備忘ログ」カテゴリーアーカイブ

あんなことこんなこと、本や映画や夢や食べ物のことなど、様々な日々の出来事を記ログしています。
数年前から物忘れがひどくなってきて、何でもかんでもメモしないと不安になってきました。
ここは僕の第二の大脳皮質、記憶を司る場所です。

【日記】15年05月31日(日) 体重60.7kg

人恋しいくせに人と会うとダメージを受ける。
ヤマアラシほどスケールが大きくない僕は、
ウニあるいは、
クリのジレンマ。

九時起床。
午前中ずっと漫画作業。
昼過ぎ家を出て、池袋のルノアールで読書会。
課題図書はケン・リュウ『紙の動物園』。
自分は今ひとつ入りきれなかったが、全体的に好評のようだ。
懇親会、そのあと池袋の居酒屋で飲み会。
時間が下るに連れ、自分と人との間に距離ができていく。
自分のコミュニケーション力の低さに落ち込んで帰宅。
ずっと明け方まで出来事を反芻し、生きていく気力を失う。

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【日記】15年06月01日(月) 体重60.7kg

家の中の数千冊の本の積ん読を全て消化しきった自分を褒めてやりたい。

昨夜遅くまで眠れなかったせいで朝寝坊、八時起床。

八時五五分より公園を三六分ジョギング。
晴れ空が気持ちいい。
Manuel Göttschingのアルバム『E2-E4』を聴きながら走る。
単調な電子音楽がリズムとなって足が自動的に動き、ちょっとしたロボット気分。

一日漫画作業。
夕方から書架整理、増えた分の書籍をできる限り減らしていく。
(ゴミに捨てたり図書館に寄贈したり)
数年前までは購入したぶんをそのまま所蔵していたが、前回の引っ越しは本だけでトラック一台に収まらなくて引っ越しが何日もかかってしまった。
そして自分の身の丈に合った本の量を考えるようになった。
特に読まないで放ったらかしの本が増えるという悪循環を断ち切るように努力している。
身の丈にあった読書生活を……

二三時就寝。

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【日記】15年06月02日(火) 体重60.4kg

ノートに意味不明のメモ。
「四次元植物……ウツボカズラはクラインの壺」

今日も余裕の朝寝坊、八時起床。
朝から漫画作業。

一五時五一分より公園を三二分ジョギング。
霞んですっきりしない空。
Matching Moleのアルバム『独り芝居の道化師』を聴きながら走る。
何度聴いても印象に残らない……僕があまり得意でないタイプの曲。

二三時過ぎ就寝。

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【本】ドミニク・オブライエン『記憶に自信のなかった私が世界記憶力選手権で8回優勝した最強のテクニック』

これだけの記憶力を持っている著者も学習障害に悩まされたらしい。
人の話していることが頭に入りにくかったという。
僕も同じ症状だったからわかる。
学校でも先生の言葉が頭に入らず授業中に集中できなかった。
黒板やプリントなど文章化あるいは図解化した情報は頭に入りやすかったのだけれど、リアルタイムで流れる情報を頭の中で整理する方法がなかったのだ。
エピソード記憶によって覚える方法でそれを克服したとのこと。
最近記憶について調べて自分の足りない部分を強化するために読んだのだが、思いのほか役に立ちそうだ。

【日記】15年06月03日(水) 体重60.7kg

昨夜から自分の部屋に立ち込めているひどい加齢臭に悩まされていたが、ついさっきにおいの正体は近所の住人が玄関の前で炊いている蚊取り線香だと知る。
逆に言うと蚊は加齢臭に弱いのだろうか? 

七時半起床。
朝から机に向かい漫画作業。
朝から空模様が微妙で雨が降りそうで降らなさそうでだけどやっぱり降りそうで結局降らなかった。
昼過ぎ外出、西武池袋線は石神井異公園駅の人身事故(飛び込み)でダイヤが乱れている。
一五時半から大泉学園の歯医者で歯の治療、そのあと保谷の図書館で本の貸し出し。
帰宅時に西武池袋線に乗るとまだダイヤが乱れている。
二三時就寝。

