超能力者が、高機能自閉症レベルの能力を持っている健常者……がこの物語の特色。
リアルといえばリアルだけれども、X-メンみたいな非現実的までの派手なアクションを想像していると肩透かしを食らう。
かといって退屈かというとむしろその逆、現代的にいくつかツイストをきかせた展開になっていて全く飽きさせない。
六〇〇ページ(二〇〇ページで終わりそうな話だが)を長いと感じさせず、一気読みさせてしまう手腕は素晴らしい。
ひさびさにページをめくるのがもどかしく思える面白い物語に出会った。
読んでからよく考えると基本的な構造は平井和正氏のゾンビーハンターシリーズと同じ。
絶対悪/ゾンビーを狩る主人公にもゾンビーと重なる部分(能力)があり、ラストで価値観が一変する。
僕はゾンビーハンターシリーズが好きだからハマった部分もあるのかもしれない