【本】オキシタケヒコ『波の手紙が響くとき』

個人的に初めてiPadを使って読んだ漫画以外の書籍。
新しいデバイスで読んだ内容にふさわしい新世代の力を感じさせる小説だった。

独立した短編の、伏線と感じなかったさりげないつながりが、ラストに向かって有機的に絡み合っていく構成のたくみさに舌を巻く。
音ひとつから始まった掌編が、プリオンから宇宙に至る極小から極限を行き来する怒涛の物語展開!
アクロバティックな想像力と事象を掘り下げる力、センス・オブ・ワンダーの新鮮さ……
音だけでこんな芳醇な物語世界を紡ぐことができるのなら、他のテーマならどうなるのだろう。
この人の次の作品をぜひ読んでみたい!