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【日記】15年06月04日(木) 体重60.6kg

早起きの習慣を作るのは困難で時間がかかるのに、いったん朝寝坊したらその日からリズムが崩れてしまう。
痩せるのは困難なのに太るのは一瞬……ダイエットと同じ。

また朝寝坊の八時起床。
これ自体がリズムに組み込まれてしまった。
一日の出鼻を挫かれ、だらだらと机に向かって漫画作業。

一五時三七分より公園を三六分ジョギング。
少し日が傾いても暑い。
Matching Moleのアルバム『Matching Mole』を聴きながら走る。
どことなく懐かしい曲調。
公園の街路樹の下を走りながら見る光景とシンクロする。
気持ちいい。

夕方、わざわざ調べて電車に乗り中華料理屋へ向かったのに、隣のトルコ料理屋の看板に目を奪われフラフラと入ってしまう。
「ミイラ取りがミイラになる」と言うよりも「中華料理屋行くつもりがトルコ料理屋に入る」と言うべきか。
料理自体はおいしかったので満足。
店を出ると一八時半、まだ日が暮れておらず外の明るさにビックリする。
僕の好きな季節だ。
(夜はオバケが出そうで怖いから嫌い)
帰宅して読書、二三時就寝。

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【本】ロジャー・ゼラズニイ『ロードマークス』

道路の傍らに立つアドルフという名のチョビ髭のドイツ人(!)に
「この先でお前がトラックで事故を起こして死んでいるのを見た」
と告げられるところから物語は始まる。
その道路を走っていると時間が正常に流れないようだ。
レストランで
「前はもっと歳をとっていた」
と言われる主人公。息子までが登場する。
はては十字軍時代の老人やティラノサウルスを操るサド侯爵、果ては宇宙人に作られた殺戮ロボット、無敵の殺人兵士などが現れる。そしてその道路を支配するのはドラゴン。
かように混沌としたガジェットが乱暴に放り投げ出された世界を、幾つもの平行して物語が流れる。
通常の物語作法で進んでいかないので混乱するばかり。

手に取るとツルンと逃げていく不思議な感触を持った小説。
(なのに不思議な魅力がある)

【日記】15年06月05日(金) 体重60.8kg

眠ることに集中できない。

ここ数年眠りが浅くなり、外の刺激や自分の夢がきっかけになってあっさりと目覚めてしまうのだが、そのまま眠りに戻ることがいつも困難で、そのまま朝まで天井を見上げて過ごすことになる。

今日もふとしたことで目覚めてしまい、過去の走馬灯が無限に回る暗い天井を見上げ地獄のような時間を過ごすことになる。
耐えきれず三時半頃起床。
しかしこの状態で起きても意識自体は朦朧としていて、仕事は手に付かないし本を読んでも頭に入らない。
仕方なしにもう一度眠るため、ジョギングに出る。

四時五九分より公園を三八分ジョギング。
眠気で足がもつれる。
霞がかっている空、すっきりしない。
Maxophoneのアルバム『axophone』を聴きながら走る。
きらめく音が天から僕の上に落ちてくる。
僕の濁った心がほんの少しだけ救われる。

帰宅して布団に潜り込んだ途端に睡魔に襲われ、沼に沈んでいくように意識が沈殿していく。
目覚めて布団から這い出るともう昼前。
一日を台無しにされたような気分。
気を取り直して仕事部屋で漫画作業。
二三時就寝。

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【日記】15年06月06日(土) 体重60.9kg

絵を描くことが面倒臭くて、楽しくない。
しかし考えてみるとその他のことだってそうだ。
本を読むことも面倒くさいし、映画も集中できないし、食べたら太るし、眠りは浅くて寝ることが疲れるし……生きていて楽しいことがない。
だけど死ぬのも怖い。

五時起床。
いろいろあらかじめスケジュールを組んで行動するが、うまくいかない。

【理想】板橋図書館で本を返却、公園前図書館で本を返却、公園をジョギング、公園前図書館で本の貸出、散髪屋、買物。

そんなつもりで家を出たのだが。

【現実】板橋図書館で本を返却、公園前図書館で本の返却後ジョギングするつもりが普段着のままで出てしまったので断念、引き続き公園前図書館で本を借りるつもりが図書カードが見つかなくて断念、散髪屋へ行くと人がいっぱい並んでいて断念、買物をして帰宅。

午後、もう一度公園前図書館へ行き本を借り、散髪屋で髪を切り帰宅。
朝は罪悪感を感じるほど眩しい青空だったのに午後から不穏な空模様に変化。

一五時前に最寄り駅で漫画家志望の青年S君と待ち合わせ、僕の仕事部屋に招待する。
仕事部屋や書架を案内して、原稿を見ながら話をする。
一七時に家を出て、二人で四谷のクロッキー会へ。
僕はいつも通り冒頭の一〇分で飽きて(絵を描くことが面倒臭くなって)後はただの苦行。
二一時にS君と別れて帰宅。
二三時就寝。

