月別アーカイブ: 2014年6月

【映画】『ブロークンシティ』

冒頭の罪をキチンと精算しなかった代償を、主人公が受け入れ、決着させるまでの話。
話が飲み込みづらい。ラスト二〇分ぐらいでようやく面白くなってくる。多層的に出来事が主人公に降り掛かってくるが、それが冒頭に起こったことと象徴的に関連していて非常によく出来ている……と観終わってから思ったが、観ている最中は話を追うのに精一杯だった。

悪玉がラッセル・クロウに似た老けた人だなと思っていたら、ラッセル・クロウ本人だった。

【本】『ピロンの秘密』手塚治虫

カストル星の王子ピロンは大臣の謀反により星を追われ地球へ逃げてきたが……
ラスト一ページの暴力的なハッピーエンドに仰天。
併録『お山の三五郎』
山奥のタヌキの学校に転校してきた少年とタヌキの交流を描く。
当然の帰結でわかってはいるが切ないラスト。

【本】『あらしの妖精』手塚治虫

悲劇的なラストと思いきや、わずか半ページで暴力的なハッピーエンドに!
手塚氏の五〇年代の幼年誌、少女誌はこんな感じの取って付けたようなラストが多い。
併録「こけし探偵局』
主人公パコちゃんの「こわい」ということを全然知らないというキャラクターが面白い。

【日記】14年06月08日 体重62.7kg

布団が薄いせいか部屋の温度が低いせいか、寒さで熟睡できない。
五時に目覚めるが、覚醒度が低すぎて布団から出ることができない。
布団の中でしばらくまどろんでから六時前起床。

父が買ってきてくれた惣菜を一緒に食べる。
朝食、リンゴ、餃子、焼売、パン、ベーコン目玉焼き、レタスとトマトとタマネギのサラダ。

父は九時に家を出る。
なかなか気持ちが切り替わらず、仕事に集中できない。
家の食材がなくなったので小雨が降る中外出、午後の買い物へ。
市場の前のレストランで昼食。
ビッグボーイ練馬高野台店にて昼食、 大俵ハンバーグ、サラダバーセット。
帰宅後、やはり仕事が手につかない。

夕食、豆乳にシリアル。

DVDでこんな映画を観た!
『ブロークンシティ』

こんな本を読んだ!
『ピロンの秘密』手塚治虫
『あらしの妖精』手塚治虫

二二時、就寝。

【映画】『くもりときどきミートボール2』

空気から食べ物を作るマシンの暴走……の続編。
前作ありきで、今作はキャラ一人一人を丁寧に描いているとは思えなかったが、ギャグの作り込み、膨大な量の絵のアイデアの詰め込みには圧倒される。

映画のなかのジャンクフードにひどく食欲をそそられ、ジャンボ焼きそばを衝動的に食べてしまい大後悔。

【本】『チッポくんこんにちは』手塚治虫

ネズミに味方するネコ、チッポくんの活躍譚。初連載の五七年から七三年まで三度間をあけながら、雑誌を変え、形式を変え(最後は絵本)続けられた。
動物世界で当たり前と思われる(ネコがネズミを食べる)ことを、主人公が違うアプローチで突き崩そうとし、最後にその常識を覆す。動物世界が人間のメタファーでありどういうことを指しているのか比較的わかりやすいが、これを幼年向けの漫画や絵本で表現できる手塚氏の漫画力と志の高さ……

【本】『落盤』手塚治虫

比較的初期の短編が集められている。
表題作『落盤』は芥川龍之介『藪の中』風な物語。
収録作『羽と星くず』について。
赤旗新聞に連載されたSF絵物語。人間によって天使や妖精と思われていた半気体の生命体が落としたエンゼル・ヘアー(ごくまれに空から落ちてくる謎の物質)をひょんなことから裏町に住むカズオくんが拾う、そこから始まるドタバタ。
カズオくんが強制労働の星に送られてしまうあたり、最後はどう考えてもやり過ぎ……というより話に収拾がつけられなくなっている。とってつけたようなラストに脱力。

