月別アーカイブ: 2015年6月

【日記】15年06月01日(月) 体重60.7kg

家の中の数千冊の本の積ん読を全て消化しきった自分を褒めてやりたい。

昨夜遅くまで眠れなかったせいで朝寝坊、八時起床。

八時五五分より公園を三六分ジョギング。
晴れ空が気持ちいい。
Manuel Göttschingのアルバム『E2-E4』を聴きながら走る。
単調な電子音楽がリズムとなって足が自動的に動き、ちょっとしたロボット気分。

一日漫画作業。
夕方から書架整理、増えた分の書籍をできる限り減らしていく。
(ゴミに捨てたり図書館に寄贈したり)
数年前までは購入したぶんをそのまま所蔵していたが、前回の引っ越しは本だけでトラック一台に収まらなくて引っ越しが何日もかかってしまった。
そして自分の身の丈に合った本の量を考えるようになった。
特に読まないで放ったらかしの本が増えるという悪循環を断ち切るように努力している。
身の丈にあった読書生活を……

二三時就寝。

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【日記】15年06月02日(火) 体重60.4kg

ノートに意味不明のメモ。
「四次元植物……ウツボカズラはクラインの壺」

今日も余裕の朝寝坊、八時起床。
朝から漫画作業。

一五時五一分より公園を三二分ジョギング。
霞んですっきりしない空。
Matching Moleのアルバム『独り芝居の道化師』を聴きながら走る。
何度聴いても印象に残らない……僕があまり得意でないタイプの曲。

二三時過ぎ就寝。

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【本】ドミニク・オブライエン『記憶に自信のなかった私が世界記憶力選手権で8回優勝した最強のテクニック』

これだけの記憶力を持っている著者も学習障害に悩まされたらしい。
人の話していることが頭に入りにくかったという。
僕も同じ症状だったからわかる。
学校でも先生の言葉が頭に入らず授業中に集中できなかった。
黒板やプリントなど文章化あるいは図解化した情報は頭に入りやすかったのだけれど、リアルタイムで流れる情報を頭の中で整理する方法がなかったのだ。
エピソード記憶によって覚える方法でそれを克服したとのこと。
最近記憶について調べて自分の足りない部分を強化するために読んだのだが、思いのほか役に立ちそうだ。

【日記】15年06月03日(水) 体重60.7kg

昨夜から自分の部屋に立ち込めているひどい加齢臭に悩まされていたが、ついさっきにおいの正体は近所の住人が玄関の前で炊いている蚊取り線香だと知る。
逆に言うと蚊は加齢臭に弱いのだろうか? 

七時半起床。
朝から机に向かい漫画作業。
朝から空模様が微妙で雨が降りそうで降らなさそうでだけどやっぱり降りそうで結局降らなかった。
昼過ぎ外出、西武池袋線は石神井異公園駅の人身事故(飛び込み)でダイヤが乱れている。
一五時半から大泉学園の歯医者で歯の治療、そのあと保谷の図書館で本の貸し出し。
帰宅時に西武池袋線に乗るとまだダイヤが乱れている。
二三時就寝。

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【日記】15年06月04日(木) 体重60.6kg

早起きの習慣を作るのは困難で時間がかかるのに、いったん朝寝坊したらその日からリズムが崩れてしまう。
痩せるのは困難なのに太るのは一瞬……ダイエットと同じ。

また朝寝坊の八時起床。
これ自体がリズムに組み込まれてしまった。
一日の出鼻を挫かれ、だらだらと机に向かって漫画作業。

一五時三七分より公園を三六分ジョギング。
少し日が傾いても暑い。
Matching Moleのアルバム『Matching Mole』を聴きながら走る。
どことなく懐かしい曲調。
公園の街路樹の下を走りながら見る光景とシンクロする。
気持ちいい。

