日別アーカイブ: 2015年6月19日

【本】武者小路実篤『友情』

巻頭の自序に度肝を抜かれる。
著者自身がオチ書いてますやん!
『吾輩は猫である』で、この猫は最後に死ぬんですけどね……って書くようなものだ。

そして親友の大宮が同人誌に発表した内容にも仰天する。 
どう考えてもいやがらせではないか。
僕からすれば大宮は、いい人と思われたいためのアリバイをまき散らしている嫌なやつだ。
主人公のことを才能あるなんて思ってない。
才能も人格も見下してるんだ。
そして残念ながら……ほんとうに主人公はその程度の人間なのだろう。
自分だって

ヒロインの杉子を、僕の祖母と同じ世代の女性……と思い読んでいるとイメージ上の顔に祖母が重なってどんよりする。

久々にインパクトのある読み物だった。
武者小路実篤恐るべし!

【本】富安健一郎 上野拡覚 ヤップ・クン・ロン『ファンタジーの世界観を描く』

副題は「コンセプトアーティストが創るゲームの舞台、その発想と技法」

僕は絵を描くことに隣接した仕事をしているが、この本に書かれている直接的には関わりがない。
だからここで書かれていることがどの程度役に立つかはわからない。
しかしどういう仕事であれ、自分の仕事に引き寄せて考えることはできる。

世界観をつくることと、世界観を効果的に見せることは近いが遠くにある(逆説的に遠くにあるが近い)、ということを考えさせられる。
キャラクターの成り立ちや世界を考えることとイラストとして完成度を上げるための細かいテクニック。

漫画で言えば絵を描くこととストーリーを作ること。
絵の内容を考えることと描写すること。
この二つは絡みあうが場合によっては対立する。

どんな能力も単一では成り立たず、得意なことから放射線状に周囲に広がっていく。
それが物語からか絵からかあるいはその真ん中か、生まれつきの能力というものはまばらに飛び散った点のようなもので、努力や経験によって点のいくつかを円状に広げて、隣接する点を重ねていくことが才能なのだろう。

そうなってくるとアメコミやハリウッド映画みたいな完全分業体制ってどうなんだろう。
逆に堀井雄二氏など最初はプログラムから絵から全部一人で作っていた。

ものを作ることが、離れていること(場合によっては相反すること)を包有する(結びつける)ことなのだということに思いを馳せる。

【日記】15年06月19日(金) 体重60.6kg

歯車が壊れた一日。

五時起床。
朝から雨が降ったり止んだり。
午前中は大人しく机に向かって漫画作業。

午後一三時、雨の中外出。
僕の予定では、公園前図書館で本の貸出返却、新大塚の図書館で本の貸出返却、耳鼻科でアレルギー注射、ユナイテッド・シネマとしまえんで二本映画鑑賞して帰宅……のつもりだった。
しかし、公園前図書館で本の貸出返却した後にカバンを覗くと、新大塚の図書館で返却予定の書籍を家においてきたことに気づく。
これで予定が狂ってしまう。
一旦帰宅しようかと考えたが雨が降っているため何かと面倒くさい。
仕方ないので大江戸線の練馬駅ベンチで時間をつぶす。
一四時四五分に耳鼻科の受け付けに行くと
「今日は人が多いので時間がかかるので無理です」
と言われ茫然自失。
仕方ないのでいったん自宅に戻り、新大塚の図書館で返す予定の書籍をカバンに入れて新大塚へ向かい本の貸出返却。
ユナイテッド・シネマとしまえんで一六時四五分から『ザ・レジェンド』鑑賞。
一八時四五分、豊島園駅前のマクドで夕食。
再びユナイテッド・シネマとしまえんに戻り一九時一五分より『チャッピー』鑑賞。
二一時半映画館を出る。

帰宅時、地下鉄乗車口前で気が狂ったようにタップダンスの練習をしている人がいる。
乗車してもずっとタップダンスを続けていて、時おり両足で
ダンダンダン!
と床が揺れるほど着地を繰り返している。
僕が電車を降りるとその人も一緒に(タップダンスしながら)降りて、後ろ足で僕の靴を思いっきし踏んだけど、謝りもせずに無視。
怖かったので僕は黙っていたが、周囲の人も彼をチラチラ見るけれども無視。

二二時前帰宅、二三時就寝。
今日はグダグダだった。

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