月別アーカイブ: 2015年7月

【日記】15年07月01日(水) 体重60.6kg

若い頃はだらしなく爪を伸ばすこともあったのだが、
「女性をイかせるために男性は深爪しなさい」
加藤鷹氏のインタビューを読んで以来ここ一五年ずっと深爪している。
しかし、活躍する機会がない。

五時起床。
九時半、冷たい雨のした地下鉄に乗って新宿へ向かう。
肌寒い。
新宿シネマカリテで映画鑑賞『コングレス未来学会議』。
睡眠時間はたっぷりとっているはずなのに鑑賞中、睡魔に襲われる。
鑑賞後、池袋の家電量販店で修理に出していたスピーカー(修理すると購入価格と同額かかるというので修理せず)を受け取り、帰宅。
一四時過ぎから、カフェイン錠を飲み、寝室で座椅子の上に座卓を置いた万全の体勢で、積んだ書籍を一気読み。
最初の二時間は眠気に襲われウトウトするが、それ以降は集中して読書を続ける。
夜二二時半までに四冊読了。
目が冴えてしまい眠ることができなくなり、仕事部屋と寝室を何度も往復しながら眠気が訪れるのを待ち、一時前にようやく朦朧としてきたので布団に潜り込む。

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【夢】ひとつの教室の床につき巨大な紙を一枚ずつ敷いて色を塗っている。

焦げ茶に白を混ぜた色。
おそらく僕が芸術大学に在籍した頃の話。
刷毛で均一な色でみんな一斉に塗っているが、僕が塗った箇所だけ白が混じったり濃すぎたりムラになっている。
必死に他人に合わせた色を塗ろうとしてまだ乾いていない部分から絵の具を薄く伸ばしてくるがなかなか混じらない。
内心焦っている。

【日記】15年07月02日(木) 体重60.1kg

「夢をコントロールする眼鏡」をアメリカから通販で購入したのに、悪夢しか見ない。

四時間以下しか眠っていないため朦朧としながら五時起床。

七時七分より公園を三七分ジョギング。
精液のようなどんよりとした曇り空、公園全体が霞んでいる。
湿度が高く、走っても爽快感がない。
Renaissanceのアルバム『Ashes Are Burning』を聴きながら走る。
初めて聴いたときはそれなりに魅力的だったが、今は色褪せた印象。

朝食後が一番やばい……睡魔の波状攻撃を何とかやり過ごし、昨日発注があった漫画のネームを描きはじめる。
午後に完成させて編集に送り、しばらく経ってOKが出たので下描き作業を始める。
夜が近づくと意識が混濁してくる。

それでも頑張って映画を観るが、DVDプレイヤーかDVD自体の傷が原因か、映像飛びが繰り返されそのたびに巻き戻さなければならず、集中して鑑賞できない。
一八時過ぎから観始めた映画が二一時半ごろようやく観終わる(二時間半の映画を三時間半)。
心身ともに疲れきっている。
すぐに布団へ直行するが、眠いのに眠れず苦しい時間を過ごす。

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【本】野崎まど『野崎まど劇場(笑)』

『野崎まど劇場』野崎まどhttp://matsudanozomu.com/?p=13483の続刊。

登場人物が重なった連作短編でもなく、ジャンル小説(SFやミステリ)でもなく、「独創的な」短編を集めるという縛りならこれ以上のものを作ることは困難。
だがその困難さに見合うだけの評価を得られにくいという茨の道を、野崎氏は進んでいる。
いや、自ら茨の道を作っているとでも言うべきか。
打率が高い。
全部が全部ヒット性のあたりとは言わないが、むしろこれだけ方向性の違う方へ打ち続けること自体がすごい。