夕方、わざわざ調べて電車に乗り中華料理屋へ向かったのに、隣のトルコ料理屋の看板に目を奪われフラフラと入ってしまう。
「ミイラ取りがミイラになる」と言うよりも「中華料理屋行くつもりがトルコ料理屋に入る」と言うべきか。
料理自体はおいしかったので満足。
店を出ると一八時半、まだ日が暮れておらず外の明るさにビックリする。
僕の好きな季節だ。
(夜はオバケが出そうで怖いから嫌い)
帰宅して読書、二三時就寝。

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【本】ロジャー・ゼラズニイ『ロードマークス』

道路の傍らに立つアドルフという名のチョビ髭のドイツ人(!)に
「この先でお前がトラックで事故を起こして死んでいるのを見た」
と告げられるところから物語は始まる。
その道路を走っていると時間が正常に流れないようだ。
レストランで
「前はもっと歳をとっていた」
と言われる主人公。息子までが登場する。
はては十字軍時代の老人やティラノサウルスを操るサド侯爵、果ては宇宙人に作られた殺戮ロボット、無敵の殺人兵士などが現れる。そしてその道路を支配するのはドラゴン。
かように混沌としたガジェットが乱暴に放り投げ出された世界を、幾つもの平行して物語が流れる。
通常の物語作法で進んでいかないので混乱するばかり。

手に取るとツルンと逃げていく不思議な感触を持った小説。
(なのに不思議な魅力がある)

【日記】15年06月05日(金) 体重60.8kg

眠ることに集中できない。

ここ数年眠りが浅くなり、外の刺激や自分の夢がきっかけになってあっさりと目覚めてしまうのだが、そのまま眠りに戻ることがいつも困難で、そのまま朝まで天井を見上げて過ごすことになる。

今日もふとしたことで目覚めてしまい、過去の走馬灯が無限に回る暗い天井を見上げ地獄のような時間を過ごすことになる。
耐えきれず三時半頃起床。
しかしこの状態で起きても意識自体は朦朧としていて、仕事は手に付かないし本を読んでも頭に入らない。
仕方なしにもう一度眠るため、ジョギングに出る。

四時五九分より公園を三八分ジョギング。
眠気で足がもつれる。
霞がかっている空、すっきりしない。
Maxophoneのアルバム『axophone』を聴きながら走る。
きらめく音が天から僕の上に落ちてくる。
僕の濁った心がほんの少しだけ救われる。

帰宅して布団に潜り込んだ途端に睡魔に襲われ、沼に沈んでいくように意識が沈殿していく。
目覚めて布団から這い出るともう昼前。
一日を台無しにされたような気分。
気を取り直して仕事部屋で漫画作業。
二三時就寝。

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【日記】15年06月06日(土) 体重60.9kg

絵を描くことが面倒臭くて、楽しくない。
しかし考えてみるとその他のことだってそうだ。
本を読むことも面倒くさいし、映画も集中できないし、食べたら太るし、眠りは浅くて寝ることが疲れるし……生きていて楽しいことがない。
だけど死ぬのも怖い。

五時起床。
いろいろあらかじめスケジュールを組んで行動するが、うまくいかない。

【理想】板橋図書館で本を返却、公園前図書館で本を返却、公園をジョギング、公園前図書館で本の貸出、散髪屋、買物。

そんなつもりで家を出たのだが。

【現実】板橋図書館で本を返却、公園前図書館で本の返却後ジョギングするつもりが普段着のままで出てしまったので断念、引き続き公園前図書館で本を借りるつもりが図書カードが見つかなくて断念、散髪屋へ行くと人がいっぱい並んでいて断念、買物をして帰宅。

午後、もう一度公園前図書館へ行き本を借り、散髪屋で髪を切り帰宅。
朝は罪悪感を感じるほど眩しい青空だったのに午後から不穏な空模様に変化。

一五時前に最寄り駅で漫画家志望の青年S君と待ち合わせ、僕の仕事部屋に招待する。
仕事部屋や書架を案内して、原稿を見ながら話をする。
一七時に家を出て、二人で四谷のクロッキー会へ。
僕はいつも通り冒頭の一〇分で飽きて(絵を描くことが面倒臭くなって)後はただの苦行。
二一時にS君と別れて帰宅。
二三時就寝。

