ハリーたち三人は「例のあの人」の魂が封印されている七つの分霊箱を探す旅に出る……
『ハリー・ポッター』シリーズは本を読んで楽しむことが前提で、映画はあくまで本を補完するものなのかもしれない。
映画単体で観ると、あきらかにおかしい演出が多くて展開がグダグダ。
到底意味があるとは思えない行動を行ったり来たり。
例えば、ハリーの両親が死んだ地を訪れたとき、たまたまそこを歩いていたいかにも怪しい老女を
「ダンブルドアの友人だ!」
と思い込みついていき、案の定襲われてしまう。
それが次のエピソードに繋がっているわけでもない。
つながりの薄いエピソードが数珠つなぎに並んでいるだけ。
原作通りにやらなければならないということで無理やり入れたエピソードが、映画の尺ゆえの時間制限で説明不足になっている、ということなら納得がいく……
というか、そういう理由でもないと理解不能過ぎる。
登場人物の行動はみな支離滅裂、その場を反射的に動くだけでとうてい主体的に行動しているとはいえない。
危機に陥ったとき、機転や能力で脱するわけでなく、偶然や誰かの助けによってその場はなし崩しに何とかなるのだ。