最後の方は小説の形でない、もう漫画とか一コマ漫画と言っていいレベルのものまで収録されている。
ネタ切れ?
いや、新しい領域にまで達したと考えるべきだろう。

個人的には刺激的な短篇集だった。
ずっと悩んでいた僕の方向性の道標になるかもしれない、一筋の光。

【日記】15年07月03日(金) 体重60.3kg

ゼエゼエしている僕の前を、カンカンカン!と早足で駆けのぼっていくハイヒールのギャルがカッコよかった。

深夜、悪夢から目覚める。
その後は布団の中で目をつぶっても駄目、もう寝付けない。
苦しい時間をしばらく過ごした後、三時半起床。
しかし目は冴えているが、睡眠不足なため頭の奥がぼんやりしてちゃんと考えることができない。
六時頃少し眠くなってきたので座椅子で仮眠をとることにする。
二時間後に目覚めると無理な姿勢でいたため首の後、背中が痛い。
でも頭の奥の霧は晴れている。

ずっと漫画を描いている。
一四時いったん抜けて外出、日比谷で試写一五時半から『バケモノの子』の映画鑑賞。
一七時半、観終わってすぐに帰宅。

六本木の乗り換えの階段昇り降りがきつい。
大江戸線の六本木駅は42.3メートルで標準的なビル11階分の高さ。
僕はダイエット中なのでここ数年エレベーターは基本使わないが、さすがにこれはきつい。

二〇時まで漫画の続きを描いてから、読書。
連日の睡眠不足で眠くてたまらず、二一時半までに布団に潜り込む。

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【日記】15年07月04日(土) 体重60.3kg

家の前の道で雨に濡れたヒキガエルが元気に跳ねまわっている。
ヒキガエルは楽しそうだ。

五時半起床。
外は雨が降っている。
朝から漫画の下描き作業。
九時過ぎ雨がやんだのでいったん抜けて外出、下井草の図書館で本の貸し借り、市場で買い物して帰宅。
正午過ぎからまた雨が降り始める。

午後も机に向かいずっと漫画の下描き。
一六時半に外出、公園前図書館に寄ってから大江戸線に乗り四谷のクロッキー会へ。
最近、比較的手が動くようになってきたが、線はまだ安定しない。
二一時に会場を出て帰宅。

帰宅してすぐ布団に入る。
身体は疲れたのに寝付きが悪く、深夜まで布団の中で寝返りを打ち続けている。

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【日記】15年07月05日(日) 体重60.2kg

僕がなにか言うと、皆が嘲笑しているような気がする。

眠りが浅く、一晩うとうとしては眠り……の繰り返し。
最後の目覚めでもう眠れないと判断し、四時半起床。

朝、昨日の漫画下描きの続き。

昼前から今日の読書会の課題本を再読しているが、睡魔が襲い読書に集中できない。
雨のなか外出、移動中も眠い。
四谷で文学の読書会、今日もうまく発言できない。
懇親会にも参加せずに帰宅。
電車の中で本を読んでいるとうとうとしている。

帰宅時、雨がやんでいるので買い物に行く。
一九時半帰宅してからブルーレイ(Blu-ray)ディスクで映画を観ようとするが、レコーダーが故障していて正常に作動しない。
仕方なしにPS3を出してきて鑑賞する。
そこまでして観るほどの作品でなかったので、ガッカリ。
二三時就寝。

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【夢】僕は友達を生きたままゴミ袋に入れっぱなしにしている。

ふとしたことで思い出し、万一逃げ出されでもしたら困ると念のため上からハンマーで滅多打ちにして殺す。
本当に死んでしまったのか怖くて確認しないまま、不法投棄されたゴミ山に、友達の入ったゴミ袋を紛れさせ逃げ出す。
罪の呵責で震えるようにながら、あの懐かしい日常はもう戻ってこないんだ……と悲しくなる。

【日記】15年07月06日(月) 体重60.4kg

六月生まれの純さんはそういうことか〜と思う。
一〇月生まれの僕はタコ郎と名付けられなくてよかった。

五時起床。
外は寂しい雨が降り続いている。
いちにち漫画原稿のペン入れ。

軍艦島の世界遺産問題でモヤモヤしている。
戦時中の強制徴用って朝鮮と台湾と日本(あるいは沖縄や樺太と)とかの違いってあるの? 
韓国政府が世界遺産問題で主張している強制連行は、当時の朝鮮は日本とは違う特別な強制徴用をされたってことなのだろうか。