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【本】エドガー・アラン・ポー『モルグ街の殺人・黄金虫』

夏目漱石が作った当て字の「ロマン」が「浪漫」で広まったように
「二葉亭四迷」から生まれた「くたばってしまえ!」、
そして「エドガー・アラン・ポー」から生まれた「江戸川乱歩」。

ポーは、僕の好きな小説ジャンル「奇妙な味」の元祖の作家。
幻想と論理のはざまの作家であるが、この短篇集の収録作は僕の(比較的)好きでないほうの論理/ロジック寄り。

推理、暗号、密室殺人、探偵モノ……ミステリ小説の原型がここにある。
ミステリと言っても問題解決は後出しジャンケン、読者が謎解きを楽しむことができるタイプのものではない。
しかし全体的にオチにむかって収束(ドンデン返し)していく物語作りがされており、一九世紀前半にして物語の快感というものを自覚していることに驚く。

ある人にとっての悲劇は他の人にとっての喜劇で、この短篇集の底辺には恐怖の裏側にある「黒い笑い」に満ちている。
「ホップフロッグ」のラストが典型的なそれだし、
「盗まれた手紙」の警視総監から金を巻き上げるところ、
「おまえが犯人だ!」の腹話術、
物語のその場にいる人は笑えないが、引いた視点で笑いになっている。
これこそ「奇妙な味」の元祖たる所以。

【日記】15年06月07日(日) 体重60.4kg

クロッキー会で黒人男性ヌード、僕のほうが立派だったので少し誇らしい気持ちになった。
あっちは元気のない状態、こっちは頑張っている状態でのことですけどね。

五時に鳴るはずの無意識に目覚ましを止めてしまい八時起床。
九時前、(一五時からの読書会に向け)ギリギリの時間に課題図書を読み始める。
一二時半頃読了し外出。
大江戸線の新宿西口駅で降り、久々に東京麺通団で讃岐うどんの昼食。
相変わらず美味しいが、店内は多少くたびれてきた印象。

新宿駅前を通ると、自民党の谷垣幹事長が街頭演説している。
大声を上げて邪魔している人たちがいて、「死神総理」と書いた安倍首相のプラカードを掲げ、
「ひっとごろし! ひっとごろし!」
「自民党は説明責任を果たせ〜!」
とシュプレヒコールを繰り返しているが、そもそも聞く気がないじゃないか。

ヨドバシカメラでモノラルイヤホンを探すが目当ての品は売り切れ。
他の家電量販店を合計三店回るがやはり売り切れ、時間がないので諦める。
四谷駅前のルノアールで一五時より読書会、課題図書はエドガー・アラン・ポー『モルグ街の殺人・黄金虫』。
ペースが掴めず、自分の話したいことの半分も話せずに一七時会場を出る。
急いで移動、一七時半より三鷹のクロッキー会に参加。
懇親会に参加、皆が盛り上がっているのを見ているうちにいつものアレが始まる。
二一時半頃、懇親会途中を抜けひとり帰宅。
二三時半就寝。

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【日記】15年06月08日(月) 体重60.0kg

何でヨドバシカメラは宛先に会社名を書かせる欄があって、会社名などないけれど空白が気持ち悪いので
適当に「おばけの学校」と書き込んだら、宛先に「おばけの学校」様と書かれて送られてきた。
「ここで合ってますか?」
と怪訝な顔して聞いてきた運送の人。

六時半起床。
朝眠かったのはもちろんだが、あまりに深い睡眠だったため二つセットしている目覚ましが鳴っていることにすら気づかなかった。

七時四四分より公園を三六分ジョギング。
はっきりしない空、湿度が高くぬるい空気。
Michel Polnareffのアルバム『Polnareff’s』を聴きながら走る。
以前聴いたときより印象がはるかにいいい。
これははまるかもしれない。

熱海旅行をしていた母が夕方、僕の家に宿泊するため訪れる。
のべつなしにしゃべり続けているので母を寝室に放り込み、僕は自室で無視を決め込み映画を観ている。
Uさんから電話がかかってきて話し込んでしまい〇時半就寝。

