【本】出口治明『本の「使い方」』

出口氏は読書に対価を求める功利主義的なものを否定し、読書を楽しみとしてあるいは「毒」として定義するが、この本のタイトル自体がそうでないことの矛盾。
そもそもライフネット生命創業者としての出口氏のプロフィールを知っていたら、この本を手にとった人はまずこの本を読読書の楽しさを知ろうとするより、いかにして読書を仕事に(生活に)役立てるかということに重きが置かれるだろう。

出口氏はビジネス書に否定的で、成功者が書いている結果論だからよくないとのこと。
でもこの本を読む人は出口氏という成功者がどういう風に本を読んできて血肉にしたのかの片鱗を知ろうとするわけで……
う〜ん、アンビバレンツ!

純粋に面白い本を紹介するだけだと売れないから功利主義(実利主義)的なものは必要だろうけれども、その要素が強ければ強いほど純粋な読書人は鼻白む。
バランスが難しいけれども、おそらく純粋な読書人のほうが少ないだろうからビジネス的にはこれが正しい。

ビジネスとは関係なく著者が純粋に面白いと感じた本の紹介がいちばん興味深い。
できるかぎりメモして読むことにする。