【本】『果しなき流れの果に』小松左京

三年ぶりの再読。
やはり読書一度目は確認にしか過ぎない、再読以降からやっと理解できるようだ。
いかにして人間を超えるかというニーチェ的なテーマが包有されている。
それは同時期の『二〇〇一年宇宙の旅』と内容のシンクロニシティがあり、時代が反映された作品だったことがわかる。
宇宙と宇宙から新しい宇宙が生まれるイメージは、さながら超弩級マクロな止揚(アウフヘーベン)。

小道具(電話など)は古くなっているが、この小説で扱われている本質的な問いかけはちっとも古びていない。
これからもずっと普遍的に読み継がれるテーマ。
そしてこの小説に描かれている未来(二〇一八年)は今からあと三年後……