【本】『紙の砦』手塚治虫

あくまでもカッコ付きの「自伝的な」作品集。
あとがきでも書いているが、手塚氏は自分自身を漫画の中のキャラクターとして頻繁に漫画に登場させているのだが、そのキャラクター自体をパブリック・イメージとしての手塚氏として読者が同一視している……それを利用した私小説っぽいフィクションのようだ。
過剰なまでに饒舌に物語る手塚氏だが、自分語りに関しては屈折している印象。