることも混乱する原因のひとつ。
ショーン・ペンの役名をショーンにすべき!
それができないなら、この映画を観た観客が混乱しないようショーン・ペン自身が改名するというのも手だと思う。

二時間でやっと物語の核心に至る。

結論としては考えさせられる作品で大変面白かったのだけれども、欲を言うなら、もう少し映画の素人にもわかりやすく作っていただけたらありがたかった。

【日記】14年09月03日 体重59.5kg

五時起床。

八時二〇分より自転車にて外出、九時半に小金井公園(自宅から一三キロ離れている)に到着。
資料撮影のため、江戸東京たてもの園を見学。
夏休みが終わり、朝一番のため撮影当初は僕の貸切状態だったが、時間が経つに連れカップル、友達連れの客が増えてくる。
曇天の下、僕は一人じめじめと歩く。
二時間ほどで撮影に飽きてくる。
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一二時前、たてもの園を出て企画展へ移動、「ジブリの立体建造物展」を鑑賞。
アナログとデジタルの境界線が興味深い。
『となりのトトロ』など、アナログのセル画の線がおそろしくきれいなことに今更ながら気づく。
学生時代、大友克洋氏のリアル表現にショックを受けて以来、ジブリアニメの線の単純さに物足りなく思っていたのだが……
もう一度ちゃんと観直してみよう。

一二時半に公園を出て、空腹でふらふらしながら自転車を漕ぐ。
西武柳沢駅近く新青梅街道沿いのラーメン屋「藤亭」にて油麺。
綺麗とはいえない外観で入ることを躊躇したが、思いの外おいしかった。
一四時ごろ帰宅。

ネームなど、机にずっと向かっているが集中できない。
二三時就寝、疲れでなかなか眠れない。


こんなもの食べた!・・・14年09月03日

こんな映画を観た!・・・14年09月03日
【映画】『マチェーテ・キルズ 』:DVDで鑑賞。
【映画】『ダラス・バイヤーズクラブ』:DVDで鑑賞。

【映画】『マチェーテ・キルズ 』

ダニー・トレホ演じる「マチェーテ」が国際的陰謀に巻き込まれながら戦う……という体の架空のB級アクション映画の続編。

オープニングは宇宙を舞台にした次回作の予告編から始まる、といった凝りよう。
設定だけでいくつもの入れ子構造になっている。

リアリティラインの低さと徹底的なまでのベタなネタ。
乳首からマシンガン……の後のくだりは思わす笑ってしまう。
しかしチャチさを笑うという感じでなく、あくまでこんなお金をかけてバカなことをやってますよ、というイメージ。

しかし前作に比べあきらかに情報過多。
展開が速い上に二転三転、キャラが多い。
何がやりたいのか途中でよくわからなくなってくる。
それも含めてB級ということならそれはそれで成功しているのかもしれないが、はたしてそれは当初から意図したものだったのだろうか。
撮影から完成にいたる間のどこかで、やむなくそちらに寄せていったような匂いがする。

【映画】『ダラス・バイヤーズクラブ』

ロデオ・カウボーイ(典型的なアメリカ男)の主人公が、エイズに感染してはじめて自分の偏見に気づき、差別と向き合い、他人のために頑張ろうとする話。

『エイズ版シンドラーのリスト』あるいは『エイズ版ソハの地下水道』といったところ。

最初は自分自身が必要にかられて薬の売買をしていたのだが、次第にそういうレベルでなくなり、他人のために身を削ること自体が目的になって、主人公は「ダラス・バイヤーズクラブ」を設立、のめり込んでいく。

決定的に主人公の意識を変える出来事があるわけではないが、三歩歩いて二歩下がるようなスピードで彼は前進していく。

正直、最初は主人公を含め周囲の感染者の自業自得感が強い。
仲間と注射針をシェアしたり(ドラッグまみれ)、不特定多数の相手と性行為したり、エイズ宣告されても構わず女を引っ張りこんで乱交……

しかし聖人とは到底いえないような、普通に考えたら同情できない類の人間だからこそ、そこからの行動にリアルさがあるのかもしれない。

【映画】『ビフォア・サンセット』

『ビフォア・サンライズ』の続編。
ウィーンの出会いから九年、男は作家として活躍、あの夜のことを書いた物語のサイン会でパリを訪れている。
そこで二人は再会、日没までの束の間のときをパリで過ごすことになるのだった……という話。

アドリブなのか脚本通り演技しているのか、その境界線上がはっきりしない。
時間経過と同じぶん、役者も本当に変化していることと相まって、フィクションであるこの映画が現実であるかのように錯覚させる。

