日別アーカイブ: 2014年4月15日

【本】『鉄腕アトム(1)』手塚治虫

「アトム大使の巻」地球そっくりに進化した惑星の宇宙人(船団には地球人類と同じ人口)が、地球に押し寄せてくる。問題を解決するため中立の立場であるロボットの「アトム」を会議に参加させる……ハイブローな内容のSF。後のロボットプロレス要素がない。
「気体人間の巻」成層圏に住む空気状の生物が人間に乗り移り、人間を奴隷化しようと暗躍する。ラストの情け容赦のない解決法の後、アトムの「もしあなたの近くにわるい心の人がいたら……それはきっと煙にとっつかれているんです ほんとはいい人なんですよ」とことん空気人間を悪く言い様に笑ってしまう。

【本】『鉄腕アトム(2)』手塚治虫

「海蛇島の巻」頭がなくなっても空を飛ぶし喋るし、アトムの頭の役割ってかざり?
「人工衛星SOSの巻」アトムのクラスメイトが「僕のおとうさんは人工衛星の信号係だよ」と言ったばかりに「やーい やーい 人工衛星の子やーい」といじめられる意味がわからない。この未来世界観では底辺の仕事みたいだが、人工衛星に携わる人が差別される理由が思いつかずひたすら不条理。
「ZZZ総統の巻」敵ボスの仮面を剥ぐとこの物語の重要人物●●●の顔が! こういうどんでん返しかと思って読んでいると、「いや…おれは●●●のふたごの兄だ」ってそれこそ何の伏線もない! 

【本】『鉄腕アトム(3)』手塚治虫

「アルプスの決闘の巻」人造心臓を胸に入れ人間の心を手に入れたアトム。キャラの内面が記号的なので普段のアトム(心のないロボット)と違いがよくわからない。ちなみにこの話は連載でなく付録に掲載されたもので、他のエピソードと比べ絵が荒くコマ割りが大きい。手塚氏はストーリーを細かく描き直すのに、こういう絵の誤差は気にしないという不思議。しかもコマ割りがスカスカなぶんストレスなく読み進められてむしろこちらの方がいい。
「アトラスの巻」 第二期のアニメ版アトムでライバルとして描かれたアトラスが登場。土管に手足がついたような身体で、股間の穴からジェット噴射で飛ぶ。何でこんな格好わるいデザインにしたのか理解に苦しむ。