【日記】14年06月09日 体重62.9kg

携帯で目覚ましをセットしていたのだが、マナーモードのままで寝てしまったようで目覚ましの作動に気づくことが出来ず、三〇分遅れの五時半起床。

ここ数日ずっと下痢。

五時四三分より公園を三七分ジョギング。
Eggのアルバム「The Polite Force」を聴きながら走る。
プログレらしすぎてその個性がよくわからない。
電子音のキーボード、ジャズっぽくもありクラシックっぽくもあるロック。

朝食、豆乳にシリアル、餃子と焼売、リンゴ、スモークチキンとトマトとサラダ菜のサラダ。

パソコンを購入してからのこの一五年、思い出したように練習しては忘れ……を繰り返したブラインドタッチも、この一ヶ月毎日の練習でようやく身についたようだ。
今回こそ定着させるようにしたいものだ。
そのために今月中はまだ練習を続るつもり。

四日振りに雨が止んだので外出、とりあえず新宿へ向かう。
世界堂で、ポストイットとペン先の買い物。
昼食をどこで食べるか探していると小雨が降ってくる。

新宿三丁目駅付近のつけめん中華そば鈴蘭にて昼食、つけ麺。

食べている間に雨が強くなってきて、外を見ると土砂降りの様相。
思わず店内で「布団干してきたのに!」と叫んでしまう。

店を出ると雨がやんでいる。
新宿周辺だけの通り雨であることを祈りつつ、地下鉄で新大塚の図書館へ向かう。
図書館で資料を借りたあと池袋へ、ビックカメラで蛍光灯購入。
自宅へ戻った後、ドコモショップで携帯電話を一番安い月二〇〇〇円程度に契約変更。
電車の中でもドコモショップでも帰宅しても一日眠気がなくならず、何回も昼寝を繰り返している。
今日はずっと朦朧としていて何も手に付かない。

夕食、ハムとトマトとサラダ菜のサラダ。

DVDで、こんな映画を観た!
『くもりときどきミートボール2』

こんな本を読んだ!
『チッポくんこんにちは』手塚治虫
『落盤』手塚治虫

寝室で本を読んでいると眠くなってきて、二二時就寝。

【映画】『新幹線大爆破』

上映一一分目でようやくタイトル。スタッフの面白いものを作ろうという意気込みが感じられて格好いい。

新幹線だから終点までにどう解決するかという部分がキモになるのだけれど、山手線なら爆弾が見つかるまで無限に回り続けるという展開になるのだろうか。
エネルギーは電線で無限に供給されるし、故障したら並走した電車からパーツを交換すればいいし、そのうち電車の中で新しい世代の子供が生まれていく。
そして不慮の事故がもとで地球が氷河期になり、人類の文明が終焉をむかえても、生き残った人たちだけが山手線に乗って回り続ける……という近未来SF映画はいかがだろうか。
日本で作ることが困難ならハリウッドで、それでも無理なら韓国・アメリカ・フランスで合作し韓国人監督に作ってもらうのもいいかもしれない。

【日記】14年06月10日 体重63.3kg

五時起床。
地面が濡れて、雨上がりの朝。
陰鬱な灰色の空にやる気を削がれ、無気力。
机にうつ伏している。

朝食、豆乳にシリアル。
昼食、焼きそばUFO、ハムとトマトとサラダ菜のサラダ。
夕食、豆乳にフルーツグラノーラ。
今日は何一つなすことができなかった。
明日からは態勢整えよう……

BSで録画したこんな映画を観た!
『新幹線大爆破』

寝室で読書してからキリのいいところで二二時就寝。

【映画】『プリシラ』

オーストラリアの都会に住む三人のドラァグ・クイーンがオンボロバスで砂漠中にある街のショーへ向かうロードムービー。
誰かと一緒に旅に出るということ自体が楽しいことは理解できるけれども、バスの中や屋根の上で踊ったり歌ったり過剰にふざけるさまは、あまりに(内向的な)自分と違い過ぎ何が楽しいのかちっとも感情移入できない。
ところが主人公の●●が出てきてから俄然楽しくなった。
もっと早い段階で出してくれたらそういう視点で全体を通して見ることができたかもしれないのに、そうすると感情移入する部分もぐっと増えたのに……感情移入できる対象の重要さを思う。

