【本】『HHhH (プラハ、1942年) 』ローラン・ビネ

一気に読むには情報量が多過ぎるので、頭の中を整理しながら少しずつ読み進み、一週間かけてやっと読了。
ナチの高官ハインリヒの暗殺事件を、現代から作者がいかに描写するかという葛藤を交えリアルタイムに再現したもの。
膨大な量の資料をいくら集めても結局、当事者の内面は本人しかわからないわけで、どう描いても憶測になる。
どうすれば作者の主観を廃した純粋な歴史物語を描くことができるのか……
そのこだわり、僕としてはどうしても筒井康隆氏の小説『筒井順慶』を思い浮かべる。
『筒井順慶』はラストで作中の筒井氏の前に歴史上の人物である筒井順慶が現れ対談するというSF的帰結だったが、ローラン・ビネはいかにもポストモダンな割り切れない現代進行形の帰結。

この小説はたしかに野心的な試みだが、一方で「こいつ面倒くさいやつだな!」とビネ氏に対して思ってしまう。

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