【本】【漫画】『さくらの園 (1)』ふみふみこ

ウェブで試し読みしたら思いのほか面白かったので一巻を手に入れてみる。

絵がいかにもデジタルで描かれたという感じで決して丁寧ではない。
しかしこの描き飛ばし感が、読み進めるうえで不利に働かない。
紙で描いた絵はそれなりの重さがあって、逆にそれが読み応えにつながるのだが、この漫画にはそれがない。
ひっかからないのだ。
構図の視線誘導に優れ、一枚一枚の絵でなく全体で見ることができる。

紙で読むと若干の違和感があるが、ディスプレイ上の読みやすさに優れている、新世代の漫画の描き方。

キャラ絵の萌ポイントもちゃんとおさえられている。
逆に言うと、他の部分は極力排除されている。
絵とストーリーが比例していて、物語もキャクターの周辺以外はほぼ描かれることがない。
ポイントを絞ることによって象徴的な効果を上げているのだ。
思春期ならではの心の動き……不安定さ、周囲の見えなさ、好奇心などが、SF的設定とシンクロして稀有な作品に昇華されている。

続刊が待ち遠しい。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です