それはともかくオーストラリアの自然が美しい。
僕の将来の夢は「車で日本一周すること」なのだが、その夢の第一歩のためとりあえず運転できるようになるところから始めようと思った。

【日記】14年06月11日 体重62.6kg

五時起床。

五時六分より公園を四一分ジョギング。
雲の上のプールには雨水が溢れんばかりにたまっていて、何かのきっかけでこぼれ落ちてきそうな空模様。
低気圧のせいか体調が悪い。
本腰を入れて走ることができない。
Mandalabandのアルバム「Mandalaband」を聴きながら走る。
曼荼羅なのにあまり東洋的でない不思議。

朝食、豆乳にフルーツグラノーラ、チキンナゲット、ソーセージとトマトとサラダ菜とレタスのサラダ。
朝食が済んで外を見ると、小雨が降っていて憂鬱な気持ちになる。
部屋を片付け仕事をしようとするが、気持ちがノイジー。
脳の中の雑音がうるさ過ぎる。
漫画の下描きに集中できない。
昼食、キュウリと鶏モモのオイスター炒め、ネギゴマ豆腐。
夕食、豆乳にフルーツグラノーラ。

DVDでこんな映画を観た!
『プリシラ』

寝室で、今夜こそ読み終わるつもりの本を手に持ったまま睡魔に襲われ、うとうとしている。
放り出し布団に潜り込む。

【食】14年06月12日

朝食、チキンナゲット、ハムとトマトとレタスのサラダ、キュウリと鶏モモのオイスター炒め、ネギゴマ豆腐。
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昼食、ご飯、空芯菜のニンニク炒め、麻婆豆腐、肉団子の卵とじ。

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夕食、ニンジンと玉ネギとタコのマリネ、豆乳にフルーツグラノーラ。
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【映画】『ワンダとダイヤと優しい奴ら』

いや〜笑った!
いい加減なところと作りこまれているところのギャップがイイ!

しかしなんなんだこの邦題は。
この映画のどこに優しい奴らがいるのか。
原題は『A Fish Called Wanda』、直訳するとワンダと呼ばれた魚……内容はそのほうが合っている。
ゲームの『ワンダと巨像』とはあまり関係がない。

【本】『ガラスの城の記録 』手塚治虫

冷凍睡眠にとり憑かれた一家の物語。

この漫画のポイントは三つあって、
●冷凍睡眠している時期と期間によって家族の年齢が違う。娘が母親より歳上になったり。兄弟も年齢がバラバラ。
●冷凍睡眠を長期間続けると脳細胞に障害が起きて人格が壊れてしまうらしい。
●主人公一家のエスカレーションしたかたちとして海底で二千年眠った女(超古代文明時代の由来か?)ヒルンが登場する。

人格が壊れてサイコパスとなった長男一郎は殺人を繰り返しながら、ヒルンと逃避行。
未来世界の処刑(人間狩り)から一郎はたくみに逃れ、かつての政府要人たちが冷凍睡眠している「ガラスの城」と呼ばれる施設へ乗り込む途中で雑誌の休刊、いきなり物語は放り出される。
僕個人はこの物語の暗いテイストに心惹かれるのだが、続きを完成させるほどのモチベーションを手塚氏が持ち得なかったということか。

【本】『森の四剣士』手塚治虫

チャカチャカして読みづらかった。
僕にとって戦後まもなくの漫画は読むことに慣れが必要で、ちょっと時間をおくともうリズムがわからない。
そもそも元ネタであるグリム童話の『二人兄弟』を僕は知らない。
そしてどうしてもグリム兄弟の『二人童話』かと思ってしまう。

【本】『HHhH (プラハ、1942年) 』ローラン・ビネ

一気に読むには情報量が多過ぎるので、頭の中を整理しながら少しずつ読み進み、一週間かけてやっと読了。
ナチの高官ハインリヒの暗殺事件を、現代から作者がいかに描写するかという葛藤を交えリアルタイムに再現したもの。
膨大な量の資料をいくら集めても結局、当事者の内面は本人しかわからないわけで、どう描いても憶測になる。
どうすれば作者の主観を廃した純粋な歴史物語を描くことができるのか……
そのこだわり、僕としてはどうしても筒井康隆氏の小説『筒井順慶』を思い浮かべる。
『筒井順慶』はラストで作中の筒井氏の前に歴史上の人物である筒井順慶が現れ対談するというSF的帰結だったが、ローラン・ビネはいかにもポストモダンな割り切れない現代進行形の帰結。

