【本】『火の鳥(14~16)』手塚治虫

「太陽編」絵は手塚氏の何回目かのピークを迎え、手塚氏らしい暖かさと現代的な要素が交じり合い魅力的。
物語の中で主人公は未来と過去を交互に行き来し、この作品単体で『火の鳥』の様相。仏教の神、神道の神の対立が描かれていることに初読時(高校生)に衝撃を受けた。僕が住んでいた関西は寺社仏閣が多く双方が境内の中に混在しており、そのあるがまま以上の姿を想像することが出来なかったのだ。ものの見方が新鮮だった。その文化の対立を視覚化したうえ象徴的に物語に絡める手塚氏の物語作りの巧みさに圧倒される。
ただし『火の鳥』前半のパッションはあまり感じられない。