【夢】近所で大衆演劇の公演、美大の卒業生中心の劇団。

興味を持った僕は裏方で手伝いに行く。
その劇団の人気俳優は禿げた男、彼がシナリオも書いている。
ラスト公演日、飛び入りで僕が演じることになって大盛り上がり。

しかしプライベートで皆に本音を聞くと、美大で出会った頃は熱い情熱を持っていたが、今は肉体的、精神的に限界だという。
禿げた男は一昔前、演劇界で若手のホープだった。
この劇団のメンバーの女性と付き合っていたが、今は別れたとのこと。
皆で僕の自宅に遊びに来る。
僕が漫画家だということを打ち明ける。
禿げた男の元彼女が見せてくれという。
「以前友達に見せたら、つまんない漫画と言われ目の前で破られたことがあるから……」
と僕は断る。
みんなでバイトの話を始める。
「電力会社のバイト募集のチラシを見たが、あれはどうだろうか」
「危険そう。原発の放射能実験みたいだよ」

僕はといえば普段、照明のバイトをしている。
舞台裏の一室の窓からライトを下の階に向かって当てる。
適当にやっているが光の屈折の関係か意外とうまくいくものだ。

演劇は楽しい、楽しくない論争を皆で始める。
自分たちはもう若くない、という雰囲気に満ちている。
「もう限界かも」
と禿げた男がつぶやく。
僕と同い年の彼らの言葉が苦い。
そうだ僕も若くないんだ。

警察署の中で僕たちは談笑している。
凶悪事件が起きたみたいで、廊下はちょっとした騒ぎになっている。
指名手配犯の健康保険証の番号を知る。
たわむれに、特殊な数式で計算してみると僕と指名手配犯の番号は一致する。
面白がって女性警官に番号を見せると、後ろから腕をねじりあげて僕を拘束しようとする。
慌ててもう一度確認してもらうと番号が3ずれている。
それでも女性警官は僕のことを疑っている。
トイレに入って個室の下水管の中に入り、上の階のトイレまで登って窓から隣のビルに飛びうつる。
警察が気づかない間にビルの屋上を移動、公園の木に飛び降り、走って逃げる。
たまたま貯金をATMで下ろして全額手元にあることを思い出し、少し安心する。
気分はもう犯罪者、メタボなので心臓を気にしながら走っている。

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