こんな本を読んだ!」カテゴリーアーカイブ

本を読むことはあまり得意じゃないのですが、頑張って読んでいます。
 
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【本】『 ザ・クレーター(3)』手塚治虫

ラスト「クレーターの男」が印象深い。
月にロマンが残っていた時代だったせいか手塚氏の漫画には比較的月を舞台にしたものが多い。月から仰ぎみる地球のイメージはレイ・ブラッドベリ『火星年代記』からの着想だろうか。無常感から光瀬龍氏の宇宙ものを思い浮かべたりもする。

【本】『ユフラテの樹』手塚治虫

あとがきより、「高い次元で描いた作品ではありません」のでタイトルの由来は「今は思い出せません」とのこと。
推測するにタイトル『ユフラテの樹』はおそらくチグリス・ユーフラテスからメソポタミア文明のシュメール神話の「世界樹の伝説」、エデンの園の「知恵の林檎」、イエス・キリストの「奇跡」、と当時はやっていた超能力をつなげたのではないか。
先の展開を考えずに適当に連載をはじめながら考えたらしいが、綺麗にまとめてしまう手塚氏の漫画力は尋常でない。しかも当然ながらちゃんと面白い!

【本】『ドン・ドラキュラ(全3) 手塚治虫

リアルタイムでアニメを観たことがあるのだが、『手塚治虫のドン・ドラキュラ』とオープニングが始まった時点で生理的に「ダサ!」と感じすぐにチャンネルを替えてしまった。
かように小さい子供にはわからない微妙なところを狙っていたと思う。ちなみに一〇代後半で読んだらかなり面白かった。それから二〇年以上経っていま読み返してみたらさらに面白かった。
ドラキュラのひとりむすめチョコラがかわいい。

【本】『マグマ大使(全3) 』手塚治虫

僕の持っていた旧単行本とこの全集版では後半の内容が全く違う……なんとアースやゴアよりも偉い宇宙の創造主カオスさまが争いの調停者として登場!
カオスさまが巻来功士氏の『ゴッドサイダー』に登場する「超高次元の魔神」みたく人間臭すぎて、旧単行本よりスケールが小さくなっている。
これはこれで面白いけどちょっと苦笑。

【本】『イソップ寓話の世界』中務哲郎

「人体のすべてが今と違って心を同じくせず、体の各部分がそれぞれ自分の考えと自分の言葉を持っていた時のこと」という寓話の言い回しが興味深い。
そんな時代に戻ったら自分のチンポとブレインストーミングできるのかしら。

人間の歴史として残っていないほどの過去はもっと混沌としていたから、動物や植物やはては自然物や季節が人間のように話すのも無理はない、という考え方なのだろうか。
あるいは聖書でイエス・キリストがしばしばたとえ話をするように、そういうレトリックでものを語る時代だったのか。

【本】『鉄腕アトム(1)』手塚治虫

「アトム大使の巻」地球そっくりに進化した惑星の宇宙人(船団には地球人類と同じ人口)が、地球に押し寄せてくる。問題を解決するため中立の立場であるロボットの「アトム」を会議に参加させる……ハイブローな内容のSF。後のロボットプロレス要素がない。
「気体人間の巻」成層圏に住む空気状の生物が人間に乗り移り、人間を奴隷化しようと暗躍する。ラストの情け容赦のない解決法の後、アトムの「もしあなたの近くにわるい心の人がいたら……それはきっと煙にとっつかれているんです ほんとはいい人なんですよ」とことん空気人間を悪く言い様に笑ってしまう。

【本】『鉄腕アトム(2)』手塚治虫

「海蛇島の巻」頭がなくなっても空を飛ぶし喋るし、アトムの頭の役割ってかざり?
「人工衛星SOSの巻」アトムのクラスメイトが「僕のおとうさんは人工衛星の信号係だよ」と言ったばかりに「やーい やーい 人工衛星の子やーい」といじめられる意味がわからない。この未来世界観では底辺の仕事みたいだが、人工衛星に携わる人が差別される理由が思いつかずひたすら不条理。
「ZZZ総統の巻」敵ボスの仮面を剥ぐとこの物語の重要人物●●●の顔が! こういうどんでん返しかと思って読んでいると、「いや…おれは●●●のふたごの兄だ」ってそれこそ何の伏線もない! 

