【本】『鉄腕アトム(15)』手塚治虫

「青騎士の巻」ミステリとしてひねりのある展開なのに、結局、途中からロボットプロレス。そもそも『鉄腕アトム』はアトムをテーマに手塚氏の物語る技術の巧みさを読む漫画だったのが、「地上最大のロボットの巻」を描いてしまったばかりに読者の期待するものがロボットプロレスものになってしまう……成功したばかりに足かせが強くなるジレンマ、自家中毒に陥っているように見える。