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【本】エドガー・アラン・ポー『モルグ街の殺人・黄金虫』

夏目漱石が作った当て字の「ロマン」が「浪漫」で広まったように
「二葉亭四迷」から生まれた「くたばってしまえ!」、
そして「エドガー・アラン・ポー」から生まれた「江戸川乱歩」。

ポーは、僕の好きな小説ジャンル「奇妙な味」の元祖の作家。
幻想と論理のはざまの作家であるが、この短篇集の収録作は僕の(比較的)好きでないほうの論理/ロジック寄り。

推理、暗号、密室殺人、探偵モノ……ミステリ小説の原型がここにある。
ミステリと言っても問題解決は後出しジャンケン、読者が謎解きを楽しむことができるタイプのものではない。
しかし全体的にオチにむかって収束(ドンデン返し)していく物語作りがされており、一九世紀前半にして物語の快感というものを自覚していることに驚く。

ある人にとっての悲劇は他の人にとっての喜劇で、この短篇集の底辺には恐怖の裏側にある「黒い笑い」に満ちている。
「ホップフロッグ」のラストが典型的なそれだし、
「盗まれた手紙」の警視総監から金を巻き上げるところ、
「おまえが犯人だ!」の腹話術、
物語のその場にいる人は笑えないが、引いた視点で笑いになっている。
これこそ「奇妙な味」の元祖たる所以。

【日記】15年06月07日(日) 体重60.4kg

クロッキー会で黒人男性ヌード、僕のほうが立派だったので少し誇らしい気持ちになった。
あっちは元気のない状態、こっちは頑張っている状態でのことですけどね。

五時に鳴るはずの無意識に目覚ましを止めてしまい八時起床。
九時前、(一五時からの読書会に向け)ギリギリの時間に課題図書を読み始める。
一二時半頃読了し外出。
大江戸線の新宿西口駅で降り、久々に東京麺通団で讃岐うどんの昼食。
相変わらず美味しいが、店内は多少くたびれてきた印象。

新宿駅前を通ると、自民党の谷垣幹事長が街頭演説している。
大声を上げて邪魔している人たちがいて、「死神総理」と書いた安倍首相のプラカードを掲げ、
「ひっとごろし! ひっとごろし!」
「自民党は説明責任を果たせ〜!」
とシュプレヒコールを繰り返しているが、そもそも聞く気がないじゃないか。

ヨドバシカメラでモノラルイヤホンを探すが目当ての品は売り切れ。
他の家電量販店を合計三店回るがやはり売り切れ、時間がないので諦める。
四谷駅前のルノアールで一五時より読書会、課題図書はエドガー・アラン・ポー『モルグ街の殺人・黄金虫』。
ペースが掴めず、自分の話したいことの半分も話せずに一七時会場を出る。
急いで移動、一七時半より三鷹のクロッキー会に参加。
懇親会に参加、皆が盛り上がっているのを見ているうちにいつものアレが始まる。
二一時半頃、懇親会途中を抜けひとり帰宅。
二三時半就寝。

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【日記】15年06月08日(月) 体重60.0kg

何でヨドバシカメラは宛先に会社名を書かせる欄があって、会社名などないけれど空白が気持ち悪いので
適当に「おばけの学校」と書き込んだら、宛先に「おばけの学校」様と書かれて送られてきた。
「ここで合ってますか?」
と怪訝な顔して聞いてきた運送の人。

六時半起床。
朝眠かったのはもちろんだが、あまりに深い睡眠だったため二つセットしている目覚ましが鳴っていることにすら気づかなかった。

七時四四分より公園を三六分ジョギング。
はっきりしない空、湿度が高くぬるい空気。
Michel Polnareffのアルバム『Polnareff’s』を聴きながら走る。
以前聴いたときより印象がはるかにいいい。
これははまるかもしれない。

熱海旅行をしていた母が夕方、僕の家に宿泊するため訪れる。
のべつなしにしゃべり続けているので母を寝室に放り込み、僕は自室で無視を決め込み映画を観ている。
Uさんから電話がかかってきて話し込んでしまい〇時半就寝。

