【本】『モンド9 (モンドノーヴェ)』ダリオ・トナーニ

惑星モンド9で生活している人がその視点で物語られた日記や航海記録を集めたもの。
何が進行しているのか把握することが、別世界の住人である僕には難しすぎる。
ドラクエ1のダンジョンは松明の照らす範囲しか見ることができなかったが、そんな感じで、一定の距離から外は把握できないような手探り感のある描写で息苦しい。それも含めて著者の意図通りだから、たぶん僕には合わなかったということだろう。
スタニスワフ・レム『砂漠の惑星』も似ているところがある物語だが、登場人物が別世界の闖入者なので登場人物と同じ視点から読者がわかるように最低限の説明がある。
現代はSFの文学度が高くなっているからそういう説明が省かれる傾向にある? 
設定や描写が興味深いだけに残念。