【本】『手塚治虫エッセイ集(4) 』手塚治虫

紀行文中心のエッセイ集。
宇宙観から地球観へ、そして徐々にピンポイントで世界の各地を旅した話に移行していく。
手塚氏が、南米やイースター島へ精力的に旅行していた頃、古代宇宙飛行士説を唱えたデニケンの超古代文明本がベストセラーになっていて、手塚氏の旅行記もそれを意識したものになっている。
同時期に発表した『三つ目がとおる』は超古代文明にまつわる漫画だったが、手塚氏は超古代文明ブームをフィクションと捉えており、あくまでそれを現代文明の比喩として描いたことがこの旅行記の眼差しではっきりとわかる。