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【日記】15年06月09日(火) 体重60.6kg

レベルアップ音の快楽に負け、パブロフの犬状態。

五時起床。
昨夜遅くに眠ったのと母のドタバタで四時間強しか眠れない。
母に食事を作り、外を見ると強い風雨。
一〇時過ぎに母を駅まで送る頃には雨も止んでいる。
(はっきりしない空模様は一日続く)
帰宅後、何の気になしに手にとったドラクエ7をプレイしていると止まらなくなる。

すれ違い石版で手に入れたメタルキング/プラチナキングのダンジョンでレベル上げをしている。
福引券で当たった元気玉を使い、三〇分でレベルを二〇近く上げてしまう(レベル四〇→五八)。
ラストダンジョンに入っても敵強キャラが逃げ出すほど強くなり、ラスボスは瞬殺、あっけないエンディングだった。

(自らゲームバランスを破壊してしまった……)という恋しさ、
(ドラクエによって今日いちにち翻ると先月から大切な時間を合計八〇時間浪費してしまった……)というせつなさ、
(これで明日から仕事に集中できる……)という心強さ。
愛しさと切なさと心強さと、あやまちは恐れず前に進もうと思う。

バラバラになりがちな物語のつながりを、なんとか仲間キャラクターの会話で埋めようと努力している制作者の意図が見え、それが苦しそうで同情してしまう。
自分自身もプレイしていろんなものを失ったが、キャラクターについて考えるきっかけになったからよかったと思うことにする。

プレイを終えて時計を見上げると二二時前、布団の中に潜り込むと一〇分ほどで眠りの海へ沈んでいく。

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【日記】15年06月10日(水) 体重60.3kg

寿司で息抜き、略して寿司抜き。

五時起床。

七時一二分より公園を三七分ジョギング。
Magmaのアルバム『Magma Live』を聴きながら走る。
Magmaというバンドの全てのアルバムに共通することだけれども、かっこいいけど他のアルバムとの差があまりない。
このアルバムはライブ盤なのだが、そうでないものとの差もあまりわからない。
個性が強すぎて、全てのことが微差になってしまう。

部屋にこもって作業をしていると煮詰まってくる。
息抜きに近所の回転寿司屋で昼食。
帰宅してそれなりにアイデアが浮かんできたので、寿司屋に行ってよかったと思う。
二二時半就寝。

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【本】ロジャー・ゼラズニイ『伝道の書に捧げる薔薇』

物語自体は古い……というよりもオーソドックスなものだが、その物語を飛躍/深化させるための、実に効果的なセンス・オブ・ワンダーが、絶妙なバランスで混ざり合っている。
寺沢武一氏がよく言う「新しい皮袋につめた古いぶどう酒」はゼラズニイ氏がまさしく体現していること。
(ちなみにこのことわざ、ルカによる福音書「新しいぶどう酒は新しい皮袋に」が元ネタのようで……新しいぶどう酒を古い革袋に入れたら発酵するとき皮袋が破裂して駄目になるから、新しいぶどう酒は新しい皮袋にちゃんと入れましょう……という意味だった!)
たとえば表題作は火星というSFでは使い古された(陳腐な)設定なのだが、今までのSFで扱われなかった伝道書というガジェットがアクロバティックな作話術によって紡がれると、手術台の上のこうもり傘とミシンの出会いのように美しい。
そして

星野之宣氏も『ベムハンター・ソード』や『二〇〇一夜物語』であきらかに影響を受けている短編がある。
八〇年代以降は忘れ去られた感のあるゼラズニイが、八〇年代以降も影響を受けたクリエイターに繰り返し引用されていたことを、この短篇集で知る。

【日記】15年06月11日(木) 体重59.9kg

夏だからあと六キロ痩せなきゃ……

深夜悪夢から目覚めその後目が冴えてしまい眠れなくなる。
あまりの苦しさにいったん仕事部屋へ移動するが、パソコンに向かっても睡眠不足のため意識レベルが低く作業ができない。
また寝室に戻り、外が明るくなる頃ようやくうとうとし始める……と、五時に目覚ましがけたたましく鳴りはじめる。
目覚ましを止め布団に潜り込んで目を覚ますと八時。
がっかりする一日の始まり。