この小説はたしかに野心的な試みだが、一方で「こいつ面倒くさいやつだな!」とビネ氏に対して思ってしまう。

【本】『七色いんこ(全7)』手塚治虫

登場人物が脈絡なく
「日本の国土ッ!」
と叫ぶ。
びっくりして読み返すが、どうも話の流れと関係ないようだ。
その後も何回か
「日本の国土ッ!」
と繰り返されるに至って、おそらく手塚氏が当時流行らせようとした一発ギャグだろうと解釈する。
法則性がわからないため、どういう意味でいつ使うものなのかはわからないが。

代役専門で舞台役者七色いんこは実は泥棒で……
現実を舞台にした人情話、シリアスな作風、プロフェッショナルが常識外の要求をして活躍する……などブラック・ジャックとキャラクターにいくつか共通項が見いだせる。

僕はリアルタイムで読んでいて(しかしエピローグのみ)、作中の「何もしない演技」ってどうやるんだろう……と想像したものだった。今回読み返してもこの漫画の白眉はエピローグで、僕にとってそれまでの名作劇に引っ掛けた内容の物語はその前振りにしか過ぎなかった。

ところで初読からずいぶん後に手塚氏が語った
「何も考えずに描いていたら、エピローグで偶然それまで張っていた伏線が回収できて我ながらよく出来た!」
そんな意味の文章を見かけた。
だとしたら手塚氏が本腰入れて描いていたのはそれまでの前振り部分で、エピローグこそ適当だったってこと?
当初の意図に反しているけど結果オーライだからいいの?
それはすごいの?
すごくないの?
と混乱した記憶がある……
「日本の国土ッ!」

【日記】14年06月12日 体重62.6kg

五時起床。
地面を見下ろすとじっとり道路が濡れており、いやな気持ちになる。
シャワーから戻ってきてもう一度窓の外を見ると、陰気な雨が降りはじめている。
しとしと。しとしと。

朝食、チキンナゲット、ハムとトマトとレタスのサラダ、キュウリと鶏モモのオイスター炒め、ネギゴマ豆腐。
窓の外、風に吹かれた霧雨が白いレースカーテンのようにはためいている。
昼食、ご飯、空芯菜のニンニク炒め、麻婆豆腐、肉団子の卵とじ。
午後、雨がやんできたので外出。
駅前のショッピングモールで友達の結婚式のため礼服を購入。
ついでに地下食品売り場で食材も購入。
ショッピングモールから外に出ると、強い日差しのレーザー光線が雲間から照射され、僕は叫び声をあげる。

今日は一日通してずっとまどろみと覚醒の狭間で僕は揺らめいている。
眠気の粒子を混ぜた油絵の具のワニスの透明層でグレージングされた絵のようだ。
椅子に座ったまま寝たり起きたり……全てが夢だったらいいのにと思う。

夕食、ニンジンと玉ネギとタコのマリネ、豆乳にフルーツグラノーラ。

DVDでこんな映画を観た!
『ワンダとダイヤと優しい奴ら』

こんな本を読んだ!
『七色いんこ(全7)』手塚治虫
『ガラスの城の記録 』手塚治虫
『森の四剣士』手塚治虫
『HHhH (プラハ、1942年) 』ローラン・ビネ

目が冴えてなかなか寝付けないので眠くなるまでずっと本を読んでいる。
昼寝し過ぎたことと、雨続きでジョギングできないことも関係しているのかもしれない。
午前〇時過ぎ就寝。

【食】14年06月13日

朝食、ニンジンと玉ネギとタコのマリネ、麻婆豆腐、肉団子の卵とじ。
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昼食、アボカドまぐろ漬け丼、ササミの塩麹炒め、玉ネギとジャガイモとサーモンのコンソメ炒め。