夜、映画を観てから読書。
二二時半寝室に移動するが、今夜も自律神経の調子が悪くなかなか寝付けず、二三時半頃いったん仕事部屋に戻って読書しながら眠くなるのを待つ。
少し眠くなってきたので〇時半に再び布団に戻る。

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【本】スタニスワフ・レム『泰平ヨンの回想記』

ここ数日、あと一〇〇ページを切っているところでページをめくる手がにぶっている。
決してつまらなくはなくむしろ知的好奇心をくすぐる内容で、こんなことよく考えるな〜とは感心はするのだが、肝心の文章や物語の波長が僕に合わないようだ。
中断を繰り返しながら最後は飛ばし読み、鼻をつまみノドの奥に流し込むように読了。

同じ短篇集の『泰平ヨンの航星日記』http://matsudanozomu.com/?p=15630に比べ思考を追うものが多くなっていて、物語がない(ほぼエピソードだけの)ものまである。
しかし抽象度が高いからつまらなくなったということはなく、『泰平ヨンの航星日記』と面白さの打率は変わらない。
ページ数が半分くらいな分だけボリューム不足感はあるが。

あと、地球が舞台という違いがあるが、『泰平ヨンの航星日記』にも地球が舞台の物語があるし、この短篇集にはさほど地球の固有名詞も出てこないし地方色もない。
そこは大きな違いはない。

泰平ヨンが科学者に会いに行き/科学者が会いに来て、ビックリする事実を知り、その事実を引きずりつつ日常に戻る……このパターンが多い。
思考の飛躍(センス・オブ・ワンダー)を物語化するため科学者が必要なのだろうか?
いま読んでみるとそんな疑問がわいてくる。

メカや宇宙人などわかりやすいSF的ガジェットが必要だった時代なのだろうか?
あるいは東欧諸国ならではのSF小説のルール?
今なら日常と非日常をジョイントするために、こんなあからさまなSF的ガジェット使わない。
でも当時だってニュー・ウェーブ (SF) の動きがあったわけで……
研究者だったレム氏が、思考を一番手っ取り早く物語化できる手段が科学者を使うことだったのだろうか。

【日記】15年07月07日(火) 体重60.8kg

三日前に自転車のライトが破壊され、駐輪場前の道に破片が散乱していた。
今日の夕方、自転車を引っ張りだしたら後輪に穴を開けられパンクしていた。

五時に目覚めるが、あまりに強い眠気に仕事部屋の座椅子に座ったまま気を失ってしまい七時起床。
いちにち漫画作業、ペン入れから仕上げまで……一八時脱稿。
描いている最中はいつも「今回メッチャええ出来やんけ! 俺天才!」思っているのだが、
脱稿前に原稿をもう一度確認したら、いつもビックリするほど下手でビックリしてビックリする。

仕事が一段落したので外出しようと自転車を引っ張りだしたら、後輪に見たらわかるレベルの穴が開いていてパンクしている。

二二時就寝。

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【本】トニー・ブザン『記憶の法則』

二五年前の書籍だが、すでに古典的な風格すらある元祖記憶術の指南書。
この書籍が出版されてからずいぶん記憶法も進化したようで、いま主流である場所を使って覚えるロキ(ジャーニー)法は含まれていない。
数字をまとめて覚える方法(数字変換法)もあまり洗練されていない。
しかし、記憶は脳の性質に大きな個人差があるため、メモ術や勉強法同様これをマスターすれば完璧というような万能の方法はない。
雑多な方面にまで網羅されているので、基本に戻って自分に合うシステムを探すには有用だろう。

記憶法の本を他に読んだことがあるなら、読めば理解がより深まるのではないか。
僕にとっては、記憶法がどう発展していったか知るうえで興味深い書籍だった。

【日記】15年07月08日(水) 体重60.3kg

CMYKカラーのMを今までマゼンダだと思っていた……マゼンタだったのか! 
大学時代の「(絵の具の)マゼンダを混ぜんだ〜」と言っていた頃の自分をぶん殴ってやりたい。

五時起床。

七時二分より公園を三五分ジョギング。
朝ジョギング。
寒いのに湿度だけ高く、冷たいサウナの中を走っているみたいで気持ち悪い。
Renaissanceのアルバム『Turn Of The Cards』を聴きながら走る。
ひさしぶりに聴くとイマイチなRenaissance、このアルバムに関してはむしろ再発見、イイ!