八時五七分より公園を三七分ジョギング。
Mahavishnu Orchestraのアルバム『内に秘めた炎 The Inner Mounting Flame』を聴きながら走る。
バンド構成も曲の雰囲気も嫌いではないのだが、通して聴くとピンと来ないのは何故だろう。

いちにち明日の打ち合わせのためラフを描いている。
二二時半就寝。

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【日記】15年06月12日(金) 体重60.4kg

真っ暗な天井に照射される僕の思い出無限走馬灯地獄。

二時過ぎにトイレにいくため起きてそれから布団に潜るともう眠れない。
ようやくうつらうつらし始めた五時に目覚ましが鳴り強制的に起床。
起きてもずっと倦怠感がなくならず、片栗粉が溶けた空気の中で動いているかのよう。

いちにち打ち合わせのためラフ作業。
一七時自転車で外出、一八時から中野駅前で打ち合わせ、一九時前に打ち合わせが終わり、自転車で自宅に戻る。
途中で業務用スーパーで買物。
二一時に寝室へ、読書していると眠くなってきたので二二時就寝。

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【本】ロジャー・ゼラズニイ『光の王』

もっとファンタジーかと思っていたら思ったよりSFしていた。
神々の命の雑な扱い方がその世界の価値観を提示していて面白い、これぞセンス・オブ・ワンダー! 
エンタメ要素(格闘技や戦争)を挟んでいて読んでいて飽きさせない。
読み終わった後も、壮大なスケールと物語世界に思いを馳せている。
キャラクターが魅力的。漫画的だが哲学もある。ハッタリがとにかくうまい。
ゼラズニイ氏は先天的な(生得の)物語る人だったんだろうな。

【本】成毛眞『本棚にもルールがある』

意外と重なっている部分が僕にもある。
著者の推奨している資料棚と進行中棚と見せ棚は便宜上以前より作っていた。

けっこう断定口調でクセが強い。
いわく仕事の本は本棚に入れない。
いわく本棚にフィクションや漫画は入れない。
一番びっくりしたのは「「サイエンス」「歴史」「経済」の入っていない棚は、社会人として作ってはいけない」
う〜ん、余計なお世話!

ただし著者の熱意は暑苦しいまでに伝わってくる。
この本を読んで何もリアクションをしない人は、本に対して自信のある人かよほど興味のない人だろう。

【日記】15年06月13日(土) 体重60.0kg

ベランダに座椅子を持ってきて、洗濯物を干している下で本を読む。

五時に起床したが眠気が澱のように身体にまとわりつき動くことができない。
仕事部屋の座椅子で気を失ったように眠ってしまう。
六時頃ようやく行動を始める。

七時五七分より公園を三七分ジョギング。
Mahavishnu Orchestraのアルバム『Between Nothingness & Eternity』を聴きながら走る。
ジャズ色が強いものが僕の中で鬼門のようだ。
他のアルバムとの違いがわからない。
もっとジャズをいろいろ聴きこんでいけばわかるのかもしれない……勉強勉強。

九時より読書、今日の読書会の関連本ロジャー・ゼラズニイ『光の王 』。
仕事部屋で読んでいると二度ほど眠気に襲われたので、ベランダへ移動。
外気に直接触れながら読書することがあまりないので新鮮。
雲間から時おり日差しが照らす緑の道。
行き交う人を横目にくつろいでいると、予想外に集中して本を読むことができる。
一三時半までに五二〇ページを読み終え一四時外出、新宿三丁目のルノアールへ。
一五時よりu-kiさんhttps://twitter.com/u_ki666主催の絶版SF読書会、参加人数は六人。
参加者のSF知識に圧倒される。
一八時から新宿の中華料理屋で読書会の懇親会、二一時前に解散、二一時半に帰宅、二二時就寝。

