【本】『雑巾と宝石』手塚治虫

あとがきにて、タイトルは『ボロと宝石』にするつもりだったが「どうしても漢字で書きたくて「襤褸」としたら、編集者に今どきそんな文字を読める人間はいないといわれ、仕方なく“雑巾”と書いてボロと読ませたのです。ところが、またもや編集者に、雑巾をボロとは読まん、雑巾のまちがいだと思われるといわれ、えいくそとばかりゾーキンに変えてしまいました。」そして勢いで主人公の名前を須形ボロ子から象野キン子に変えてしまったとのこと。
だったら、ひらがなで『ボロと宝石』にしたらよかったのでは? 漢字の字面にこだわったのだろうか。
手塚氏にとって何が譲れないものなのかがわからない。 
「日付健忘線」など他のヤング誌に発表された収録作も味わい深い。