【夢】僕は知らない八百屋で野菜を買っている。

ちぢみほうれん草がないかと尋ねると、店のおばさんがブロッコリを持ってくる。
最初は疑問に思ったが、しばらく経つと自分の手に持っているものがブロッコリからちぢみほうれん草に変わっていたので納得する。
買った食材をどんどんリュックに入れていく。
登山用のリュックはパンパンに膨れ、中からパック詰めされた牛肉が飛び出す。
大学の漫画研究部の新入生歓迎会で使う食材なのだ。
新入生歓迎会を行うホテルへ移動、クレジットカードのポイントを使うとただで泊まることが出来るのでちょっとお得だ。
フロントで立っていると、後ろから明らかにヤクザとわかる男達がエレベーターに入っていく。
彼らは自分の隣の部屋に宿泊しているのだ。
ホテルの部屋に入ると、漫画研究部の新入生歓迎会が始まっている。
散らかった大学の部室のような光景だ。
新入生ですでに一人漫画家としてデビュー済みの人がいる。
友達の毛利いわく、彼が新人賞をとったのはもう二〇年近く前とのこと。
そういえば、大学時代に読んだジャンプ新人増刊で彼の受賞作を見たことがある!
懐かしく思う同時に、まだ漫画家として独り立ちしていないという彼を見て業界の厳しさを実感する。

食べている食事に意識を移すと、東北の放射能汚染が進んで食物が汚染されていることがわかる。
汚染を除去する方法を試してみる。
目をつぶりまぶたの上に牛乳を垂らす。
しばらくすると浸透圧の関係で汚染物質の大きな粒子がまぶたで濾過され、目の中が牛乳でいっぱいになる。
目の中にたまった牛乳を取り出して同じことを繰り返し牛乳をきれいにしていく。
皆、自分の席に座って上を向いてまぶたに牛乳を溜めている。
気が付くとそこは東北から移動中のバスで、外を見ると首都高速を移動中、空は白にかすかな橙色が混じり霞がかった夕暮れだ。
今までのことは全てハンディカムで撮影された映像だったことに僕は気づく。
カメラはゆっくりと視点を移動させ、夕暮れの空からビルのシルエット、窓ガラス、バス内の座席に座る人々へ、そして映像はなめらかに暗くなっていく。