シェークスピアの台詞を再現という実験的な試みはすごいと思うし、演出も嫌いでない。
しかしシェークスピア時代の人間と我々は、価値観や文化が違う。
現代を舞台にしているためかえってそのギャップが目立ち、ロミオとジュリエットはじめ登場人物がより衝動的に見えて(アホに見えて)感情移入できない。
この頃のディカプリオの顔がくしゃおじさん化していないことが少し新鮮。
最近、経年劣化のためかどんどんつぶれていってるねんな〜。
シェークスピアの台詞を再現という実験的な試みはすごいと思うし、演出も嫌いでない。
しかしシェークスピア時代の人間と我々は、価値観や文化が違う。
現代を舞台にしているためかえってそのギャップが目立ち、ロミオとジュリエットはじめ登場人物がより衝動的に見えて(アホに見えて)感情移入できない。
この頃のディカプリオの顔がくしゃおじさん化していないことが少し新鮮。
最近、経年劣化のためかどんどんつぶれていってるねんな〜。
元祖自己啓発本。
通して読むとそれぞれの寓話は矛盾しており、一貫性はない。
だからこそあらゆる読者が自分の状況に応じて都合のよい寓話を探しだすことが出来るのだろう……という寓話ができそうだ。
読了時間:6時間
メモ:
三一 ロマンス・グレーと二人の愛人
ロマンス・グレーの男が、若い娘と年長けた女と、二人の愛人を持っていた。婆さんは、自分より若い男と語らうのがきまり悪くて、男が通って来るたびに、髪の毛の黒いのを抜き続けた。若い方は、年寄りを愛人にするのに気が引けて、白いところを抜いた。こうして、両方から代わる代わる抜かれた男は、遂に禿になってしまった。
このように、何につけ不釣合いは怪我のもと。
三五 人間とサテュロス
ある時、人間がサテュロスと友情を結んだということだ。やがて冬が来て、寒くなった時、人間は両手を口の前へ持って行き、息を吹きかけた。何のためにそんなことをするのか、とサテュロスから尋ねられて、しばれるので手を暖めるためだ、と人間は答えた。
その後、二人が食卓を挟んだ時のこと、料理が大変熱かったので、人間は少しずつ口元へ持って行き、息で冷ました。なぜそんなことをするのか、と再びサテュロスから訊かれて、料理が熱すぎるので冷ますのだ、と答えたところ、サテュロスはこう言った。
「あんたとの友情もここまでだ。同じ口から、熱いものも冷たいものも吐き出すような奴とはな」
そこで我々も、性格のはっきりしない人との友情は避けなければならぬのだ。
六三 弁論家デマデス
弁論家デマデスがアテナイで演説をしていたが、聴衆が身を入れてきいてくれないので、イソップの寓話をはじめました。
「デメテル女神とツバメと鰻が道連れになって、川のほとりにやってきた。ツバメは空へ飛び上がり、鰻は水に潜った」
と、言ったまま、デマデスが次を言わないで黙り込んだので、
皆が「デメテルはどうなったんだ?」と尋ねました。
答えて言うには「デメテルはおまえ達に腹を立てていなさるのだ。国の問題をほったらかして、イソップの寓話なんぞを聞きたがるからのう」
寓意・このように、しなければならないことを等閑にして快楽を選ぶのは、考えのたりない人のすることである。
一〇九 ゼウスと羞恥心
ゼウスは人間を作ると、すぐにさまざまな心の動きを注入したが、羞恥心だけは忘れてしまった。そのため、どこから入れればよいか困って、羞恥心には肛門を通って入ってくれと頼んだ。羞恥心は初めは嫌がり、プライドを傷つけられて憤慨していたが、
ゼウスが強くせがむので、言うには、
「では、次の条件でなら入りましょう。もし他のものが更に入って来たなら、すぐに私は出て行きます」
.男色家が恥知らずなのはこういうわけだ。
淫らな男に対してこの話は適用できる。
三六八 川と牛皮
鼻っ柱のつよい元気者も人生の苦によって地に塗れる、ということ。
川が自分の上を流れて行く牛の皮に、
「何者だ」と尋ねた。
「堅牢無比と呼ばれています」と答えるので、流れでひたひたと揉みほぐしながら、
「別の呼び名を探すのだな。わしが今にお前をふにゃふひゃにしてやる」と言った。
四三四 鷲(ワシ)に乗った鷦鷯(ミソサザイ)
イソップの鷦鷯は鷲の肩に運ばれていたが、突如飛びおりて、先にゴールを切った。
宇宙が始まってから現在までの一三七億年の歴史をを二四時間(一日)で区切って書かれている。本全体の五分の四が残り一秒(人類の文明の一万年)の記述に費やされており、現在に近づくほどページ記述の密度が跳ね上がっていく。
そういえばこのまま進めば未来はすごいことになる……と物心ついたころ僕はワクワクしていたのだが、火星に人類が到達することもなく人工知能が生まれることもなく、しかしネットや携帯というものが発達して、現実というものはすごいとすごくないの間の煮え切らないところに落ち着くのだな……と思った次第。
メモ:
●カモノハシは哺乳類で唯一、電流センサーを備えている。くちばしの中。
●人口が四七五人を下回ると近親交配のおそれ。アボリジニは五〇〇から八〇〇人単位の村で生活。