九時より成増の図書館、帰るついでに光が丘のショッピングモールで買物。
午後から雨が降り始める。
部屋にこもって読書。
一冊読み終わるごとに気分転換のため自宅の片付け。
台所、仕事部屋を雑巾がけ。
二二時半就寝。

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【日記】15年07月09日(木) 体重60.0kg

自慰の最中ハトと目があって気まずかった。

五時布団から這い出るが、仕事場で気を失って再び目を覚ますと六時。
最近の眠気は半端なく、ちょっとした油断が命取りになり爆睡してしまう。
机の下にもぐりながら自慰していてピョコッと顔を上に出したら、窓の外の手すりにとまっていたハトがこちらを凝視している。

九時二五分より公園を二七分ジョギング。
ただでさえ肌寒い外気、走っていると小雨がぱらつき始める。
公演の途中でショートカットして帰宅。
Renaissanceのアルバム『Scheherazade And Other Stories』を聴きながら走る。
このアルバムにハズレ曲はない。

最近読んでいた記憶術を実践している。
記憶術のために覚えなければならないメソッドを記憶術で覚えていると一日が過ぎてしまう。
二二時就寝。

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【日記】15年07月10日(金) 体重60.1kg

五時起床。
たっぷり眠ったにも関わらず泥のように眠い。

七時一分より公園を四四分ジョギング。
どんよりとした空模様の下、走っていると心細くなる。
Renaissanceのアルバム『Novella』を聴きながら走る。
悪くはない、普通な印象。
特に新しい発見はない。

窓の外を観ながら仕事していると、時間が経つに連れ空の晴れ間が広がってくる。
天気予報では今週はずっと雨だったのだが……
仕事部屋でミンミンゼミの声がかすかに聞こえる。
夏が来た!

午後からユナイテッド・シネマとしまえんで映画鑑賞。
一本目の途中で眠気に襲われる。
なんとか踏みとどまって眠らずに済んだが、二本目の眠気対策のため休憩時間にコーヒーを飲む。
映画っぽい映画を観て満足して映画館を出る。

最寄り駅で降り、記憶術のために場所を撮影したり近所をウロウロしていると、今年はじめて蚊に刺される。

二二時就寝。

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【日記】15年07月11日(土) 体重59.9kg

ネパール料理屋に入って、日替わりカレーが「シェフの気まぐれで何が出てくるかわかりません!」とのこと。
日替わりカレーを頼んだら、出てきたのはゆでたまご入りカレー。

気まぐれさが足りない……

五時起床。
相変わらず目覚めが悪い。
起きてもずっとぬかるみに全身を浸しているかのように、もどかしく身体が思うように動かない。

六時五六分より公園を七二分ジョギング。
記憶術の一環で場所を覚えるため、写真を撮りながらゆっくりと走る。
ひんやりと心地よい朝が、徐々に凶暴な夏の暑さに変化していく。
Renaissanceのアルバム「A Song For All Seasons」を聴きながら走る。
改めて聴き直すと、アルバム全体に同じフレーズを使っており、それが韻になってアルバム一曲全体を通して壮大なスケールになっている。
素晴らしい。
このアルバムはRenaissanceの中ではあまり聴いてないほうだったが、「Scheherazade And Other Stories」の次にお気に入りのアルバムになるかもしれない。