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【日記】15年06月14日(日) 体重60.7kg

クロッキー会のモデルさんに一目惚れ。

五時に目覚ましが鳴り仕事部屋に移動するが、最悪の寝起きでダウン、座椅子で仮眠する。
六時に行動を始めるが、依然として胃がもたれて体調が悪い。
昨晩はアルコールを飲まず二日酔でもないのに、外食しただけでダメージを受けるとは体力が落ちたのだろうか……
倦怠感が消えず、食事して八時頃また一時間ほど仮眠。

ずっと朦朧とした意識状態が続き、たまった作業を消化するだけで一日が過ぎていく。
こういうことに時間を使うことがもったいない。

夕方から三鷹へ自転車で向かい、一七時半からクロッキー会に参加。
今日のクロッキー会のモデルさんが素晴らしく僕好みで感激。
モデルさんが懇親会に参加したので、隣の席に座り話に食いついている。
そんな僕に嫌気が差したのだろう彼女は早々に退散、僕も目的を失ったので会場をすぐに去る。
二三時就寝。

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【本】ジョン・ウィリアムズ『ストーナー』

ずっと涙が止まらない。
これは文学的感動なのだろうか? 
この本は人生を追体験させる装置のように作動している。

この涙の量は人生に比例すると思う。
一〇年前に読んでもそれなりに感動しただろうけれども、絶対に今ほどでない。
僕のような空虚な人間であっても降り積もる時間と経験の重みがあるはずで、この小説はきわめてたくみに切り取って目の前につきつける。

主人公の人生の経験を、都度の自分に当てはめ思いを馳せる。
人生には悲しみがある。でも逃れることはできない、生きていくしかない。諦観とほのかな希望。

【日記】15年06月15日(月) 体重60.7kg

何も為すことなく一日が終わる。

五時起床、仕事部屋の座椅子で六時まで二度寝してしまう。
八時までに自宅の片づけ、特に台所を重点的に。

八時三〇分より公園を三六分ジョギング。
朝日であっても日差しが熱い季節になってきた。
Museo Rosenbachのアルバム『Zarathustra』を聴きながら走る。
わかりよいプログレ的なロック。
こういうアルバムなら安定して聴くことができる。
叙情と荒々しさがわかりやすい形で混じりあっている。

部屋に戻ってきて作業をしていると手間取って手を離せなくなり、思いがけず一日仕事になってしまう。
映画を観る余裕がないので寝る前に本を一冊だけ読了してから、二三時前布団に潜り込む。
寝付けず、深夜まで寝返りを繰り返している。

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【日記】15年06月16日(火) 体重60.5kg

AKB48ならぬ、ADHD42歳だ。

五時起床、仕事場の座椅子で七時半まで二度寝。
仕事に集中できずずっと机に座ったままソワソワしている。
自転車で外出して一四時半から歯科の治療、一六時に帰宅。
夕方、イラストの下描きを完成させ編集に送る。
夜、映画をDVDで観ているがどうしても集中できない。
ADHDが悪化している。
二二時半就寝。

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【本】出口治明『本の「使い方」』

出口氏は読書に対価を求める功利主義的なものを否定し、読書を楽しみとしてあるいは「毒」として定義するが、この本のタイトル自体がそうでないことの矛盾。
そもそもライフネット生命創業者としての出口氏のプロフィールを知っていたら、この本を手にとった人はまずこの本を読読書の楽しさを知ろうとするより、いかにして読書を仕事に(生活に)役立てるかということに重きが置かれるだろう。

出口氏はビジネス書に否定的で、成功者が書いている結果論だからよくないとのこと。
でもこの本を読む人は出口氏という成功者がどういう風に本を読んできて血肉にしたのかの片鱗を知ろうとするわけで……
う〜ん、アンビバレンツ!

