【本】『地球の長い午後』ブライアン・W・オールディス

想像力の限界の世界を描くためにはドラマチックな物語はその妨げになるのだろうか。
その都度の行き当たりばったりの行動しか描かれない。
悲劇的な再会を予感させる重要な伏線が機能していないし、ラストで主人公がとった選択も人類の未来に対しては消極的なものだ。

この小説から影響を受けただろう『風の谷のナウシカ』には芳醇な物語世界が生まれたから、これは「そういう世界観モノバージョン1.0」とでも呼ぶべきものなのかもしれない。