【本】『一輝まんだら(全2)』手塚治虫

無学で顔が不自由な中国人女性が義和団の乱に参加して日本へ逃亡するまでがこの物語のおもなプロット。彼女がタイトルに登場する北一輝と出会ってすぐにバッサリと打ち切られている。
おそらく北一輝を中心にして曼荼羅のように周囲に広がる世界、物語が進んだら数十巻にもなるボリュームのものを手塚氏は構想していたのではないか。読者にはこのプロローグ的なものから推測するしかない。
物語としての魅力、引きが強い(逆に言うと引きしかない)だけに、この先この物語の収拾をどういう風につけていくのか見たかった。
手塚氏には波があって、この作品が欠かれたのは物語的には充実していくが絵柄的にはあきらかに思い入れが感じられない時期。描線は全体的に雑で、背景と人物が噛み合ってない部分が多い。

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