純粋に面白い本を紹介するだけだと売れないから功利主義(実利主義)的なものは必要だろうけれども、その要素が強ければ強いほど純粋な読書人は鼻白む。
バランスが難しいけれども、おそらく純粋な読書人のほうが少ないだろうからビジネス的にはこれが正しい。

ビジネスとは関係なく著者が純粋に面白いと感じた本の紹介がいちばん興味深い。
できるかぎりメモして読むことにする。

【日記】15年06月17日(水) 体重60.5kg

雨や寝起きや翻弄される人生。

五時起床、やっぱり寝起きが悪く仕事場に移動したあとも机にうつ伏して二度寝。

八時二九分より公園を三〇分ジョギング。
雨が降りそうな空で降水確率が五〇%を越えていたのだがあえて走りに出る。
案の定、途中で雨がぱらつき始めたのでコースを省略して引き返す。
雨が降るってわかってはいたんだけどね……とイソップ寓話「すっぱいブドウ」のようにつぶやく。
National Healthのアルバム「National Health」を聴きながら走る。
Hatfield & The Northが一部メンバーを替えたバンドだが、Hatfield & The Northとどう違うのかわからない。
帰宅して聴き比べてみたが僕には違いを感知できなかった。

一日漫画作業。
夕方、買物に行こうと外を見ると雨が本降りにかわっていて断念する。
二三時就寝。

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【本】フェルディナント・フォン・シーラッハ『禁忌』

読み終わってキツネに包まれた上につままれたような気持ちになる。
ここで描かれている出来事はわかるけれども、登場人物がどうしてそうしようとしたのかが理解(感情移入)できない。
はっきり書かないからこその価値だと思うのだが、
登場人物の立場を自分に置き換えて想像しようとしても、登場人物のその想定されうる考えていることがあまりに自分と価値観が違いすぎて想像できない。
第一章までは面白かったのだけれども…………………………

芸術家である主人公が、芸術系大学に七年在籍していた自分と共通項が多いがあまり、微差に必要以上の違和感を感じてしまうということだろうか。
日本と韓国の関係のように。
(そんなたいしたもんじゃないよ!)

【日記】15年06月18日(木) 体重60.7kg

僕は犬に吠えられて心臓発作を起こしたことがある。

五時起床。机にうつ伏して三〇分ほど二度寝してからシャワーを浴びる。
熱いシャワーを五分首のに当てるとほぼ覚醒する。

七時三三分より公園を三九分ジョギング。
ジョギング中、犬がこちらに走ってきたから「ギャ〜!」って叫び転びそうになったら
「大丈夫ですよ」
って笑った飼い主のおばさん、五メートルぐらい延びる紐で犬をつないで散歩してんの。
つないでてもあれだけ長かったら意味ないだろ!
Nektarのアルバム「Recycled」を聴きながら走る。
一曲目から始める組曲の印象が強すぎて逆に霞んでしまう。
プログレならエイジアを彷彿とさせる、まるで八〇年代を先取りしたようなキャッチーなメロディー。

今日は原稿仕事、昼過ぎまでに完成させて脱稿する。
ここ数年、どこの編集者も原稿を脱稿してもどうなったか返信してくれることが少なくなった。
お疲れ様ですとかはもちろん「これでOKです」とかもなく修正のときだけ連絡がくるから、脱稿後の編集者からの電話やメールが嫌いになってしまった。

二三時就寝。

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【本】武者小路実篤『友情』

巻頭の自序に度肝を抜かれる。
著者自身がオチ書いてますやん!
『吾輩は猫である』で、この猫は最後に死ぬんですけどね……って書くようなものだ。

そして親友の大宮が同人誌に発表した内容にも仰天する。 
どう考えてもいやがらせではないか。
僕からすれば大宮は、いい人と思われたいためのアリバイをまき散らしている嫌なやつだ。
主人公のことを才能あるなんて思ってない。
才能も人格も見下してるんだ。
そして残念ながら……ほんとうに主人公はその程度の人間なのだろう。
自分だって

ヒロインの杉子を、僕の祖母と同じ世代の女性……と思い読んでいるとイメージ上の顔に祖母が重なってどんよりする。

久々にインパクトのある読み物だった。
武者小路実篤恐るべし!