午前中も記憶術の実践。
撮影してきた写真の整理、資料をプリントアウト。
徐々に集中力が切れて投げやりになり、散らかっていく仕事部屋。

一五時に家を出る。
ポーズデッサンにいつも使っているフィギュアの手のパーツを紛失したので、フィギュアショップ「ボークス 秋葉原ホビー天国」へ探しに行く。
今年はじめての夏の暑さ、店内は外国人観光客とオタク客の人ゴミで蒸されている。
結局見つけることができず、フラフラと店を出て秋葉原を歩く。
四谷へ移動、インド料理屋で食事してからクロッキー会に参加。
少しだけ手が動くようになってきた気(錯覚?)がする。
二二時帰宅、二三時就寝。

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【本】宇都出雅巳『「1分スピード記憶」勉強法』

いくつかの記憶法をハイブリッドしてわかりやすくトピック分けされた、サプリメントのような勉強術。
世の中には理屈(思考の道筋)を追うことが好きでなく結論だけ読みたい人もいるみたいなので、そういう人にはちょうどいいのではないか。
僕は経験上、バックグラウンドにある理論を納得しないとメソッドを実践するかどうかで躊躇するので、最小限しかない本書は少し物足りなかったりする。

僕ぐらいの中途半端なポジションでなく、自分なりの記憶法が確立している人ならサブテキストとして活用することができるかもしれない。

【日記】15年07月12日(日) 体重60.6kg

毎朝(オールシーズン)どこからともなく黒いニットにレスラーみたいな黒マスクを被った男が黒手袋をはめ黒ジャンパーを着て……全身黒尽くめで携帯を手で操作しながら背筋を伸ばした姿勢で公園を散歩している。
どんな不審者だ!と思っていたが、最近は敏感肌の人だと思うようにしている。

七時一分より公園を四四分ジョギング。
Rushのアルバム「Permanent Waves」を聴きながら走る。
こういう音楽が僕の弱点。
あまり今まで聴いてこなかったタイプの曲は、違いがほぼわからない

夕方、自転車で外出しようとしてパンクしていたことを思い出す。
駅前のショッピングモールへ持っていき、修理に出す。
そのまま三鷹へ向かい、クロッキー会に参加。
ここ半年それなりの意識をもってクロッキーを続けたので、自分なりに成長できたことを実感。
新潟出身のアニメーター志望Sさんの話を興味深く聞いている。
二二時半会場を出て、二三時半帰宅、一時半就寝。

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【日記】15年07月13日(月) 体重60.2kg

自分より寝起きの悪い人にあったことはない。
毎朝、寝室から出るとき猛烈な眠気で、動いている自分と眠っている自分が分離している。
前に進もうとしても身体が長く伸びて後ろに置き去りになっている。
相対性理論の本でしか描かれないような不思議な空間にさまよい込んだような、前に進んでも身体が長く伸びていくかのようだ。
僕の寝起きは相対性理論と関係があるのだろう。

五時起床、猛烈な眠気で身体を引きずったまま前のめりに倒れてしまいそうになる。

また何も為すことができないまま一日が過ぎた。
昨夜遅くに寝たので定刻に起きることができず八時起床。
九時に家を出てパンク修理した自転車を受け取るため駅前のショッピングモールへ。
そのまま自転車に乗って三〇分、大泉学園駅前の歯医者で治療、帰宅ついでに市場で買物。
暑さで何度も立ちくらむ。
それもそのはず、昼食時にニュースをつけると練馬は三五度、今年一番の暑さだという。
この歳になると日焼けを気にしたり、熱中症が怖かったり、夏が来てもさほどうれしくない。
午後はダラダラしたり部屋を片づけたり。
二二時半就寝。

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【本】トルーマン・カポーティ『冷血』

取材している主体(作者)が登場しない。
インタビューできない登場人物(被害者・死人)の心情を作者が代弁する。
前後の状況は克明に描かれるのに、肝心の犯行シーンは間接的な描写(証言や裁判で描かれたもの)のみ。

ノンフィクション小説として読んでみると不思議なつくり。
ドキュメンタリーで言うと再現ドラマの範疇だ。
そういう事件や歴史物の再現されたものでも、最近テレビで放映されているものは前後にインタビューを挿入したりして真実味を担保することが多い。

