五時起床。
眠気に耐えられなくなって朝食後に少しだけ仮眠する……つもりが机にうつ伏したままガッツリ眠ってしまう。
午後、コンビニに宅急便を送りに行ったついでに図書館に寄って本の返却貸出。
さらに駅前のショッピングモールで買物。
雪がまだ地面に残っていて、外気に寒さというより冷たさを感じる。
今日はなんだかんだで一日中、資料整理に終始してしまった。
二二時半就寝。
最近アニメ監督の高畑勲氏に興味が出てきて、『おもいでぽろぽろ』の原作をどんな風にアレンジしているのか確認するために読んでみる。
映画では一七年前の自分を振り返っていてそれがノスタルジックな雰囲気に満ちていたのだが、それからさらに二〇年以上経過!
僕が原作映画を観たのは学生時代(一九九一年前後)。
原作で描かれていた一九六六年の世界からはもう五〇年!
不思議なのは自分にとって二〇年前がさほど昔に感じないことだ。
でも、九一年の学生時代から二〇年前は僕が生まれた頃で、すごく昔だったように思える。
自分が過ごしてきたから、二〇年が連続性を持っているからだろう。
だってよく考えてみると、一九九一年はネットもない、携帯電話も普及していない、『ドラゴンボール』でセルと戦っている頃、手塚治虫氏が二年前に死んだばかり。
いま二〇歳前後の人からすれば、大昔だ。
本書を読んでいて思春期の頃の甘酸っぱい香りに浸っている。
こんな感情ずっと忘れていた……と思いながらもところどころに強い既視感がある。
忘却していた映画の記憶が原作を読むことによってよみがえり、自分の体験と混然となっている。
そういえば僕も三〇前後の頃、自分が高校時代の体験談漫画『性的人間』を描いていた。
この作者と同じだ。
そういうものなのかもしれない。
そういえば単行本に収録されなかったが僕の描いた漫画『性的人間』には『おもいでぽろぽろ』というタイトルの話があった。
ウェブで試し読みしたら思いのほか面白かったので一巻を手に入れてみる。
絵がいかにもデジタルで描かれたという感じで決して丁寧ではない。
しかしこの描き飛ばし感が、読み進めるうえで不利に働かない。
紙で描いた絵はそれなりの重さがあって、逆にそれが読み応えにつながるのだが、この漫画にはそれがない。
ひっかからないのだ。
構図の視線誘導に優れ、一枚一枚の絵でなく全体で見ることができる。
紙で読むと若干の違和感があるが、ディスプレイ上の読みやすさに優れている、新世代の漫画の描き方。
キャラ絵の萌ポイントもちゃんとおさえられている。
逆に言うと、他の部分は極力排除されている。
絵とストーリーが比例していて、物語もキャクターの周辺以外はほぼ描かれることがない。
ポイントを絞ることによって象徴的な効果を上げているのだ。
思春期ならではの心の動き……不安定さ、周囲の見えなさ、好奇心などが、SF的設定とシンクロして稀有な作品に昇華されている。
続刊が待ち遠しい。
半年前に前作を読んだ。
そのときは人生何度目かのデブピークからの本格的なダイエット一年半目だった。
そのおかげかどうかわからないけれども、その後五キロ落とすことに成功した。
(年末年始にモチを浴びるように飲んだのでまたリバウンドしてしまったが……)
絵がすごく達者。
この手のエッセイ漫画描いている人の中では一番達者。
巷では様々なダイエット法があふれているが、ダイエットなんてあきらかに間違っていることをやらないかぎりどんな方法であってもある程度は成功するもの。
問題はそのダイエットを続けられるかどうかだ。
太っている人はそんな生活を続けているから太っているので、ダイエットで体重を落としても元の生活に戻れば体重はまた元通りになる。
ダイエットは一生は続く。
それをダイエットと考えるから辛いので、スリム美人を目指す生活をしましょう、というのが本書。
スリム美人というの象徴を作ることによってダイエットを中心とした生活のレベルを引き上げる……
どういうダイエット法をやるかということに焦点をおいていない、まさにメタなダイエット論。
ダイエットに対してスリム美人を持ってくるコンセプトで成功した本だが、これは他のことでも成り立つのだ。
勉強や、仕事や、趣味……それぞれのスリム美人に該当する何かを見つけて、自分にないところ、その相手にあるところを比較すればいいのだ。
その実例をその観察できることこそわたなべ氏のスキルだけれども。
僕は子供の頃からスピルバーグ映画にあまり食指を動かされなかった。
子供が観るものというイメージ印象が強かったのだ(自分は子供のくせに)。
あまりにも物語が寓話的すぎて、リアリティを感じることが出来なかった。
最近やっと、そういう象徴的な物語の作り方として捉えることができるようになった。
『ポルターガイスト』はそんな自分が思っていた典型的なスピルバーグ映画だった。
まだ実際にありそうで怖かったのは、冒頭の、少女がテレビと会話するシーンだけ。
もうそれ以降は出来事が飛躍して物語世界に入り込むことができなかった。
椅子が勝手に移動する現象を面白がって遊ぶってどういう世界観なのか。
もう少し、日常のリアリティにクッションをかませてくれたらわかりやすかったのに……論理の飛躍がある。
あまりにも作りものっぽくて感情移入できず、ずっと外から観ているだけ。
遊園地のお化け屋敷に入るのはアトラクションとして楽しいかもしれないけれども、それを撮影した映像を観ても仕方がない!