【映画】『十二人の怒れる男』

パロディである筒井康隆『12人の浮かれる男』を中学一年で読んで、高校のときに演劇を芸術鑑賞で観て、今回が人生で暫定一番最後に観た『12人の怒れる男』。

陪審員が抱いていた先入観を相対化することによって(逆の視点もあるということを提示することによって)今まで見えなかった真実が炙りだされる。その過程の心の動きをリアルに映し出す、映画。

ミステリとしては完全に後出しジャンケン。
僕の知らない情報が次々と出てきて証拠が覆されても何か釈然としない。
だって、裁判を観たわけじゃなないんだもの。ここで言っている事自体がもしかしたら、無罪を訴えた主人公自身の強い偏見かもしれないわけで、しかもこの映画の中だけでは確認しようがない。

藤子・F・不二雄『流血鬼』みたいに(あるいはマシスン『地球最後の男』みたいに、半数の分水嶺を越えたら皆が一気に無罪に傾いていく様子が怖い。

ラストはやっぱり、意味ありげに主人公がニヤリと笑って終わってほしかった。
犯人と同じナイフを持っていたとことが何かの伏線で、主人公が実は真犯人で、事件を混乱させ迷宮入りさせるためにあえて仕組んだ行動だったら面白かったのに……

そもそも誰が殺したんだよ!

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