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夕食、こんにゃくステーキ、生ハムとトマトのバルサミコ酢和え、豆乳にフルーツグラノーラ。
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【日記】14年06月13日 体重62.6kg

五時起床。
睡眠不足でひどく寝起きが悪い。
朝食、ニンジンと玉ネギとタコのマリネをのせたトマトとレタスのサラダ、麻婆豆腐、肉団子の卵とじ。

七時七分より公園を三七分ジョギング。
雨続きで空気中の塵が洗い流されたのか、空気がクリアで少しひんやりするぶん、日差しが強い。
もうよっぽどの早朝でないとジョギングに出ることが難しいぐらいの季節に入った。
New Trollsのアルバム「CONCERTO GROSSO PER I」を聴きながら走る。
このアルバムの曲は、僕にとってハズレがない。
気持よく走ることができる。

実家から送られたきたTシャツをよく見ると新品なのに古い絵柄……肩に見覚えのある地元企業のロゴマーク。
親に聞いたら先日ゴミ屋敷で変死したおじさんの部屋にあったものとのこと。
「でも誰も着てへん新品やで〜」
そういうものは、一見新しく見えてもとりあえず洗濯。

いきなりとびこんできたイラストコラージュのラフにかかりきり。
昼食、アボカドまぐろ漬け丼、ササミの塩麹炒め、玉ネギとジャガイモとサーモンのコンソメ炒め。
夕食、こんにゃくステーキ、生ハムとトマトのバルサミコ酢和え、豆乳にフルーツグラノーラ。
二三時過ぎ、ようやくラフを完成させメールにて送る。
午前〇時過ぎ就寝。

【食】14年06月14日

朝食、ご飯、ササミの塩麹炒めを添えた生ハムとトマトとレタスのサラダ、チーズかけジャガイモとサーモンのコンソメ炒め。
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平塚八幡宮近くのラーメン屋「矢口家」にて昼食、ラーメン。

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夕食、セロリとニンジンと玉ネギとマグロとタコのマリネ、豆乳にフルーツグラノーラ。

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【映画】『勝手にしやがれ』

白黒の映像は観ている側と画面の中で起こっている出来事との距離を遠く感じさせる。
自分の身近にないことだと思って感情移入することが難しくなる。

ものすごく短いジャンプカットの多様、細かく震えるように見える。
痙攣している役者が多いと最初は本気で思ってしまう。

主人公は刹那的に犯罪を重ね、警官を殺し、逃亡して女の家を転々と泊まり歩いている。
禅問答みたいな会話。
「何故見つめているんだ?」
「見つめているからよ」
こんな禅問答みたいな会話しながら刹那的な犯罪を繰り返すから、アホなのかかしこなのか、そのギャップが理解し難い。
それなのにクライマックス、女が男を裏切り警察へ密告するあたりはその意味不明さが逆にリアルで不思議。
そもそも男女間で起きる出来事が不合理で理解し難いものだから?

【本】『時が新しかったころ』ロバート・F・ヤング

恐竜時代の地層に人間の化石を発見された。トリケラトプス型のタイムマシンで調査に向かった主人公は、二人の子供(姉弟)に出会う……

自分は一読して、これは作者のヤング氏が現実に実現できない少女趣味を、SFというギミックをつかって達成しようとするリアリティのない話だ、とため息をつき本を置いた。
『夏への扉』を初めて読んだ頃の僕なら、抵抗もなくこの物語を受け止めることができたのだろう。
しかし今の僕がこの物語を肯定することはかなりの困難。
ご都合主義でがっかりするのは、隔絶するほど離れた時代や場所で暮らしている人類の行動パターンや外見が同じなことなどのセンス・オブ・ワンダー部分でなく、恋愛に対しての作者のヤング氏が持っている浅薄な姿勢。まるで中学生のようにてらいがなくすれっからしていない。

しかし時間を置いてもういちど読み返してみると泣けて仕方がない。特にクライマックスからラストに向けてのエピソードが僕の心の奥底に強く訴えかけてくる。
この「てらいのなさ」こそがヤング氏の最大の弱点であり、そして魅力なのだろうと思う。

