日別アーカイブ: 2014年4月6日

【本】『火の鳥(4) 』手塚治虫

「ヤマト編」史実の絡め方は面白いけれど、「未来編」の続編として読むとかなり手痛い肩透かしを食らう。
輪廻を繰り返しながらも人間が上昇していくさまがあまり伝わってこなくて、また「黎明編」に引き戻されている!みたいな。

「宇宙編」一〇代で初めて読んだとき、これは推理物としてはいい加減過ぎるやろ〜と憤慨したものだし、コマ割りは斬新というより読みにくさを感じた。おそらく当時の手塚氏が新しいことをやろうとした一つの枝の先端だったのではないか。それが今となってはかえって古いが。
煉獄のような惑星で生きていくためメタモルフォーゼした人間のイメージは強烈。

【本】『火の鳥(5~6)』手塚治虫

「鳳凰編」茜丸の頭を抱くブチ。都から離れて美しい自然を眺め涙を流す我王。これを読んで感動できない奴とはわかりあうことができないと思う。
それにしてもちょっと卑怯なことをしたぐらいで未来永劫、悲惨な因果をむかえる茜丸がかわいそう。我王は素晴らしい作品を作ることができるけど大量殺人犯やんか。

【本】『火の鳥(7~8) 』手塚治虫

「復活編」『火の鳥』でこの作品がいちばん好き。
主人公が復活したとき、破損された脳を人工的に再生したため人間が無機質に見えるシーン。ロボットのチヒロと美しい自然の中でデートしている絵を人間側から引いて眺めると燃えたぎる溶鉱炉だったシーン。
何度読んでも悶えてしまうぐらい、イイ!

「羽衣編」『火の鳥』とあまり関係ない話。手塚氏の漫画、物語作りの達者さがじゅうぶん過ぎるほどわかる。

【本】『火の鳥(9~10)』手塚治虫

「望郷編」この全集版が、僕が持っていた角川ハードカバー版よりエピソードが多く、いくつかの演出が根本的に違うことに驚く。版によってここまで描き直すものなのか。
ちなみに個人的に僕は「望郷編」はグダグダなうえ感情移入できる相手がいないのであまり好きくない。