【本】『鉄腕アトム(3)』手塚治虫

「アルプスの決闘の巻」人造心臓を胸に入れ人間の心を手に入れたアトム。キャラの内面が記号的なので普段のアトム(心のないロボット)と違いがよくわからない。ちなみにこの話は連載でなく付録に掲載されたもので、他のエピソードと比べ絵が荒くコマ割りが大きい。手塚氏はストーリーを細かく描き直すのに、こういう絵の誤差は気にしないという不思議。しかもコマ割りがスカスカなぶんストレスなく読み進められてむしろこちらの方がいい。
「アトラスの巻」 第二期のアニメ版アトムでライバルとして描かれたアトラスが登場。土管に手足がついたような身体で、股間の穴からジェット噴射で飛ぶ。何でこんな格好わるいデザインにしたのか理解に苦しむ。

【本】『鉄腕アトム(4)』手塚治虫

「ロボット爆弾の巻」ロボット爆弾の製造機が深海に投棄、自分のことを高等動物だと思い込んだ爆弾が地下で王国を作る、悪夢のような光景。海底ゆえ体中フジツボにびっしり覆われた、自分を国王と名乗るロボット爆弾のキャラクターが面白い。一旦終わったと思いきや後の二段オチがちょっとトリッキー。

【本】『鉄腕アトム(6)』手塚治虫

「イワンのばかの巻」小学校低学年時に既読済み。読んでいるとラストシーンを読んだときの感情がリアルに蘇ってくる。子供だった頃はアトムがどんな敵ロボットと戦うかということばかり興味を持っていた……と思っていたが、意外と後々まで記憶に残っているのはこの漫画のラストのような一枚絵だ。
「エジプト陰謀団の秘密の巻」ラストのコマ付近の絵もはっきりと覚えている。そういえば小学校低学年時、藤子不二雄漫画(「ドラえもん」「怪物くん」)を読んでいたこともあって手塚氏の絵柄が古いと思わなかった。しかし小学四年ぐらいになると少年ジャンプの流行り絵に夢中になり、手塚漫画から離れていった。途中で『ブラック・ジャック』などを読んだりしたが、再び手塚漫画にハマるのは中学卒業前後から、そしてそれは主に大人漫画中心。僕にとって『鉄腕アトム』がちょうど手塚氏の中の空白地帯だった。

【本】『鉄腕アトム(7)』手塚治虫

「宇宙ヒョウの巻」群体生物である宇宙ヒョウのアイデアは医学博士になった手塚氏らしい。当時のSFの水準としても相当なレベル。それを迎え撃つアトムのアイデアも漫画として捻りが効いている。
「透明人間の巻」五八年公開の映画『ハエ男の恐怖』から着想を得たものと思われる(本作品は六〇年発表)。もの悲しいラストが何ともやるせない。

【本】『鉄腕アトム(8)』手塚治虫

「ウランちゃんの巻」ロボット同士の格闘技大会になぜかアトムの妹ウランちゃんが参加。敵ロボットのホンコン代表レン・ターンが、キン肉マン悪魔七超人編で一コマだけ登場したプリプリマン(顔がお尻)みたいで適当なデザインに笑ってしまう。冷静に考えるとそんな顔お尻ロボットが平時に活躍するとも思えず何のためにこんなロボットを作ったのか謎。
「デッドクロス殿下の巻」小学校低学年時に既読済み、印象に残ったのか細部に至るまで覚えている。ラスト、殿下がマスクを取るとその正体は……ってマスクの下に見えていた素顔の顎も含めて仮面だったって、それは反則じゃないのか? ライダーマンの下に見える顎も仮面ってことはないだろ……騙された感でクラクラした当時の感情がまざまざと蘇ってくる。
「白熱人間の巻」最強の敵こそシンプルな姿という発想は『ドラゴンボール』のフリーザ最終形態の嚆矢ではないか。

【本】『鉄腕アトム(9)』手塚治虫

「ホットドッグ兵団の巻」小学校低学年時に読んだ『鉄腕アトム』の中で最も印象に残った漫画。犬をさらってきて脳を取り出しサイボーグ部隊にするという発想が怖い。サイボーグの頭に縫い目のあるデザインが、奥に脳が埋め込まれていることを暗示していて怖い。何よりも犬の習性がよみがえったサイボーグが犬小屋に入って安らかな顔をしている絵が……怖く、そして悲しい。クライマックス「元の体に戻りたい!」と叫ぶサイボーグを見て小学生の頃と同じく泣きそうになる。手塚漫画の中でも思い入れでトップクラス。