全く、大人になるに従ってつまらないものの見方になるものだ……先入観と偏見の濁った眼で初読を楽しめなかった自分に失望する。

【日記】14年06月14日 体重62.2kg

五時にいったん起床するが、このところ続けての睡眠不足で行動できず布団に潜り込み二度寝、六時一五分に今度こそ起床。

六時一四分より公園を三一分ジョギング。

Renaissanceのアルバム「Scheherazade And Other Stories」を聴きながら走る。

朝食、ご飯、ササミの塩麹炒めを添えた生ハムとトマトとレタスのサラダ、チーズかけ玉ネギとジャガイモとサーモンのコンソメ炒め。

さっき階下の住人がピアノの練習を始めた。今朝は結構早い段階で即興演奏になってピアノをバンバン叩いている。こらえ性がない人っぽいな〜……一年以上練習して一曲もちゃんと弾けないのな!

以前から行くつもりだったと美術展のスケジュールを確認すると、明日で会期終了だということに気づく。
明日は知り合いの結婚式でドタバタするので、急遽思い立ち家を出る。
電車で二時間かけて、平塚駅到着。
気持ちのいい青空。
日差しは強いが、風は涼しくて心地よい。
真夏になるとこうはいかない。
今が一番いい季節なのかもしれない。
駅で地図を見るとそんな遠くないところに美術館があるので、歩いて向かう ことにする。
途中でラーメン屋を見かける。
平塚八幡宮近くのラーメン屋「矢口家」にて昼食、ラーメン。
スープは美味しかったが、無印のラーメンはシンプルに具材がほとんど入っていない。
煮玉子やチャーシュー、ネギ入りも食べてみたかった。
一三時半、平塚美術館に到着。
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「石田徹也展」鑑賞。
アイデアや世界観に深みはあるが、描き込みやマチエールに関しては淡白。
VOCA展に出展した作品には大きな画面ならではの迫力で見応えがあるが、全体的に大きさの割に密度が低く、エスキースをそのまま拡大してキャンバスに描いただけの印象。
画集で眺めるのとあまり変わらない。
ずっと興味を持っていた作家なだけに少し落胆したが、刺激になったのも確か。

往路はJRだったが、復路はバスに乗り本厚木駅ヘ向かい小田急線で帰宅。
駅前のショッピングモールで裾上げしたスーツを受け取り、買い物。
夕食、セロリとニンジンと玉ネギとマグロとタコのマリネ、豆乳にフルーツグラノーラ。

DVDでこんな映画を観た!
『勝手にしやがれ』

こんな本を読んだ!
『時が新しかったころ』ロバート・F・ヤング

寝室で読書していると面白くてなかなか中断できず、二三時頃に就寝。

【食】14年06月15日

朝食、セロリとニンジンと玉ネギとマグロとタコのマリネ、チーズかけ玉ネギとジャガイモとサーモンのコンソメ炒め。
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昼食、トマトとセロリとニンジンと玉ネギとマグロとタコのマリネ、マグロの時雨煮、豆乳にフルーツグラノーラ。

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目黒雅叙園にて夕食、いろいろ。
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【本】★『 陽だまりの樹(全11)』手塚治虫

あとがきにて手塚氏は、幕末で曽祖父の手塚良仙が学んだ適塾を、氏の虫プロダクションと重ねたという。
「みなぎる活気とうらはらに誰もが貧しく、秩序も統制もないばらばらの個性の衝突、混沌の中に試行錯誤を続けたあの時代」……適塾を入れ子構造にしてさらに日本の維新と重ねあわせたのだろう。
手塚良仙は快楽主義でいい加減、武士の伊武谷万二郎を無骨で真面目……二人の主人公を描き分けることによって新しい時代をどう生きるかを象徴的に描いている。
二人の共通項は理想主義だが、若さは理想を伴うもの、そしてこの物語は青春ものとしても素晴らしい。
初読時はラストをあっけなく感じたが、今読み返してみると人は自分のピリオドのつけかたを運命に委ねるしかなく、この唐突さが歴史の流れの無常さをうまく表現していると思う。手塚氏自身の死がそうだった。