七時起床。
寝室は両親が使っているので、僕は仕事部屋で眠る。
慣れない場所で寝て風邪を引いてしまい、寒気で頭ガンガン、鼻水じゅるじゅる。
七時半頃から両親は大騒ぎして近所へ散歩に出る。
今日はマカロニほうれん荘展へ行こうと思っていたのに、上京した母があそこ連れてけとかワアワア。
一〇時前、母と外出。
「某病院を見に行きたい」
と母が言うので電車とバスを乗り継いで、連れて行ったら、予約もしてなくてほんまに様子を見るだけだという。テレビで観てええな〜と思ったとか。
(そんなふわふわしたことに付き合わすな)とムッとする。
「あんたここで待っとき」
病院に入って小一時間、出てきた母は
「待合室の雰囲気がよかった。病院のことは患者さんに聞くのが一番や」
「何人かに聞いてみたところ副院長さんの評判がええみたいや」
「遠くからも通っている人がいはって……」
お前は探偵か!
コミ症の僕には母のそういうところは受け継がれなかった。
一三時過ぎ新宿へ向かい、イタリア料理店で母と遅めの昼食。
昼食後、新宿ヨドバシカメラで母が使うためのカメラ(1万円程度)を選んで購入後、母を新宿駅に放置して中野へ向かう。
中野ブロードウェイで開催中のマカロニほうれん荘展を鑑賞。
小2のときお絵かき教室の本棚で最初の出会い、それ以来好きなギャグ漫画一位の座を他に譲ったことがない。
以来、何千回と読んでコマ割りのリズムを完全に覚えてしまった。
ずっと模写し続けた。
生原稿の美しさに驚愕……こんな上手かったのか!!
漫画を描くようになって、いろんな人の生原稿用紙を見る機会が増え、自分が上達したこともあってがっかりすることも多いのだが、鴨川つばめ氏の年齢や一枚あたりの制作期間を考えるとひたすら圧倒。
展示されていた生原稿の中でマカロニほうれん荘2巻「家族のきずな」。
これはギャグ漫画史に残る傑作だと思う。
漫画を読んでこんなに笑ったことはない。
死ぬかと思うぐらい笑ったしそれ以降そんな経験はリットン調査団のコントを見るまでなかった。
このコマを見ると今でもそのときの、死ぬかと思うぐらいはてしなく笑った記憶が蘇ってくる。
会場から出て、中野から東中野まで思い出を反芻しながら歩く。
帰宅して母に
「めちゃくちゃ迷ったわ!」
と怒られる。
最寄り駅から歩いて七分の場所なのに、なにを迷う要素があるんだ。
〇時就寝。