「当日の被害者の気持ちを何でお前が知っているんだよ!」
しかし、そもそも事実を正確に再現することはできない。
インタビューならば、された人のとした側の主観が入る。
当事者が書くと書き手の主観が入る。
完璧な資料があったとしてもそれを取捨選択することで主観が入ってしまう。

この小説のリアルさは、取材を通して知った事実をふまえるとこう考えるであろうことが最大公約数として導かれる、というレベルのリアルさなのだろう。
(大きな誤差はないだろうということ)
この誤差があるから真実でないと捉えるか、積み重ねられた事実を蓄積して作られたいちばん事実に近い真実と捉えるかは、それこそ考え方次第だ。

【日記】15年07月14日(火) 体重61.0kg

光陰が矢のごとく過ぎていく。

四時半起床。

六時五〇分より公園を四〇分ジョギング。
この時刻でもう走っていると暑くてたまらない。
太陽の光の強さに道半ばでへこたれそうになる。
Samla Mammas Mannaのアルバム『資本主義をぶっ壊せ!~踊る鳥人間~』を聴きながら走る。
普通によい。

八時に家を出て、練馬の耳鼻科でアレルギーの注射、大塚の図書館で本の貸し借り、池袋の世界堂で画材を購入して帰宅するともう一三時。
あまりの暑さでうとうとして目覚めると一四時。
今日も何も為すことができず、二二時就寝。

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【日記】15年07月15日(水) 体重60.7kg

あの頃は何でも大きく見えた。

四時半起床。

四時五〇分より公園を三九分ジョギング。
昨日のジョギングの暑さから学び、日の出前後に時間を繰り上げて走ることにする。
公園のトイレの前でヒキガエルが僕の前を横切る。
幼稚園のときはヒキガエルが三〇センチぐらいあるように思えたんだけど、今見ると一五センチぐらい。
それ以降大阪では見ることがなかったのに、東京では何処に引っ越してもヒキガエルが跳んでいる

Secret Greenのアルバム『To Wake the King』を聴きながら走る。
朝の雰囲気にあっている。
ミュージカルのサントラのようだが、重厚さは物足りない。

午前中は成増図書館へ行ったり買い物したり片付けしたり身の回りのことで終始。
午後から懸念の原稿仕事を始めるが、いっこうにはかどらない。
読書を始めると眠気が襲い集中できない。
二一時半就寝。

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【日記】15年07月16日(木) 体重60.8kg

夜の寝付きは悪いのに、昼は眠くてたまらない……
自分の中の睡魔を飼いならさなければ!

台風の影響で外は激しい風雨、なのに涼しくない。生暖かい。
五時起床、仕事場に移動したあと机にうつ伏して寝てしまい、七時起床。
午前は仕事しているが集中力が続かない。
ともあれ下描きまで仕上げたので確認してもらうため編集者にメールで送る。
午後、編集者からの返事を待つ間に、ずっと遅れていた確定申告をするために片付けて書類を整理していると止まらなくなる。
本格的に部屋の模様替えを始める。
雨が降り止んだのでホームセンターへ行って板や棒を購入、帰宅してからノコギリで形を揃え家具にジョイントする。
そんなことをやっていたので今日は確定申告も原稿もできなかった。
二二時布団に入るが興奮して寝付けず、午前零時まで布団の中でモゾモゾうごめいている。
耐えられなくなって仕事場に移動、本を読んで眠気を誘うがなかなか睡魔は訪れない。
午前一時半ようやく眠気の片鱗を感じたので布団に入る。

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【日記】15年07月17日(金) 体重60.2kg

確定申告の還付金でノートパソコンを……

七時起床。
ジョギングしようと外に出ると、細かい粒子のような雨が降っていたので家に出戻りする。

午前中は原稿仕事、完成させて編集者にメールで脱稿。
その後は部屋を片付けたり公園前図書館に行ったりプランターに苗の植え替えをしたり。
植木鉢を外の水道で洗っている最中に割ってしまったので不燃ゴミで捨てる。
夜の公園でヒキガエルが僕の前を横切る。
確定申告にとりかかり領収書を整理をし始めた途端に眠くなってくる。
集中力が続かなくなってきたので中断して布団に入る。
二三時就寝。