【本】富安健一郎 上野拡覚 ヤップ・クン・ロン『ファンタジーの世界観を描く』

副題は「コンセプトアーティストが創るゲームの舞台、その発想と技法」

僕は絵を描くことに隣接した仕事をしているが、この本に書かれている直接的には関わりがない。
だからここで書かれていることがどの程度役に立つかはわからない。
しかしどういう仕事であれ、自分の仕事に引き寄せて考えることはできる。

世界観をつくることと、世界観を効果的に見せることは近いが遠くにある(逆説的に遠くにあるが近い)、ということを考えさせられる。
キャラクターの成り立ちや世界を考えることとイラストとして完成度を上げるための細かいテクニック。

漫画で言えば絵を描くこととストーリーを作ること。
絵の内容を考えることと描写すること。
この二つは絡みあうが場合によっては対立する。

どんな能力も単一では成り立たず、得意なことから放射線状に周囲に広がっていく。
それが物語からか絵からかあるいはその真ん中か、生まれつきの能力というものはまばらに飛び散った点のようなもので、努力や経験によって点のいくつかを円状に広げて、隣接する点を重ねていくことが才能なのだろう。

そうなってくるとアメコミやハリウッド映画みたいな完全分業体制ってどうなんだろう。
逆に堀井雄二氏など最初はプログラムから絵から全部一人で作っていた。

ものを作ることが、離れていること(場合によっては相反すること)を包有する(結びつける)ことなのだということに思いを馳せる。

【日記】15年06月19日(金) 体重60.6kg

歯車が壊れた一日。

五時起床。
朝から雨が降ったり止んだり。
午前中は大人しく机に向かって漫画作業。

午後一三時、雨の中外出。
僕の予定では、公園前図書館で本の貸出返却、新大塚の図書館で本の貸出返却、耳鼻科でアレルギー注射、ユナイテッド・シネマとしまえんで二本映画鑑賞して帰宅……のつもりだった。
しかし、公園前図書館で本の貸出返却した後にカバンを覗くと、新大塚の図書館で返却予定の書籍を家においてきたことに気づく。
これで予定が狂ってしまう。
一旦帰宅しようかと考えたが雨が降っているため何かと面倒くさい。
仕方ないので大江戸線の練馬駅ベンチで時間をつぶす。
一四時四五分に耳鼻科の受け付けに行くと
「今日は人が多いので時間がかかるので無理です」
と言われ茫然自失。
仕方ないのでいったん自宅に戻り、新大塚の図書館で返す予定の書籍をカバンに入れて新大塚へ向かい本の貸出返却。
ユナイテッド・シネマとしまえんで一六時四五分から『ザ・レジェンド』鑑賞。
一八時四五分、豊島園駅前のマクドで夕食。
再びユナイテッド・シネマとしまえんに戻り一九時一五分より『チャッピー』鑑賞。
二一時半映画館を出る。

帰宅時、地下鉄乗車口前で気が狂ったようにタップダンスの練習をしている人がいる。
乗車してもずっとタップダンスを続けていて、時おり両足で
ダンダンダン!
と床が揺れるほど着地を繰り返している。
僕が電車を降りるとその人も一緒に(タップダンスしながら)降りて、後ろ足で僕の靴を思いっきし踏んだけど、謝りもせずに無視。
怖かったので僕は黙っていたが、周囲の人も彼をチラチラ見るけれども無視。

二二時前帰宅、二三時就寝。
今日はグダグダだった。

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【本】オキシタケヒコ『波の手紙が響くとき』

個人的に初めてiPadを使って読んだ漫画以外の書籍。
新しいデバイスで読んだ内容にふさわしい新世代の力を感じさせる小説だった。

独立した短編の、伏線と感じなかったさりげないつながりが、ラストに向かって有機的に絡み合っていく構成のたくみさに舌を巻く。
音ひとつから始まった掌編が、プリオンから宇宙に至る極小から極限を行き来する怒涛の物語展開!
アクロバティックな想像力と事象を掘り下げる力、センス・オブ・ワンダーの新鮮さ……
音だけでこんな芳醇な物語世界を紡ぐことができるのなら、他のテーマならどうなるのだろう。
この人の次の作品をぜひ読んでみたい!