【映画】『ゴジラ(デジタルリマスター版)』

水爆実験で生まれた怪獣ゴジラが東京を襲撃する話。

老人「あれはゴジラかもしれん……」
若い女「まーた、おじいさんのいつものやつが始まった! そんな言い伝え本当にあるもんかよ」

ゴジラが現れた漁村での会話(意訳)が新鮮。
今、ゴジラという言葉をそんな意味に使うやりとりはゴジラ映画が公開されていないパラレルワールドの日本に行かないとあり得ない。
それほどまでにゴジラは日本で架空怪獣のアイコンとして浸透している。

出現したゴジラを退治しようとしたことが逆に怒りに火をつけ、ゴジラは東京へ襲来する。
自然を無理にねじ伏せると、それが数倍になってこちらに跳ね返ってくる。
そして最後は、水爆で生まれた怪獣を水爆以上の兵器によって倒そうとする。

兵器はいったん使われると歯止めが効かない。
目の前の不幸をどの程度として捉えるか。
目の前の不幸をなくすための行動(戦争)が、より大きくエスカレーションして跳返ってこないか……現在も続く人類の普遍的な問題。

しかし、そんなことを、この時代にこういう映画が作られたことを忖度(そんたく)しながら観ないと、苦痛で観ていられない。
だって今の基準からすると、演技もわざとらしいし展開もモタモタしているし……

最後、骸骨が出てきたときは失礼ながら笑ってしまった。