【本】『図書室の魔法(上下)』ジョー・ウォルトン

日記の形でしるされた思春期の少女の幻想と現実が交互に繰り返される物語。

孤独感を抱いている少女が、徐々に現実と折り合いをつけていく。
そのきっかけが魔術とSF小説。

少女のSF嗜好は僕と似ていなくて、僕が三〇代でチンプンカンプンだった小説を一五歳で激賞していたり……僕よりずっとませているな。

日常があまりにも淡々としていて、それがリアルといえばリアルだけれども、個人的にはもう少しドラマチックな物語を読みたかった。

冒頭で、これが何かの隠喩を含んだ物語であることはあきらかにされているが、逆にその言葉によって腑に落ちすぎてしまうのが勿体ない。
もう少し幻想寄りにして本当の物語がかろうじて読みとれる程度に描くとか、あるいは冒頭のあの言葉をざっくり消して違う表現にしするとか。
まあでもそれは僕の個人的に感じたことなので、この物語の完成度は申し分ない。

そういえば僕も最近、初めて読書会に行った。
【日記】14年08月03日 体重60.0kg

僕は彼女のような孤独感が「自分なりに」想像できる。
スポーツができたり、共通の話題が多い趣味を持ってたり、友だちが多い人とは根本的に異なる世界に自分は生きているのかもしれない。
大宇宙の深淵をずっとさまよっている気持。
今、表現に携わる世界の片隅でかろうじて仕事をしているが、デビュー以来一貫して感じることは、暗闇にボールを投げ続けているような一方通行の決してわかり合えない不安感だ。

そんなこんな、物語自体はピッタリはまるとは言い難かったが、僕の物語世界へのシンクロ度は予想以上に高くていろいろ考えさせられた。

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