【映画】『普通の人々』

慎重な演出で、登場人物全員それなりにリアリティを持って描いているのだけれども……
母親が次男にストレートな愛情を持つことができず拒絶する様子があまりにも尋常でない。
あたかも主人公側(父親と息子)の敵のように描かれていて、母親の内面が最後までうかがい知れないままだった。

父親と息子は成長(変化)するが、母親は変化を拒否し(実際に公言し)去っていく。
解決しないまま、そんな現実を突きつけて物語は終わる。
これもひとつのリアリズムの形だろうけれども……到底「普通」じゃなさすぎる。
そういう「普通」でない人も含めてタイトルの『普通の人々』という意味なら、たしかにそうだ。