【本】『誘爆発作(1~4)』岡村星

漫画を読んでひさびさにドキドキした。

絵や細部の不満点を吹き飛ばす、圧倒的なストーリーテリング。
いくつかのシーンではどうしても読み進めることができなくて、いったん本を閉じ心を落ち着かせてからまた開く……を繰り返してしまう。

こういう能力を持っている者同士が、その力を用いて猟奇事件を解決していく設定の漫画かと思いきや、堀尾省太『刻々』のような、ひとつの事象をとことん掘り下げるタイプの物語だった。

しかし二〇一一年に初めて単行本が出てからもう三年か。
四巻まで一気読みした僕ですら、
「まだこの先続きますのん!?」
と歯がゆく思うのに、リアルタイムで読んでいる読者の先の待ち遠しさと言ったらないだろう。

敵と味方のシーソーゲームがほぼ同レベルで拮抗しているので、僕の好みとしては、もっと敵の強さを圧倒的にして、何度も失敗してはふりだしに戻りつつ最後は知略を合わせてかろうじて打倒できるような『ジョジョの奇妙な冒険 第四部』のような展開なのだが、半年で単行本一冊という連載のスピードではそこまでカタルシスを先延ばしにすることができないか……