恋ってのは難しい化学反応だ。
しかし面倒くさいからこそ、過程に楽しみを見出すわけで、登山のようなものなのかもしれない。

一番の盛り上がりが、女が部屋でギターを手にうたうところってちょっとクール。

イーサン・ホークは前作に比べあきらかに年を重ねた感があるのに、思慮深い雰囲気になっていないことに驚く。
ネズミ顔というか……貧相な印象。

【映画】『ビフォア・ミッドナイト』

ビフォア・サンセット』の続編。
パリでの再会からさらに九年、ギリシアの避暑地で二人は真夜中まで語り合うのだった……という話。

僕と同世代の二人がこの歳になると子供がいてこういうことになるんだな〜と自分の悪い意味での浮世離れさを思う。

ロマンチックな出会いから現実へ。
昔話でいう……それから二人は結婚して長くと幸せな時間を過ごしたのでした……の「それから」を描いたもの。

観ていて、マイケル・ベイ監督『トランスフォーマー』シリーズと同じくらい疲労する。

『トランスフォーマー』シリーズは短いカットを大量に挟むことによって起こる情報過多なのだが、『ビフォア・サンセット』のほうはその対極で長いカットが続く。
そして途切れることのない会話は、『トランスフォーマー』の途切れることのない爆破シーンと同等かそれ以上に疲れさせる。

『ビフォア・サンセット』つまり恋愛というものは、『トランスフォーマー』という地球規模の戦いに匹敵するぐらいだいうことだ。

この映画の中で、漫画『HUNTERXHUNTER』を彷彿とさせるような頭脳バトルが延々続く。
こんなのをクリアしなければ長続きできないって、恋愛って面倒くさ過ぎる。

猿から人類に進化して人類は本能が壊れ、子作りするための性行為だけでは済まなくなって、こんな会話を延々続けないと愛を確認できないのだ。
木から降りて地面に立った僕らの祖先はこんなことを望んでいたのだろうか?

【日記】14年09月04日 体重59.7kg

五時起床。

七時一〇分より公園を三九分ジョギング。
曇天、涼しい。
Gongのアルバム「You」を聴きながら走る。
悪くない。
自分が好きな曲に既視感が重要な要素を占めるということに気づく。
昔好きだった曲に似ている、とか、あのときのあの雰囲気を思い出す、とか。
ということは逆に、幼いころの情操教育というかいかにいろんな音楽に慣れ親しんでいるかが重要になってくるということだ。

ダイエットしていていると、若いころと比べガクンと肉体の可塑性が下がっていることに気づく。
毎日五キロ走って、食事制限をしているにもかかわらず、効果が低い。
三〇代の頃、同じレベルのダイエットで毎月二〜三キロは減らすことができたのに、
ということは脳の可塑性も同じく下がっているということなのだ。

午前中は資料整理。
午後、駅前のショッピングモールで買い物。
夕方、少しだけネーム。
相変わらず効率が悪く時間の使い方がもったいない。

二二時半就寝。


こんなもの食べた!・・・14年09月04日

こんな映画を観た!・・・14年09月04日
【映画】『ビフォア・サンセット』:DVDで鑑賞。
【映画】『ビフォア・ミッドナイト』:DVDで鑑賞。

【日記】14年09月05日 体重59.8kg

五時起床。
全身にまとわりつく眠気に抗うことができない。
仕事場までかろうじて辿り着いたにも関わらず、座椅子に横たわり二度寝してしまう。

七時四二分より公園を四二分ジョギング。
曇り空、意識と同じく朦朧としてはっきりしない天気。
Gongのアルバム「25th Birthday Party」を聴きながら走る。
普通。
嫌いではないが印象に残らない。

一日、資料片付けをしたり読書したりで、仕事まで辿り着くことができなかった。
明日からはスケジュールの組み方を変えてみようと思う。
四〇歳も過ぎてこんなんばっかり。

二二時三〇分就寝。


こんなもの食べた!・・・14年09月05日

こんな映画を観た!・・・14年09月05日
【映画】『ハリー・ポッターと賢者の石』:DVDで鑑賞。

こんな本を読んだ!・・・14年09月05日
【本】『ヨルムンガンド(2~11:完結)』高橋慶太郎
【本】『牙の旅商人(1~6)』七月鏡一 (原作) 梟 (画)
【本】『拳闘暗黒伝セスタス(2~3)』技来静也
【本】『RAINBOW 2―二舎六房の七人(1~3)』安部譲二 (原作) 柿崎 正澄 (画)