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【日記】15年06月09日(火) 体重60.6kg

レベルアップ音の快楽に負け、パブロフの犬状態。

五時起床。
昨夜遅くに眠ったのと母のドタバタで四時間強しか眠れない。
母に食事を作り、外を見ると強い風雨。
一〇時過ぎに母を駅まで送る頃には雨も止んでいる。
(はっきりしない空模様は一日続く)
帰宅後、何の気になしに手にとったドラクエ7をプレイしていると止まらなくなる。

すれ違い石版で手に入れたメタルキング/プラチナキングのダンジョンでレベル上げをしている。
福引券で当たった元気玉を使い、三〇分でレベルを二〇近く上げてしまう(レベル四〇→五八)。
ラストダンジョンに入っても敵強キャラが逃げ出すほど強くなり、ラスボスは瞬殺、あっけないエンディングだった。

(自らゲームバランスを破壊してしまった……)という恋しさ、
(ドラクエによって今日いちにち翻ると先月から大切な時間を合計八〇時間浪費してしまった……)というせつなさ、
(これで明日から仕事に集中できる……)という心強さ。
愛しさと切なさと心強さと、あやまちは恐れず前に進もうと思う。

バラバラになりがちな物語のつながりを、なんとか仲間キャラクターの会話で埋めようと努力している制作者の意図が見え、それが苦しそうで同情してしまう。
自分自身もプレイしていろんなものを失ったが、キャラクターについて考えるきっかけになったからよかったと思うことにする。

プレイを終えて時計を見上げると二二時前、布団の中に潜り込むと一〇分ほどで眠りの海へ沈んでいく。

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【日記】15年06月10日(水) 体重60.3kg

寿司で息抜き、略して寿司抜き。

五時起床。

七時一二分より公園を三七分ジョギング。
Magmaのアルバム『Magma Live』を聴きながら走る。
Magmaというバンドの全てのアルバムに共通することだけれども、かっこいいけど他のアルバムとの差があまりない。
このアルバムはライブ盤なのだが、そうでないものとの差もあまりわからない。
個性が強すぎて、全てのことが微差になってしまう。

部屋にこもって作業をしていると煮詰まってくる。
息抜きに近所の回転寿司屋で昼食。
帰宅してそれなりにアイデアが浮かんできたので、寿司屋に行ってよかったと思う。
二二時半就寝。

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【本】ロジャー・ゼラズニイ『伝道の書に捧げる薔薇』

物語自体は古い……というよりもオーソドックスなものだが、その物語を飛躍/深化させるための、実に効果的なセンス・オブ・ワンダーが、絶妙なバランスで混ざり合っている。
寺沢武一氏がよく言う「新しい皮袋につめた古いぶどう酒」はゼラズニイ氏がまさしく体現していること。
(ちなみにこのことわざ、ルカによる福音書「新しいぶどう酒は新しい皮袋に」が元ネタのようで……新しいぶどう酒を古い革袋に入れたら発酵するとき皮袋が破裂して駄目になるから、新しいぶどう酒は新しい皮袋にちゃんと入れましょう……という意味だった!)
たとえば表題作は火星というSFでは使い古された(陳腐な)設定なのだが、今までのSFで扱われなかった伝道書というガジェットがアクロバティックな作話術によって紡がれると、手術台の上のこうもり傘とミシンの出会いのように美しい。
そして

星野之宣氏も『ベムハンター・ソード』や『二〇〇一夜物語』であきらかに影響を受けている短編がある。
八〇年代以降は忘れ去られた感のあるゼラズニイが、八〇年代以降も影響を受けたクリエイターに繰り返し引用されていたことを、この短篇集で知る。

【日記】15年06月11日(木) 体重59.9kg

夏だからあと六キロ痩せなきゃ……

深夜悪夢から目覚めその後目が冴えてしまい眠れなくなる。
あまりの苦しさにいったん仕事部屋へ移動するが、パソコンに向かっても睡眠不足のため意識レベルが低く作業ができない。
また寝室に戻り、外が明るくなる頃ようやくうとうとし始める……と、五時に目覚ましがけたたましく鳴りはじめる。
目覚ましを止め布団に潜り込んで目を覚ますと八時。
がっかりする一日の始まり。

八時五七分より公園を三七分ジョギング。
Mahavishnu Orchestraのアルバム『内に秘めた炎 The Inner Mounting Flame』を聴きながら走る。
バンド構成も曲の雰囲気も嫌いではないのだが、通して聴くとピンと来ないのは何故だろう。

いちにち明日の打ち合わせのためラフを描いている。
二二時半就寝。

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