武器商人にボディーガードとして雇われた元少年兵は、いろんなトラブルに巻き込まれながら成長していく。
絵が画面全体の面積のほんの一部だけピンポイントで詳細に描写されていて、その周囲には描かれていない空白が広がっている。
そのバランスが巧みなので、ストレスなく読み進めることができる。
物語も絵と同じように、細部をリアルに描きこんでいる情報と飛ばしている情報のギャップが激しい。
リアル過ぎるとリアリティラインが上がり物語作りが難しくなるが、抜きすぎるとリアリティラインが下がって途端に絵空事になる。
絵と同じく、タイトロープを渡るかのような優れたバランス感覚で、物語を最大限面白く演出している。
おそらく作者は、読者が脳内で補完する部分を計算する能力に長けているのだろう。
僕はこういうミリタリーものを普段読まないのだが、楽しみながら読むことができた。
普段読まないからこそかも知れないが。