【映画】『フライング・ギロチン』

格好いいギロチンが活躍するのは冒頭だけ。
時の政府に「大砲、鉄砲があるからギロチンは時代遅れ」と映画が始まって早々に迫害されるギロチン使い一族。

体術に優れているうえ特殊技能も持っていてなおかつ皇帝に忠実な一族を、政府が邪魔者扱いするする理由がわからない。
そもそも戦争に行くわけじゃないし、忍びとしての任務を考えると大音の出る火薬を用いた武器よりもギロチンの方がはるかに優れていると思うのだが。

映画の中で何が起こっているのかわかりにくい。

登場人物は思わせぶりなことを言っては去っていく。
登場人物がずっと何かに悩んでいる。
もっとハッキリ言ってくれ。表現してくれ。
途中まで物語の構造がわからなくて、わざとわかりにくく作っているのかとさえ思う。
文学的と言わないまでも最大限ウェットに悲劇を描くので、娯楽作と思って観ていた頭がグワングワンしてくる。

戦闘シーン、スカッドミサイルみたいに山向こうから飛んでくる清朝の大砲に受ける。
そら、フライングギロチンは届かんわな。
(あんなすごい武器があるのに何で清朝末期、欧州各国にボロ負けしたんだ?)

政府が村人を迫害、制圧する描写は現在の中国共産党政府に対する皮肉?
あるいは異民族の侵略に対する漢民族の抵抗という点で、漢民族の礼賛?

どう判断したらいいものやらどういう意図なのかわからないまま、物語のその後は歴史の闇へ消えていった。