【映画】『ウルフ・オブ・ウォールストリート』

ドラッグ、セックスは副作用に過ぎなくて、金という幻想が欲望に主人公は溺れている。物を生み出すことによってではなく、金を回すことによって生まれる金。

僕は終始、ドン引き。

劇中の乱痴気パーティーを見てもちっともうらやましくない。
あんなカロリーの高いものを食べていたら太るし、アルコールを飲んだら二日酔いがしんどいし、集団で盛り上がる一体感も僕は興味がないし、売春婦をみんなでシェアする感覚もわからない。

豪邸に住んだら維持が大変、金がかかるし、顔を合せる使用人との煩わしい人間関係が増えるし。
豪華クルーザーを買ってもらってよろこぶ嫁の単純さにもびっくりするし、さらにもっと言うと船を買ってもらって喜ぶ嫁なんかいらない。

欲望が完全になくなれば死んでいるのと同じだけど、やっぱり程度問題だ。性欲や食欲と違って、金の欲望は数字だから(幻想だから)天井がない。どこまで行ってもとまらない。
金儲けに奔走する人たちが、普段の行動まで衝動のままで動いて抑制が効かなくなっていくところが恐ろしい。

そういう現象を興味深く観ることが出来た。

そして、もはや顔がまんまるになったディカプリオが、ちょっと顔立ちの整ったジャック・ニコルソン風に見える。