【本】野崎まど『野崎まど劇場(笑)』

『野崎まど劇場』野崎まどhttp://matsudanozomu.com/?p=13483の続刊。

登場人物が重なった連作短編でもなく、ジャンル小説(SFやミステリ)でもなく、「独創的な」短編を集めるという縛りならこれ以上のものを作ることは困難。
だがその困難さに見合うだけの評価を得られにくいという茨の道を、野崎氏は進んでいる。
いや、自ら茨の道を作っているとでも言うべきか。
打率が高い。
全部が全部ヒット性のあたりとは言わないが、むしろこれだけ方向性の違う方へ打ち続けること自体がすごい。

最後の方は小説の形でない、もう漫画とか一コマ漫画と言っていいレベルのものまで収録されている。
ネタ切れ?
いや、新しい領域にまで達したと考えるべきだろう。

個人的には刺激的な短篇集だった。
ずっと悩んでいた僕の方向性の道標になるかもしれない、一筋の光。