【映画】『スペシャリスト / 自覚なき殺戮者』

戦争中に相手を殺さなければ自分が敵に殺される/あるいは軍法会議にかけられる。
命令に従わないことは犯罪だ。

アイヒマンの罪は、六〇〇万人のユダヤ人をシステマチックに殺すシステムを作ったこと(人道上の罪)だ。
しかしアイヒマンの所属していたナチス(ドイツ政府)はユダヤ人の虐殺を推進しており、その速やかな執行を彼に命じていた。

時の政府の命令に従ったことに対して別の国で極刑を下されるというのは、どう考えても理屈が噛み合わない。
その政府に逆らわなかったことを犯罪として他の国で裁くことが可能なら、今この瞬間、僕らがしていることも、他の国によって何かの罪と問われる可能性があるということだ。
イスラム法に基づいた国の法律なら豚肉を食べたり飲酒したりしても罰せられるし、共産国家なら国家批判は重罪だ。

戦後、アイヒマンは第三国(アルゼンチン)に逃亡していたが、イスラエル諜報機関モサドによって拉致され、イスラエルで極刑に処された。
それが許されてナチスのしたことが許されないのなら、アメリカの原爆投下による日本人の虐殺は?
何が正しくて何が間違っているか決めることの傲慢を考えさせられる。

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