【本】『何をやっても続かないのは、脳がダメな自分を記憶しているからだ』岩崎一郎

僕はアルコールもタバコもギャンブルもやらないが、それは依存症になりやすく弱い自分を自覚しているからであって、何かのきっかけがあれば負のスパイラルに入って抜け出せなくなる。今もそういう状態だ。

この書籍は、どうすれば依存や悪い習慣から抜け出すことができるか、自分でコントロールする方法について、脳科学の見地から具体的に書かれている。

タイトルからもっとスピリチュアルな、あるいは自己啓発的なものを想像していたのだが、その手の本が「前向きに考える」「悪口を言わない」などを前提に話を進めていくことにくらべ、この本は脳の機能を詳しく調べるとそういう「前向き……」なことをしたほうが脳のダメージが少なくて済むという結論に至る……そんな逆の流れが興味深い。

昨今の脳科学の進展は、目覚ましいものがあると感慨深い。アハ!

メモ:
●行動の九割は意志と無関係。

●習慣は、特定のシグナルがくると自動的に反応する。
朝→シャワー→着替え 

●習慣を変えるためには、潜在意識に訴えるのがよい。

脳は、目にした字の影響を受けやすい
味の強さは自体は変わらないが、味の心地よさは変えることができる。
EX.味の素を、
グルタミン酸ナトリウム→味気なく
濃厚でおいしい→味の心地よさが高くなる

EX.ダイエットなら
・食事のときにお気に入りの食器に移し替えてみる
・よい思い出の音楽や自然の音など
など五感に訴える環境で食事する。

●習慣に根性論はいらない。
EX.マシュマロの実験
1:歌を歌う、一人ゲームをする、目を閉じるなど、注意を別の方向に向ける。
2:マシュマロを塩辛い硬いものだと思ったり、頭の中でイメージを操り、工夫して誘惑に負けないようする。
∴「意志力」を鍛えるためには、「根性」よりも「想像力」を使ったほうが、余り無理をしないで習慣や行動を変えることができる。

●考えは紙に書くだけで扱いやすくなる。
自分の考えを紙に書く→
捨ててしまう:比較的忘れやすくなる
取っておく:意識に残りやすくなる

●苦手なこと
自分主観で想像する:苦手意識が強くなる
客観的な第三者視点で状況を想像する:苦手意識を取り除きやすい

●新しい習慣は、二〇〇回繰り返さないと身につかない

●習慣化するためには、脳が快になるような達成感が得られないと難しい

●ドーパミンが習慣化を促進:アミノ酸のチロシン→チーズ(パルメザンチーズ)、納豆、カツオ→習慣化を促進したい、ストレス状況下で集中したいときに有効。

●三日坊主をなくす方法
1:行動をきっかけにする。(逆に時間をきっかけにするのは有効でない)

2:きっかけ行動にする行動はわかりやすく特徴的なものを。
EX.起床、お風呂、食事……

3:行動の流れに注意を払う。
EX.電車に乗ったら英会話を聞く、など。流れ作業にしやすいもの。

4:協調計画を作る。
EX.ダイエットのとき、甘いモノを食べない→半分だけ食べる。美味しいものは週三回のご褒美の日に……など。

5:メッセージを使う。
定期的にメッセージを確認する。

6:自分の行動を管理する、もしくは記録をつける。

●計画を達成しやすいように前日あるいは事前に用意をする。

●人が行動を変えるときじゃアクション六〇秒以内の反応が大切。
早起きそのものが快になるよう、六〇秒以内に脳に刻みこむようにする。
EX.起きたらすぐに好きな音楽を聞く。
EX.スタンプカード方式

●習慣逆転法:癖をしていないときは褒めてもらう。
・アメとムチでなく、アメとアメなし
・イメージトレーニング→自分の癖が出る場面をイメージしてやめるところもイメージ。

優先順位
1:誘惑のない環境を作る。

2:その習慣ができないように別の行動をする。

3:詳細な記録をつける→自分を客観的に見る行為。

●自分のあやまちを認め、人を赦せる状態になると、痛みやストレスなどの感覚が和らぐ→依存症などの習慣を断ち切るためには、人生の意義を見い出し納得することも必要。

●海馬は一日七〇〇の細胞が新しくなる。

●習慣を変えるには身体を動かすことが一番。ただし、自発的でないとストレスホルモンが分泌される。

●脳を変える秘訣は、運動・食事・人間関係・考え方の四つ。
運動:有酸素運動は脳を活性化する。

食事:頭がよくなる食べ物オメガ3→魚に含まれている。逆にジャンクフードは麻薬と同じ。

人間関係:悪口は猛毒…子供のとき悪口を頻繁に聞く環境ほど、不安、鬱が多い。

考え方:感謝すると脳の厚みが増す。感謝日記をつけてみる。