【本】『鉄腕アトム(10)』手塚治虫

「第三の魔術師の巻」デジタルコピーしたロボットの人格はオリジナルと同じか問題。ロボットに魂がないならこの話はハッピーエンドだけれども、そもそもロボットに魂がないのなら『鉄腕アトム』という物語の根幹が崩れてしまうことになる。だからこれは切ないラストだと思う。

【本】『鉄腕アトム(11)』手塚治虫

「アトム対ガロンの巻」小学校低学年の頃、アニメで観たことのあるエピソード。どうしてもガロンに勝てないアトムが最後に「ここをお前の星と同じ重力にしてみろ!」と、とんちを使ってガロンを地球の外へ放逐することに成功する。アトムが考えた「もし(その)星の重力が地球より少なければ」空気が吸い込まれて上昇する……それがとんちの根拠だが、半分の確率のただの賭けじゃないか!と子供心に、腑に落ちなかったことを思い出す。

【本】『鉄腕アトム(12)』手塚治虫

「地球最後の日の巻」横山光輝『マーズ』と同じく、宇宙から送られてきた人間そっくりの爆弾が主人公。彼が爆発するかどうかは周囲の人々の善意に関わってくるわけで、僕も他人にほんの少しでも優しくしようと思った。窓の外であの歩いている人も本当は爆弾で、僕の些細な一言で地球が粉々になるかもしれないから……

【本】『鉄腕アトム(13)』手塚治虫

「地上最大のロボットの巻」浦沢直樹氏が『PLUTO』のタイトルでリメイクしたその原作。物語もそうだが、この頃の手塚氏の絵は脂が乗っている。デザインも漫画的な演出も。小学校低学年時に初めて読んだ僕ですら次々と現れるロボットにワクワクしたのだから、当時リアルタイムで読んでいた子供は尚更だったろう。この物語のロボットの中には完全な悪役はいない。しかし立場、生き方の違いで戦わなければならないのだ。ウランがプルートウにワッペンを貼るシーン、ウランのことを気にするプルートウが泣けて仕方ない。

【本】『鉄腕アトム(14)』手塚治虫

「ロボイドの巻」ロボットの進化した人類のロボイドという設定が面白い。しかし物語が進むに連れ単なるロボットプロレスものになっていく。この作品が「地上最大のロボットの巻」の後でなければこういう展開にならなかったのかもしれない。先に成功したパターンが踏襲されているうちにマンネリにつながっていく?

【本】『鉄腕アトム(15)』手塚治虫

「青騎士の巻」ミステリとしてひねりのある展開なのに、結局、途中からロボットプロレス。そもそも『鉄腕アトム』はアトムをテーマに手塚氏の物語る技術の巧みさを読む漫画だったのが、「地上最大のロボットの巻」を描いてしまったばかりに読者の期待するものがロボットプロレスものになってしまう……成功したばかりに足かせが強くなるジレンマ、自家中毒に陥っているように見える。

【本】『鉄腕アトム(17)』手塚治虫

「顔のないロボットの巻」顔を探すロボットというだけで引きはじゅうぶん。ラストがあっけなくて少し物足りないが。
「1億年前の犯罪の巻」半村良氏『妖星伝』を思い起こさせる設定。ラストは何かの要請があったのだろうか、いきなり数ページでドタバタ終わっている。

【本】『鉄腕アトム(18)』手塚治虫

「ゾロモンの宝石の巻」実体のない幽霊のようなロボットが現れ、そのロボットが探す小さな宝石の中に一つの世界が閉じ込められている……そこまでは興味深い展開なのに、やはり途中からロボットプロレス。「地上最大のロボットの巻」は娯楽作としていちばんよく出来ていたと同時に、その後『鉄腕アトム』の物語の幅を狭くし寿命を縮めたという意味で功罪相半ばする。

【本】『鉄腕アトム別巻(1)』手塚治虫

いろんな雑誌で掲載されたスピンオフ『鉄腕アトム』を集めたもの。
「アトム二世」アトムが自分を大量生産してアトムの顔をした二世が世界中に、アトム自身は女を百人も囲って王様ぐらし。そのアトムに向かって「イヨー 性戯の味方ーっ!」って手塚氏本人が描いているから許されるようなものの、手塚氏はどこまでもサービス精神あり過ぎる!
「アトムの最後」アトムとしてはあまりにも救いがなさすぎる物語に、『アラバスター』と同時期に描かれたということで納得。

