日別アーカイブ: 2015年4月8日

【本】ロバート・A・ハインライン『輪廻の蛇』

ハインライン傑作集は全部目を通したと思っていたので、先日映画化された『輪廻の蛇』=『プリデスティネーション』を鑑賞して、
「原作と違う、どころかこんな話読んだことがない!」
とSHOCKを受けた。

確認のため、ハインライン傑作集第二巻であるこの『輪廻の蛇』を読んでみると、
「……この短篇集だけとばして読んでいなかったからだ!」
ということに気づいた。うへえ。

現代的にブラシアップされた新しく追加された要素含め、原作の短編より映画のほうがより深みのある内容だった。
それはともかくこの短篇集、他のアンソロジーで既読のものがいくつかあったがそれだけ優れたものが集められたということ。
間違いなく面白い。

『ジョナサン・ホーグ氏の不愉快な職業』
主観のゆらぎの描き方がディック的。
面白いけれどもページ数に対して内容が薄い。

『象を売る男』
ハインライン氏らしくない、ジャック・フィニイ氏を彷彿とさせる、強烈なまでのノスタルジック。

『輪廻の蛇』

『かれら』
冒頭の『ジョナサン・ホーグ氏の不愉快な職業』と同じく、ディック的な現実認識の揺らぎから今となってはありふれた感のあるオチ。

『わが美しき町』
ヤング氏のような甘い味わい。ハミルトン『風の子供』のような風や竜巻を擬人化する話、アメリカでは定番なのだろうか。
ドラえもんの台風のフー子の元ネタはむしろここにあるのかもしれない。

『歪んだ家』
SFアンソロジーの定番。

【日記】15年04月08日(水) 体重63.1kg

長い長いトンネルを抜け県境を越えると、そこは雪国だった。
「雪崩のおそれがあるため徐行します」
と車内アナウンス。
念のため、真冬の防寒具を着ているのだがそれでも寒い。

七時半起床、深夜の暴食で胃がむかむかして熟睡できず。
面倒臭くて放り出したくなる気持ちを抑えながら外出の用意、九時半頃家を出る。
駅に向かう途中の空、ウズラの卵のようにどんよりして、冷たい雨が降り続いている。
僕を乗せた鈍行は、北へ向かって走る。
雨はいつしかみぞれに、みぞれは雪へとかわり、乗り換えでホームに降りるたび僕は寒さで震える。

さらに山を越え長岡駅につく頃には、雪がすっかり消えて雲ひとつない夕暮れ。
17時半に新潟駅到着、晴れているが気温は低い。
今日泊まる予定の宿はドミトリー(相部屋を前提とした宿泊施設)だ。
駅から宿へ向かう道の途中、大橋を渡る時間にちょうど日没。

ドミトリーの宿泊料は一八〇〇円。
宿の人に近所で食べる場所を伺うと、港近くの寿司屋を紹介してもらう。
二〇分かけて到着すると定休日。
仕方なしに寿司屋近くの海鮮料理の定食屋に入る。

疲れきってまたドミトリーに戻る。
二一時就寝、ベッドが湿っていて熟睡することが困難。
深夜に枕元においていたiPod touchをベッドの隙間に落としたことを気づき、拾う。
その動作で完全に覚醒してもう眠ることができない……朝まで地獄のような時間を過ごす。

この日ほか記事一覧