【本】七月隆文『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』

まさしく主人公と同じく京都の美術系大学に通っていた自分からするとアルアル要素だらけ、懐かしい。
もう取り戻せない過ぎ去った日々を僕と同様主人公たちも経ているわけで、その切なさと言ったらない。描写の瑞々しさに、これこそ才能!と思う。
ただ設定がこの話のために作られたみたいに見え、いくらなんでも無理がありすぎる。
もう少し『ベンジャミン・バトン』みたいに世界観がシンプルにならなかったのか、あるいは秘密をバラすタイミングをもっと効果的にできなかったのか、不満点もあるが……まあそう思うぐらい僕がこの物語に感情移入したということだ。