【映画】『ハリー・ポッターと賢者の石』

親戚の家で惨めな生活を送っていた少年ハリーは一一歳の誕生日、両親が通っていた ホグワーツ魔法魔術学校に入学することを許される。
やがて彼は魔術学校のどこかに隠された賢者の石探しを通じ、自分の両親を殺した「あの人」と自分の因縁を知ることになる……という話。

一二年前からの再鑑賞。
感想はそのときとあまり変わらない。

育て親の家族のあまりに悪意のある描き方に辟易する。
ハリーの部屋(階段下)の上の階段で、わざと飛び跳ねるってそんなあからさまなこと普通するか?
魔術学校から手紙が届いたら育て親があそこまで妨害するのもよくわからない。
育てたくない子供だったら逆に行かせたらいいじゃないか。

先生たちがハリーだけをえこひいき過ぎる。
変な球技でハリーが不利になると先生方はあきらかに悲しそうな顔になり、ハリーが活躍すると嬉しそうな顔になる。

特にラスト、校長の寮ごとの得点、あんなんハリーを勝たせるための後出しジャンケンやんけ!

そしてハリーに嫌われた生徒はろくな目に合わない因果応報。

ハリー中心に作られた妄想の世界みたいだ。
僕の予想するシリーズのラストは
「という夢をハリーは見たのでした」
というナレーションが入って、階段下の部屋で目覚めたハリー、そして布団にはほうきで空を飛ぶ自身がおねしょで描かれたしみが大写しになって終わり。
チャンチャン!

【本】『RAINBOW―二舎六房の七人(1~3)』安部譲二 (原作) 柿崎正澄 (画)

昭和三〇年、少年院の同じ房「二舎六房」で出会った七人の少年が歩むことになる波瀾万丈の人生(の物語)。

絵が不思議。
描線の流し方が凄まじく達者なのにキャラクターの顔の描き方がデッサンでなく記号なので、『ドラえもん』に細かい陰影をつけたような、『ブラック・ジャック漫画秘話』を流麗にしたような、アンバランスな印象。

【本】『ヨルムンガンド(3~11:完結)』高橋慶太郎

武器商人にボディーガードとして雇われた元少年兵は、いろんなトラブルに巻き込まれながら成長していく。

絵が画面全体の面積のほんの一部だけピンポイントで詳細に描写されていて、その周囲には描かれていない空白が広がっている。
そのバランスが巧みなので、ストレスなく読み進めることができる。

物語も絵と同じように、細部をリアルに描きこんでいる情報と飛ばしている情報のギャップが激しい。
リアル過ぎるとリアリティラインが上がり物語作りが難しくなるが、抜きすぎるとリアリティラインが下がって途端に絵空事になる。
絵と同じく、タイトロープを渡るかのような優れたバランス感覚で、物語を最大限面白く演出している。

おそらく作者は、読者が脳内で補完する部分を計算する能力に長けているのだろう。

僕はこういうミリタリーものを普段読まないのだが、楽しみながら読むことができた。
普段読まないからこそかも知れないが。

【本】『拳闘暗黒伝セスタス(2~3)』技来静也

ローマ帝国、コロシアムで拳奴として戦う主人公が闘いながら成長していく……という話。

皇帝ネロと旅芸人、徒手格闘兵団訓練校のエピソード。

物語作りが安定してうまいことはもちろん、動きのある格闘シーンが抜群に達者。
特に、連続するコマ送り映像を一枚絵で見せる演出は、実際に動いている映像を観るかのようだ。

【本】『牙の旅商人(1~6)』七月鏡一 (原作) 梟 (画)

文明崩壊後とおぼしき世界で盗賊団に両親を殺された少年は、武器商人の娘に助けられ、一緒に旅をすることになる。

物語の構成が優等生的にクオリティが高い。
世界観がもう少しオリジナリティがあればなお僕好みなのだが、一般的には共有最大公約数的に共有しやすい世界観のほうがいいのかもしれない。
同じように絵の方も抜群の描画力なのだが、この作家固有の個性がそこにあるのかはわからない。逆に言うと、ここまで作家性がなく絵を上達させるモチベーションが僕には見当つかない。

たまたま高橋慶太郎『ヨルムンガンド』と平行して読んでいたのだが、どちらも世界観こそ違えど武器商人モノ。
武器商人ジャンルというものが存在する?