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【日記】15年07月18日(土) 体重60.5kg

エクトプラズムを引きずりながらジョギング。

四時四五分起床。
少し肌寒い。
台風の影響はまだ完全に消えておらず、風がまだ強い。
濡れた地面に、折れた枝や草木が散らばっている。

四時五九分より公園を三六分ジョギング。
起きてすぐシャワーを浴び頭をシャッキリさせたつもりが、身体がまだ完全に目覚めていないようでついてきていない。
走っていると意識が前のめりに身体からとびだしそうになる。
Soft Machineのアルバム『Third』を聴きながら走る。
自分の文脈にない音楽なので、いい悪いの判断ができない。

郵便物を取りに外にでると、街路樹にタマムシがとまっている。
小学生のとき以来だ。

午前中は部屋の片付け買い物、料理の作り溜め。
午後は確定申告や健康診断やマンション更新の手続きなど身の回りのこと。
やらなければならない仕事に到達できない。
二一時半就寝。

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【日記】15年07月19日(日) 体重60.2kg

いっこうに痩せない。
銀河鉄道に乗ってアンドロメダ駅まで行けば、甘いものをいっぱい食べても太らない身体をもらえるのだろうか。

四時四五分起床。
熱いシャワーを浴び外に出る。

五時五分より公園を四五分ジョギング。
Syd Barrettアルバム『帽子が笑う…不気味に』を聴きながら走る。
音の一つ一つがたゆんたゆんと弦の緩んだギターで引いたみたいに輪郭がはっきりしない。
たゆんたゆんが中毒になってつい繰り返し聴いてしまう。

エアコンのない仕事部屋が暑い……と言うより熱い!
午後は室温が三五度超えしてサウナのごとく。
何度も何度もシャワーを浴びる。
汗まみれになりながらホームページのシステムを作りなおしているうちにあっという間に一日が終わってしまう。
二二時就寝。

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【日記】15年07月20日(月) 体重60.6kg

エアコンのない狭い部屋、汗まみれ全裸で仕事していると『まんが道』の上京したばかりの才野茂と満賀道雄を思い出す。

四時四五分起床。
熱いシャワーを浴びても眠気が流せない。
濁った意識でゾンビのようにヨロヨロと家の外に出る。
これが習慣になったら、僕がゾンビになったとしても、早朝は公園を回り続けるのだろう。

五時より公園を三八分ジョギング。
眠くて眠くて歩くようなスピードで空気を漕ぐように前へ進む。
早足のおばちゃんが歩いて僕を追い抜いていく。
今朝の眠気は半端ない。
普段の半分の距離を走るのに、普段と同じぐらいの時間がかかってしまう。
Tai Phongのアルバム『Windows』を聴きながら走る。
朝日の切実なまでのオレンジ色が、こちらに迫ってくる曲調の一曲目とマッチして映画のワンシーンみたいだ。
途中からケーブルが断線しノイズ混じりになったので、イヤホンを外して走る。

朝からずっと仕事。
エアコンのない倉庫みたいな部屋(四畳)で僕は仕事している。
昼間は三五度超え。
液晶タブレットで低温火傷をしないよう注意しながら、パソコンで原稿を描いている。
暑さ対策は頻繁に浴びるシャワー。
夕方ようやくラフを編集者に送り、一段落。
DVDで映画鑑賞している途中で睡魔に襲われる。
今朝の眠さを思い出し、なるべく七時間睡眠を心がけるようにして二一時半就寝。

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【本】井ノ口馨『記憶をあやつる』

でも脳科学はやっとアメフラシやハツカネズミの頭のなかがうっすらとわかった程度。
それから二〇年後の未来の人工知能なんてたかが知れすぎている……

スリリングな思考実験を提供してくれる書籍だが、腑には落ちることがない。
消化できずにノドに挟まったままのような読後感。

『ゼンデギ』と関連して思ったこと。
キャラクターは、作り手が観客に向けての共同幻想を介したローカルな人工知能のbot。
同人誌や二次創作でbotが作り手の手を離れて動き出す。

宗教そして神こそ共同幻想のbotの最たるもの。
聖書や預言者を介して神は言葉を伝える。
人工知能が神になる短編を星新一氏は書いていたが、共同幻想が本当の神を作ることもあるかもしれない。
(三浦建太郎氏の『ベルセルク』はそういう設定?)

