【本】『藤子不二雄SF全短篇(第3巻)征地球論』藤子不二雄

比較的新しく発表されたもの(八〇年代)中心に編まれている。前二作と同じく「奇妙な味」的なもの、ズレた価値観を扱う物語が中心だが、日常のなかの一コマを切り取る傾向が強くなりドラマ性は身を潜める。
「征地球論」「あのバカは荒野をめざす」「未来ドロボウ」「大予言」が僕の好み。特に「征地球論」は文明批評としても素晴らしい。こんな短編が載っていた少年漫画誌ってすごい時代だったんだな。