【本】『珈琲時間』豊田徹也

ゆるやかに共通する世界で進行するコーヒーに関する物語を集めた短篇集。

SFや日常モノ、ハードボイルドなど扱うテーマは広いが、『童夢』以前の大友克洋氏の作品のような……日常をのある瞬間を切り取った物語が多い印象。

前作『アンダーカレント』では女性キャラクターが女性に見えなくてはじめは混乱したものだが、今作では完全に安定していてむしろ女性キャラクターが魅力的で、幅広く細やかな描き分けがなされている。

あえて見せ場が淡白に演出されているのだろう、抑制の効いた表現から逆に鮮烈な印象を受ける。

【日記】14年09月06日 体重59.8kg

五時起床。

六時五九分より公園を四四分ジョギング。
曇天だが、湿度が高いうえに暑い。
汗みどろになって走る。
普段よりスピードが出ない。
Gryphonのアルバム「Gryphon」を聴きながら走る。
いろんなケルト音楽の聴き比べをしたことがないせいで、細かい違いを認識できない。
アルバムの曲の差がわからず、どれも同じに聴こえる。

身の回りのことだけで時間が過ぎていく。
午後、映画を観てから家を出る。
新大塚の図書館に寄ってから、新宿のTSUTAYAでビデオを返却、世界堂で買い物、新宿三丁目のラーメン屋「鈴蘭」にてエビつけ麺を食して、四谷三丁目のクロッキー会に参加。
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二一時のクロッキー会終了後、六本木へ、漫画家の榎本由美さんの個展に寄って漫画業界のことなど話して帰宅。
アルコールを飲んだので少しフラフラする。
午前〇時過ぎ就寝。


こんなもの食べた!・・・14年09月06日

こんな映画を観た!・・・14年09月06日
【映画】『燃えよドラゴン』:衛星放送にて録画したものを鑑賞。

こんな本を読んだ!・・・14年09月06日
【本】『珈琲時間』豊田徹也

【映画】『燃えよドラゴン』

少林寺の高弟リーは、兄弟子であるハン主催の武術トーナメントに国際情報局の要請で参加することになる。
しかし準備のため帰郷したとき、リーは父親からハンの手下に妹が自害させられたことを告げられる……という話。

初めてちゃんと観たブルース・リー映画。

確かにブルース・リーの格闘シーンは格好いい。
スピードが速くて技の切れもある。
しかし、あの変な髪形は格好いいと到底思えない。
ルックスが読み切りの頃の『北斗の拳』ケンシロウそっくりなのだ。
ラオウと戦っている頃のケンシロウならまだ理解もできるのだが、何故に読みきり時代!

しかも普段の声は低いのに、戦うときだけ素っ頓狂に高い声を出す。
怪鳥かと思った。

【本】『夢から覚めたあの子とはきっと上手く喋れない』宮崎夏次系

SFと言ったらいいのかファンタジーといったらいいのかジャンル判別が難しい短篇集。
過剰なまでに情感豊かなことは確か。

自分の中でこの作家をどう捉えたらいいのか整理がつかない。
第一印象で湧き上がってきた感情は恐怖?

幼いころに読んだ怪奇漫画があまりにおぞましく手元に置けなくてもう二度と読めないようグルグル巻きに縛り土手に捨てに行った……この本を読んでいると、そんな忘れかけていた記憶と感情がよみがえる。

【本】『記憶の技法』吉野朔実

華蓮がパスポート手続きのため取り寄せた戸籍抄本には謎の記載があった。彼女は真偽を確かめるため、修学旅行と偽り福岡へ向かう。

ラストまで後ひと捻りあるかと思いきや、意外とストレートに終わる話だった。
まあ……そこで漫画『サイコドクター』のようなミステリ的などんでん返しがあったらテーマがぶれてしまうから、女性向け漫画としてはこれが正しいのだろう。
個人的には少しだけ拍子抜け。

【本】『ちーちゃんはちょっと足りない』阿部共実

ちょっと足りない女の子ちーちゃんと周辺で起こった小さな事件、連作短編から始まってゆるやかにひとつの物語に繋がっていく。

背筋から腰に冷たい柱が突き刺さり、そこから力が抜けていくような、鮮烈な印象を受ける。

自分の醜い心の動きを読まれてしまったような、居心地の悪さ、救われなさ、恥ずかしさ、いたたまれなさ、さまざまな感情がトラウマとともに身体中を駆け巡る。
個人的には古谷実『ヒミズ』と極めて似た読後感。

人の心を激しく揺さぶる力のある稀有な作品。

【本】『ブラックギャラクシー6』阿部共実

ブラックギャラクシーという正体不明のサークルに所属する六人の生徒が織りなす学園コメディ。

作者は徹底して人と人とのコミュニケーションの距離に(笑いであれ涙であれ)興味があるのだろう。
作品自体はギャグ漫画だが(コミニュケーションの難しさを扱った様々なバリエーション)、笑いそのものが自己目的化していない。