【本】『鉄腕アトム別巻(2)』手塚治虫

第二期アニメ版『鉄腕アトム』と連動して小学校低学年誌向けに連載していたもの中心に集められている。当時流行りの要素を取り入れ、ロボットに動力パイプがついている。ロボットの関節が、横にボルトが止めてあったり蛇腹になっていたりと若干構造を意識して描かれている。ただし内容は低学年向けなのでオチは大概とんち話的なくすぐり。
ラスト収録「シルバー・タワーの巻」だけ対象年齢の高い少年誌向け読み切りで、文明批判まで飛び出すシリアス過ぎる内容。アトムは両腕を引きちぎられ内臓のような部品をはみ出させながら敵と戦う。

【本】『ナスビ女王』手塚治虫

あとがきより、以降少女漫画で扱うことになるテーマのほとんどがここにあるとのこと。
確かに一昔前の少女漫画はこんなイメージだった。身分相応以上の望みを持ったものは没落し、相手を殺すほどの悪意を持ったものは自ら招いた失敗で死ぬ。絵に描いたような因果応報……イソップ寓話。
手塚氏の同時代の他の漫画と比べると、コマ割りが大きくて話のチャカチャカ感が少なく、読みやすい。

【本】『アトム今昔物語(全3)』手塚治虫

一九七〇年前後の日本にアトムがタイムスリップ。アトムと現代(この漫画が描かれた時代)をリンクさせようという試みだろうか?
アトムとバッタ人間をコンビにする意味がわからない。案の定、途中からバッタ人間が話に絡まなくなる。最初からバッタ人間なしでもじゅうぶん話が成立するし、そのほうがシンプルでよかったのでは。
漫画の神様の考えていることはわからない。

【本】『空気の底』手塚治虫

何と! 僕の持っている大都社版と半分ぐらい内容が違う……未読の短編(微妙な出来)が増えて、好きだった短編が無くなっている。手塚氏の中で一番好きな短篇集だったのに、全集版はイマイチ。
巻末「ふたりは空気の底に」がこの短篇集で最もSF色が強いからというわけではないけれど、はかなげな雰囲気で一番好き。

【本】★★『気がつくと机がぐちゃぐちゃになっているあなたへ』リズ・ダベンポート

机周りの整理を、物理的なモノだけにとどまらず、情報、スケジュール管理の観点も交えて説明されている。片付けというよりは仕事(作業)に対して実践的な内容。

メモ:
捨てるか、とっておくかの判断に三〇秒以上かけては駄目。
1:デスクをコクピットにする。
└手近に置く(机の上に出す)のは毎日使うのものだけ
└毎週使うものは引き出しの中(二軍)。
└毎月使うのものは部屋の中、それ以外は部屋の外。

イントレー

読み物トレー

保管トレー

文房具いるものと要らないものの区別:使ったものにポストイットをつける→使わないものは二軍へ

2:毎日の「管制塔」を持つ。
管制塔をデスクの見えるところに立てておく。
└1:用件全てを書き留める……リストにA緊急性 B重要 Cやった方がいいランクをつける。Aの中にはA1、A2……   
└2:一つしか作らない。
└3:一日ひとつのレーダースクリーン。

レーダースクリーンに割くページは一日見開き一つ、以降は一週間、一ヶ月、一年……の単位

仕事の予定は逆算で作る。

3:書類の駆け込み寺を作る
保留ファイル
└1:入れる前に管制塔に用件やアポを書く 
└2:管制塔に書いてないものは保留ファイルにに入れない。
└3:保留ファイルに入れる前に管制塔に覚書きを書いておく。

移動する用のキットを作る。

何をしたらいいのかわからないときの魔法の言葉。
「自分がすべきことはなにか」

集中力が発揮できる状態に入るには二〇分必要だが、集中が溶けるのは一瞬。集中が続けられる環境を作ることが一番大事。

毎日の習慣
一日の計画をチェック……リストに優先順位

計画を番号の順番に実行。

チェックマーク

仕事が終わると、デスクの上は綺麗に。

【本】『図解 ミスが少ない人は必ずやっている「書類・手帳・ノート」の整理術』

整理するテクニックとそれにうってつけのガジェットを企業の協力で具体的に紹介。若干の宣伝広告臭。

メモ:
●見出しラベルを右上に。

●クリアフォルダーで領収書を管理

●ノートは日付/分類(企画、資料、打ち合わせetc.)を明確に

●仕事のPlan計画Do実行Check評価Act改善を繰り返す
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