二〇年ぶり鑑賞。メル・ギブソンが遠くから狙撃しているところしか覚えてなかった。
途中まで自殺した被害者がメルちゃんの元恋人だと勘違いしていた。彼女が自殺したからメル・ギブソンはやさぐれているのか……それは仕方がない、と解釈していたので、途中でそうでないことがわかったらちょっと混乱した。
いま観るとメル・ギブソンがあまり人間兵器(リーサル・ウェポン)でない。最近の『ダイ・ハード』はただの刑事であるブルース・ウィリスでさえもっと超人的な活躍をするじゃないか。
この手の映画はインフレ起こし過ぎ。
のぞむの漫画がどうやってできるのか意外とみんな興味あるみたいなのでここで公開してみようと思います。
今回は詳しいことは先送りにして、まずはざっと漫画がどうやってできるか説明します。
のぞむよしお名義で作品をつくるとき…
まず、二人で打ち合わせしてだいたいのプロットを作ります。
それをもとにしてよしおがシナリオを書いてきます。
よしおのシナリオ
のぞむよしおが教室で話をしている。
のぞむ「ほんでお前、誰のおめこ舐めたいねん?」
(註}・・クラスでは誰が好きかという意味)
よしお、頬を赤らめながら「好きな人なんておらんよ・・・」と照れる。
のぞむ「ふん!もったいつける程の男か!言えや〜!」
中村、胸ポケットをおさえる。
のぞむ「お前どうせ生徒手帳に好きな女の写真でも挟んでんねんやろ!」
中村「挟んでへんわ!」
のぞむ「見せろや〜!」
ぽろっと生徒手帳が落ちる。
中村「やめろや〜!」
拾おうとするのぞむと、もみ合いになるのぞむよしお。
「やめたれや〜!」と声がする。
そのシナリオをもとにして僕がネームを描きます。
コマ割の関係や物語の前後関係を考慮し、演出は多少変えたりします。
ネームにオッケーが出たら、よしおとポーズ撮影です。
のぞよし漫画の登場人物には全てモデルがいます。
ポーズ撮影が終わると、ネームをスキャナでパソコンに読み込でいきます。
次に読み込んだネームにPhotoshopを使って、ポーズ撮影した画像をレイヤーで重ねていきます。
これが原稿の下描きになります。
(1ページにつきだいたい1時間かかります)
下描きをプリントアウトして、原稿用紙にトレースしていきます。
(これも1ページにつきだいたい1時間かかります)
完成した原稿をスキャナで読み込みます。
原稿に、さきほど仕上げた原稿の下描きの画像から人物の色を重ねていきます。
重ねた画像に色調補正かけたのが下です。
擬音とモノローグを重ねます。
これで原稿は完成です。
(仕上げ作業も1ページにつきだいたい1時間かかります)
僕はこのまま原稿をグレースケール・600dpi・保存形式はpsd(レイヤーは統合済)で脱稿します。
雑誌に掲載されるとこんな感じになります。
(週刊ヤングジャンプ2004年 No.4『舞い戻ってきた性的人間』より抜粋)
最後におまけで漫画の背景の作り方。
背景はPhotoshopアクションで作っています。
こんな感じです。
付記 2009年11月
更新したPhotoshopアクションはこちら。
Adobe PhotoshopCS2、Macで作成。
(ZIPで圧縮したデータをダウンロードできます)
漫画でわかりやすく解説したのぞむ的デジタル漫画入門!
この漫画は単行本のぞむよしお著『性的人間(1)』のおまけページに掲載されている。
漫画を描くときこういうのがあったら便利じゃないのかな〜というものをアップしていきます。
好きなだけダウンロードしてください。
原稿用紙内側ラインのガイドのアクションはこちら。
最近フォトショップを使ったイラストを描くことも多いので、どういうふうに描くのか途中経過をアップしてみましたシリーズです。
(2011年5月)
カードゲームのイラストを描いたときのことを描いてみます。
キャラクターはショッカーライダー(にせ仮面ライダー)です。
ソフト Adobe Photoshop CS4とpainter7
ハード デュアル2.7 GHz 64ビットPowerPC G5 メモリ4GB
ワコム液晶タブレットCintiq 21UX
まずパソコン上でラフを描きます。
鉛筆ツールでなるべく正確に形をとります。
編集部からラフのオッケーが出ると、色を塗り始めます。
アナログ作業の場合は全体のバランスを考えながら色を塗りますが、僕はデジタルで加工する場合は、全体のバランスを後で取ることにして個々のパーツをバラバラに描いています。
主要キャラの色塗りほぼ完成。
これ以上は全体のバランス見ながら描き込んでいきます。
背景を描き始めます。
まずは遠景から。
背景をさらに描き込んでいきます。
手前のキャラクターもバランスを見ながらさらに描き込んでいきます。
背景完成。
キャラクターとのバランスを考えながら全体を補正します。
編集部のチェックが入り、触覚や手前の波しぶきなどなど細部に修正を加えて完成。
カードがこちら。
バンダイ レンジャーズストライクカード
ひさしぶりに更新します。
以前と比べいろいろな変化があったので、備忘録的に。
そこでまたのぞむの仕事部屋をのぞいてみることにしましたよ。
(2011年5月)
上京してから四カ所目の住処です。
江戸川乱歩やベートーヴェンみたく一箇所に定住したくない人なので二年、長くて四年で引っ越すのですが一〇年で四箇所はちょっと引越し料金含め勿体無い気もしますね。