【本】グレッグ・イーガン『ゼンデギ』

先日読んだ同じイーガン氏の『白熱光』に比べると、これはだいぶ普通の小説で肩透かし。
普通に起承転結がある、構成がさほどトリッキーでない。
しかしイーガン氏はやはり一筋縄でいかない。

舞台は二〇年後のイラン。
癌に侵された主人公が死ぬ前に自分の思考をコンピューターにアップロードする。
ヨーロッパのジャーナリストだった主人公は友達(死後、子供を引き取ろうと言ってくれた)のイラン人の倫理観が信用出来ない。
そこでアップロードされた自分の人格(人工知能)に、子供を教育させようと考える。

SF系の読書会に参加するとこの小説に対して肯定的な意見が多かったので驚愕。
善意の友達を信用できず自分の分身を作ろうとするこの小説の主人公に僕はとうてい感情移入できない。
そもそも、その行為自体が倫理的にダメではないか。

今から毛が生えたレベルの人工知能って、高度なbotにしか過ぎない。
最適な言葉を選んで言うだけで、人間のような思考ルーチンはない。
外から見て人間と変わらないリアクションをとる、というだけで魂のない存在に倫理観を託すぐらいなら、元ジャーナリストなんだから口述筆記(Siriのようなものも相当発達しているだろう)で言葉を残せばいいじゃないか。
SF的設定にするために無理に作ったプロットのような気がしてならない。

【日記】15年07月21日(火) 体重61.0kg

蒸す暑さの仕事部屋、上半身裸で作業していると、
右手でペンを握り、空いた左手は乳首へ延びてしまうのは必然。

四時四五分起床。
早寝のリズムができてきたのか、昨日に比べると目覚めがいい。

五時五分より公園を三八分ジョギング。
比較的覚醒度の高い状態で走ると、空の高さやほとばしるような森の緑が、意識の中にビンビン伝わってくる。
Tai Phongのアルバム『Windows』を聴きながら走る。
昨日はイヤホンケーブルの断線で途中から聴くことができなくなったので、今日はじっくりと全曲聴く。
リズムよりも、日本的な情緒に訴えかけるような曲が多い。
歌詞が日本語だったらそのまま八〇年代の歌謡曲みたいだ。
擬似ノスタルジックの世界にたゆたいながらゆっくりと走る。

帰宅してすぐに原稿に取り掛かり、仕上げ。
一一時に脱稿、編集者にメールで送る。
返事待ちの間に積ん読状態で放置していた本を読んでいく。
うだるような暑さ、寝室の網戸の隣に座椅子を置いて扇風機で足を冷やしながら読書。
何かと意識がそれ、思うように読み進めることができない。
二三時半就寝。

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【本】井ノ口馨『記憶をあやつる』

最近僕は脳の可塑性について興味があって、その脳の中の記憶についての書籍。
この数十年、脳内ビッグバンといってもいいぐらいの脳に関する学問が進化しているとのこと。
大脳生理学では追いつかず、分子生物学や遺伝学などいろんな隣接する化学を統合したニューロサイエンスという学問が登場したとか。
これから人工知能のようなものが作られるなら量子力学までが必要になるかもしれない。
まるでヴァン・ヴォクト『宇宙船ビーグル号』の主人公が総合科学(Nextialism)で宇宙怪物に立ち向かうみたいで、ワクワクする。
しかしまだ生まれたばかりのこの学問、記憶の固定や移動がハツカネズミやアメフラシを使った実験に終始していて人間の脳の段階に至るまで程遠い。

フィクション世界ではもうすぐ『ドラえもん』のアンキパンや『トータル・リコール』の時代がもうすぐ到来するというのに。