【本】『人間の手がまだ触れない』ロバート・シェクリイ

SF的寓話短篇集。
SFという概念を日本が輸入したとき、この作家は新鮮に感じられたらしい。
往事の星新一氏や筒井康隆氏を彷彿とさせる。
古き良き時代のSFだが、経年劣化は免れられない。

この短篇集は物語の形式が寓話で、設定レベルがSFのものが圧倒的に多い。
「怪物」「体型」「専門家」「儀式」は異星人側から観た地球の文化・文明批評となっているこっけい譚。
(初期ウルトラシリーズの怪獣譚が、日本について文明についてのメタファーであったように)
今やその設定はもうパロディでしか成り立たないほど使い古されている。

しかし特に「人間の手がまだ触れない」「専門家」などの短編は、使い古されたテーマであり素材であるにも関わらず、登場する怪物の造形やキャラクター、語り口がいまだ魅力的だ。
経年を経て何が残り何が色褪せるのか、ここに若干の示唆があるのかもしれない。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です