【本】根本敬『果因果因果因』

学生の頃いちばん好きだった作家、根本敬氏のフィクション短篇集。
自分が好きだったテイストがフィクションの中にも残っている。
善でも悪でもない世界の底に沈殿した澱の中の混沌とした世界に自分は憧れた。
そして学生時代は傍観者だった自分が時を経て澱の中に埋もれ、いつの間にかリアル世界で根本氏の描くあちら側に片足を突っ込んでいることに気づく。
おそらく根本氏の世界がこちら側に侵食しているのだ。