【本】『南シナ海 中国海洋覇権の野望』ロバート・D・カプラン

一九世紀末のカリブ海と、いまの南シナ海の似ているところ/似ていないところ……中国台頭によって変化した南シナ海の状況が、初心者の僕にもわかるようやさしく解説されている。

シンガポール、マレーシアが独裁ゆえに発展したこと。
悪い独裁者の見本だったフィリピンのマルコス政権。
人民を弾圧するが経済は発展させた中国共産党。
独裁からソフトランディングして民主主義に向かった台湾。
南アジアは独裁のいいところとわるいところを比較研究できるような場所のようで、その描写の中から著者の「西洋の民主主義信仰」への懐疑が散見できる。

あとがきでも触れられていたが、日本に対する興味の無さか、日本に対する記述が少なく、あっても反日的な(アメリカのリベラル派の典型的な主張を鵜呑み)記述になっているところが気になる。

シンガポールの独裁者リー・クアンユーの自伝を読んでみようと思う。