朝から編集者U田氏と待ち合わせ、取材でゲートボールの練習場に行く。
暑くてしんどい……
帰宅してから高田馬場のカラオケ屋に一人カラオケに行く。
三時間ぶっ通しで歌って録音、僕のオリジナルアルバムを作る。
いろいろな仕事を七本ぐらい平行して進行中。
それ以外の、確定申告とか国民保険とか健康保険とか家賃振り込んだりとか生きるためにやらなきゃならないことが多すぎないか?
こんなにやらなきゃならないなんて、これがゲーム中のクエストだったら途中で放り投げちゃうよ。
この世界は僕にとってなんて過ごしにくい場所なんだろう。
夕方。
地元の図書館に他の区の図書館で借りたCDを間違えて返してしまい、電話で呼び出されて取り替えに行く途中、雨が降ってきてびしょ濡れになった。
すれ違う人々がそんな僕を見て馬鹿にしたように笑ったり指差したり写真撮ったりしているのことが何となくわかる。
毎日何度も死にたくなる。
朝からペン入れ。
昼過ぎから編集S原氏が車で迎えにきて取材へ向かうが、高速がひどい渋滞で途中で断念、引き返す。
昼食に海老そばけいすけ高田馬場本店でつけ麺を食べる。
帰宅してひたすらペン入れ。
一九時頃、自転車で家を出、秋葉原(二年半ぶりの)へ向かう。
二〇時より編集S原氏とアイドルについての取材。
世界で最も濃度の高いオタク話などを聞く。
二二時取材が終わり、家へ向かう道を東大付近で迷ってしまう。
交番前の地図を見て場所を把握していると、警官が話しかけてきて道を教えてくれるが、その後当然のように職務質問、カバンの中身をチェックされる。
その警官より俺の方が道に詳しかったし、教えていらなかったし、カバンの中のものひっくり返すし、すげえ失礼、とても不機嫌。
二三時帰宅、少しペン入れ。
読んだ漫画。
中崎タツヤ『じみへん じみへん中濃』
本を読み終わってから布団に入る。
何もする気が起こらない。
ひどい鬱の周期に入って、朝起きてからずっと何もできずに机にうつ伏している。
心臓の音がばくばくと耳に響いている。
部屋を何日も片付けることなく散らかし放題。
全部放り投げて遠くへ行きたい。
一七時より某編集部へ、編集者S原氏と打ち合わせの後、取材に向かう。
日テレでTシャツを買い、武道館で寄付をし、エド・はるみさんを追っかけに神奈川へ向かう。
遠くへ行きたいが、今の僕はこのぐらいの遠くが精一杯。
ワンセグ携帯で日本テレビをちらちら。
ポニョのCMをヘビーロ-テーションで流す中、
両腕がヒレ状の奇形になっている少年が、一〇〇メートルを泳ぐという企画を放映している。
その少年を使うことによってポニョのサブリミナル効果を狙っている?
夜を徹してエド・はるみさんを追いかけている。
明け方いったん帰宅。
自転車を運んできて編集者S原氏と別れ、一人でエド・はるみさんを追いかけ続ける。
「頑張って~!」
沿道の人たちが大声援でエド・はるみさんを応援している。
時折ワンセグ携帯でテレビを見ると、難病の子供のドキュメンタリーがいろんなバリエーションで繰り返し放送されている。
ぼんやりいろんなことを考えながら自転車で何十キロも,僕はエド・はるみさんを追いかけ続ける。
エド・はるみさんが走ることは「愛は地球を救う」ためではなく自分の芸能活動のキャリアアップにつながるからじゃないか。
自分のためにエド・はるみさんが走ることを、どうしてみんなが応援するんだろうか。
なんで感動出来るんだろう。
この番組の内容と、視聴者が募金することに、僕は因果関係が全く見いだせない。
日本テレビが、年収がどう考えてもそれより少ない平均視聴者から義援金を募るという構図もよくわからない。
三億六千万の寄付金が集まったというが、日本テレビの年間売り上げは二六〇〇億。
寄付金を全部会わせても一日の売り上げにも満たない。
日本テレビのこの日分の収入の売り上げを献上するならともかく、いろんな寄付にまつわることを負担しました程度で、「愛は地球を救う」のキャッチコピーの厚顔無恥さはすごい。
アホだけどお人好しで貧乏な視聴者が狡猾な金持ちの日本テレビに騙され喜んでなけなしのお金をさしだしているように、僕には見える。
都内に入ると、稲妻、雷鳴、土砂降りの雨。
2ちゃんねらーや沿道の人たち、追いかけるも数がどんどん減って行く。
皇居付近では僕ひとりがエド・はるみさんの後ろを自転車で走っていた。
びしょ濡れで帰宅。
頭がいたいので熱を測ると微熱。
朦朧とした意識のまま布団に潜り込む。