日別アーカイブ: 2014年8月12日

【映画】『十二人の怒れる男』

パロディである筒井康隆『12人の浮かれる男』を中学一年で読んで、高校のときに演劇を芸術鑑賞で観て、今回が人生で暫定一番最後に観た『12人の怒れる男』。

陪審員が抱いていた先入観を相対化することによって(逆の視点もあるということを提示することによって)今まで見えなかった真実が炙りだされる。その過程の心の動きをリアルに映し出す、映画。

ミステリとしては完全に後出しジャンケン。
僕の知らない情報が次々と出てきて証拠が覆されても何か釈然としない。
だって、裁判を観たわけじゃなないんだもの。ここで言っている事自体がもしかしたら、無罪を訴えた主人公自身の強い偏見かもしれないわけで、しかもこの映画の中だけでは確認しようがない。

藤子・F・不二雄『流血鬼』みたいに(あるいはマシスン『地球最後の男』みたいに、半数の分水嶺を越えたら皆が一気に無罪に傾いていく様子が怖い。

ラストはやっぱり、意味ありげに主人公がニヤリと笑って終わってほしかった。
犯人と同じナイフを持っていたとことが何かの伏線で、主人公が実は真犯人で、事件を混乱させ迷宮入りさせるためにあえて仕組んだ行動だったら面白かったのに……

そもそも誰が殺したんだよ!

【本】『さよならダイノサウルス』ロバート・J.ソウヤー

予想していたよりはるかに荒唐無稽な内容だった。
小説というより漫画のようなリアリティー。
それもちょっと懐かしいSF漫画を読んでいるような。
宇宙人が地球人と極めて近い思考ルーチンで話すことも、今っぽくないところだろうか。

この小説は面白いかというと、それはじゅうぶん過ぎるぐらい面白い。
面白い前提でひとつひっかかったこと。

ダイノサウルスが滅んだわけが『宇宙戦争』みたく未来からもたらされた病原菌あるいはウィルスかと思っていたらそうではなかった。
実際にあったことや主人公に絡んだことから展開するならなるほどと思うのだが、ここではこの小説の中だけにある設定、実際にないことが前提になってダイノサウルスは滅ぶのだ。

う〜ん、納得がいかない……

【本】『星のポン子と豆腐屋れい子』小原愼司×トニーたけざき

何と! 表紙の絵と内容が全く異なるという……これはいったいどういう試み?

第一話で感情移入したらするだけ損をするという展開……この漫画はどう解釈したらいいのだろう? 
暴力的なまでのハッピーエンドも意図がわからない。
そこまで深い意味はなくて、肩の力を抜いて作った、ちょっと不思議な漫画、ということなのだろうか。
物語演出も漫画も抜群にうまくて読ませてしまうだけで混乱が増してしまう。

豆腐もあまり意味はないのかなあ……

【日記】14年08月12日 体重61kg

五時起床。
粘り気が強い眠気にからみつかれてなかなか目を覚ますことができない。

五時五分より公園を四五分ジョギング。
太陽がうずらの卵のような空をぼんやりと頼りなげに移動している。
Curved Airのアルバム「Air Conditioning」を聴きながら走る。
ヴァイオリンの音が意識をしゃんとさせてくれる。

一日ずっとクイズ漫画の原稿、夕方までに仕上げて脱稿。

映画を観ていると眠気に襲われ何度も意識が飛ぶ。
寝室に移動して本を読んでいると本格的に睡魔に襲われ、二二時就寝。


こんなもの食べた!・・・14年08月12日

こんな映画を観た!・・・14年08月12日
【映画】『十二人の怒れる男』:DVDで鑑賞。

こんな本を読んだ!・・・14年08月12日
【本】『星のポン子と豆腐屋れい子』小原愼司×トニーたけざき
【本】『さよならダイノサウルス』ロバート・J.ソウヤー