【本】『ジャングルタロ』手塚治虫

水爆実験から始まる冒頭。ウラン鉱石を持ち帰り死ぬ運命の悪役。死の影がちらほら見えるが基調は明るい動物漫画。
あとがきにて、手塚氏は核実験の恐怖を政治色抜きで娯楽作として描きたかったことたらしい。志が高過ぎる! しかし人気重視の少年誌にはそういうテーマは伝わらず、剣豪漫画や月光仮面のブームに押され尻つぼみにおわったとのこと。月光仮面て! 手塚氏の輝かしい活躍の歴史の裏にはこういう試行錯誤や競争があったということを実感。