ちなみに現在は、漫画家はずっと家にこもって仕事しているので都内に住んでも無意味だ!ということで思い切って郊外に引っ越し住んでいるですが、外出するのが面倒になりひきこもりがちになって大後悔。
近々、引越しを考えているとのことですよ。
いろいろな角度から撮影してみましたよ。
仕事部屋(奥が寝室)
寝室と仕事場を隔てたフスマは息苦しいので、普段はテレビの後ろにたてかけています。
今回はのぞむの仕事部屋をのぞいてみることにしましたよ。
おしっこおしっこ。
(2004年春)
これがのぞむの仕事部屋です。
汚くてすみません、片づけるのが苦手なのです。
左側の机がアシスタント専用の机で、右奥がのぞむの机、右手前の机がスキャナ・プリンタ等を置いている作業机です。
奥が流し。
仕事部屋
ちなみに逆から見るとこんな感じ。
奥の部屋が寝室です。
仕事部屋(逆バージョン)
仕事机を順に見ていきましょう。
机は幅120センチあり、かなり余裕を持って仕事ができます。
机の右端に置いているのは耐水用の持ち運びできる液晶テレビです。
お風呂でも見ることが可能。
一昨年スピリッツの忘年会のビンゴ大会で一等当てました。
これで運を使い果たし、連載の話がなくなったのですが‥‥
時計と温度計を前の壁にかけています。
のぞむの机
のぞむの机の上を拡大します。
トレース台は幅60センチとかなり大きいです。
今やこれ抜きで仕事ができません。
トレース台の奥にマックのディスプレイ(液晶テレビ兼用)があります。
ちなみにマックはG4で400MHzです。
3年前購入しました。
最初はほとんど仕事に使うことができず、主にネット専用でした。
現在このマックでネットにつなぐことはあまりありません。
のぞむの机(拡大)
漫画を描くとき主に使っている画材です。
インクはPILOTの製図用インク。
ペン先は主にGペン。
細かい絵を描くときに時々スクールペンを使います。
2〜3年前までは主に丸ペンを使っていましたが、現在は滅多に使うことはありません。
ネームを描くときは鉛筆の三菱ハイユニ(濃さはF)を使っています。
何故鉛筆かというと、線を強弱つけてのびのびと描くためで、シャーペンは芯が細くて力を入れて絵を描くと折れてしまうのから。
シャーペンは主にセリフなど文章を書くときに使います。
ホワイトはMAXONのCOMIC INK WHITE。
枠線は0.7ミリの太さのロットリングペン。
原稿用紙はトレースしやすいように薄出の110kgMAXONマンガ原稿用紙。
のぞむの机(画材)
作業机です。
この机にはスキャナとプリンタをそれぞれ2台ずつ置いています。
そしてノートパソコンでスキャンした画像を処理します。
ノートパソコンはパワーブックG4で550MHzです。
2年前購入しました。
スキャナはA4サイズまではエプソンGT-7300U、
B4サイズ以上はエプソンES-8500。
プリンタはA4サイズまではインクジェット式のHP957c、
B4サイズ以上はレーザープリンタのエプソンLP-8900。
設備投資はかなりかかります。
作業机
ここは主にアシスタントが使う机です。
横に自作のウィンドウズのパソコンを置いています。
2.4MHzで近々デュアルにするつもりです。
棚の上には今まで描いた漫画の生原稿やネームが汚くファイルされています。
アシスタントの机
資料を入れている棚です。
手前の棚には車輪がついているので自由に移動させることができます。
よく読む漫画資料が入れてあります。
『コブラ』『バガボンド』『ベルセルク』『ヒミズ』『AKIRA』など。
資料棚
奥は寝室です。
押入れには数千冊の漫画の本が整理もせずに詰まっています。
寝室
汚い部屋ですみません。
心を入れ替えて片づけたいと思ってはいるのですが‥‥
「イワンのばかの巻」小学校低学年時に既読済み。読んでいるとラストシーンを読んだときの感情がリアルに蘇ってくる。子供だった頃はアトムがどんな敵ロボットと戦うかということばかり興味を持っていた……と思っていたが、意外と後々まで記憶に残っているのはこの漫画のラストのような一枚絵だ。
「エジプト陰謀団の秘密の巻」ラストのコマ付近の絵もはっきりと覚えている。そういえば小学校低学年時、藤子不二雄漫画(「ドラえもん」「怪物くん」)を読んでいたこともあって手塚氏の絵柄が古いと思わなかった。しかし小学四年ぐらいになると少年ジャンプの流行り絵に夢中になり、手塚漫画から離れていった。途中で『ブラック・ジャック』などを読んだりしたが、再び手塚漫画にハマるのは中学卒業前後から、そしてそれは主に大人漫画中心。僕にとって『鉄腕アトム』がちょうど手塚氏の中の空白地帯だった。
「ウランちゃんの巻」ロボット同士の格闘技大会になぜかアトムの妹ウランちゃんが参加。敵ロボットのホンコン代表レン・ターンが、キン肉マン悪魔七超人編で一コマだけ登場したプリプリマン(顔がお尻)みたいで適当なデザインに笑ってしまう。冷静に考えるとそんな顔お尻ロボットが平時に活躍するとも思えず何のためにこんなロボットを作ったのか謎。
「デッドクロス殿下の巻」小学校低学年時に既読済み、印象に残ったのか細部に至るまで覚えている。ラスト、殿下がマスクを取るとその正体は……ってマスクの下に見えていた素顔の顎も含めて仮面だったって、それは反則じゃないのか? ライダーマンの下に見える顎も仮面ってことはないだろ……騙された感でクラクラした当時の感情がまざまざと蘇ってくる。
「白熱人間の巻」最強の敵こそシンプルな姿という発想は『ドラゴンボール』のフリーザ最終形態の嚆矢ではないか。